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美術館・画廊メモ 3
平成22年5月15日から7月8日までの美術日誌。美との出会いを日付の新しい順に記録してあります。
(画廊展は3~4件に1件の割合で、これはというもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日)
。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
平成22年4月1日~5月15日の美術日誌
は、
美術館・画廊メモ 2
にあります。
平成22年7月9日からの美術日誌
は、
美術館・画廊メモ 4
にあります。
220708
世界報道写真展2010
ある時代の、地球の記憶
@ 東京都写真美術館B1階展示室
(平面表現が能うかぎりのパワフルな表現。)
220708
侍と私 ポートレイトが語る初期写真
The Samurai & I: Early Portrait Photographs
@ 東京都写真美術館3階展示室
(写真術への敬意をかきたてられる基本の基本展。)
220708
古屋誠一 メモワール
愛の復讐、共に離れて…
@ 東京都写真美術館2階展示室
(昭和25年静岡県生まれの古屋さんの妻、クリスティーネ・ゲステさんは昭和28年生まれで、昭和60年11月23日に自殺する。その詳細は語られないけれど、古屋さんとの日々のポートレートが見る度、見る度に、意味を深める。2度は巡回して見てほしい展示だ。クリスティーネの自死の数年前、それと意識せずに撮ったであろう、湯船に顔だけ浮かせたポートレートがデスマスクのようで痛々しい。激しく叫
(たけ)
ぶ顔を撮った1枚が忘れがたし。)
220708
奥秋由美 テンペラ画展 @ ぎゃらりぃ朋
(銀座一丁目)
(お人柄そのままに親しみやすい作風で医療広報季刊誌 『くらしとからだ』 のイラストも担当しておられ、見本誌を1部いただいたので、イラストを切って画廊葉書ファイルに残した。)
220708
ラファエル・ナバス展 ガラス絵 @ T-BOX
(八重洲二丁目)
(愛知県常滑市に在住のスペイン人で、奥さまは日本人だとか。彼のガラス絵で飾ったバールに連れ込まれたら、ワイン2本くらい空けてしまいそうだ。絵だけでなく、オブジェや版画もこなすひとらしい。いちど、会ってみたい。)
220706
タカムラ香利
(かおり)
展 ―SEWN― @ ギャラリー新居
(銀座六丁目)
(アメリカの色彩感覚と日本人の混色センスの融合。昭和39年東京生まれ、武蔵野美短大デザイン卒で、資生堂でデザイナーとして働いたあと、平成3年に渡米。いまはアリゾナ州を拠点として活動している作家。工業ミシン利用で加わった糸の存在が、作品を飽きさせない。米国では平成17年以来個展を開いているが、日本での個展はこれがはじめて。)
220706
中西良展 木立の下を歩く @ 日動画廊
(銀座五丁目)
(点描の単位が一枚一枚の葉のレベルで行われている。昭和39年長野県生まれ。色調の、日焼けしたようなくすみが、こころよい。留学でイタリアの色をも持って帰ってくれたようだ。)
220705
M SCULPTURE 2010 @ Galerie SOL
(銀座六丁目)
(5人展。うち、角 文平さんのオブジェに惹かれた。「空中都市」 は、まっすぐ伸びる鉄線で支える10棟のかすれた木製家屋。揺らぎが絶妙。「人間の巣」 は、鉄線で作られた横向きサポートの先にちょこんとある2階建てビルのオブジェ。ありえない状況をつくったミスマッチがおもしろい。昭和53年福井県生まれ、武蔵美金工卒、いま武蔵美非常勤講師。)
220705
船戸あやこスペイン陶藝作品展
青からあふれ出すエネルギー
@ ギャラリーカメリア
(銀座一丁目)
(まるで本物を貼り付けたようなリアルなフジツボや蜷貝のひしめく作品は、スペイン陶藝ならではの低温焼結で色あざやか。スペイン・バレンシアに16年在住し、年に1度日本へ戻って個展をするのだという船戸あやこさんにお会いした。)
220630 美濃村 晃
(喜多玲子)
生誕90周年記念展示
昭和異端風俗絵模様 @ ヴァニラ画廊
(銀座六丁目)
(とてもクラシックです。)
220629
橋口美佐展 @ GALLERY b. TOKYO
(京橋三丁目)
(また1枚買ってしまった。「女性」 という作品。47,250円で。
よくある 「腸
(はらわた)
もの」 なのだけど、人工庭園に咲く花のような配色とのアンバランスが斬新に思えた。作家は昭和63年千葉県生まれ、多摩美油画2年生だ。多摩美に入るまで、ちょっと苦労をしているということですね。画廊には、まるで演劇公演のように盛り花がいくつも寄せられていて、聞けばお父さんのお仕事関連のところからの盛り花だとか。解剖図に固執せずに、絵の半分は表層現実を描き込んでそこに腸を配せば、ドキッとさせる仕上がりになるはずとアドバイスしました。「女性」 は、解剖具材のあいだに笑う唇が描かれていたところをカッたのであります。応援してあげたいという気持ちも2割ほどあったけど。さぁ、この子は作家活動をいつまで続けられるか。あと2度脱皮するくらいまでがんばってほしいな。)
220629
羅針盤セレクション2010 Vol. 6 油絵の可能性 @ アートスペース羅針盤
(京橋三丁目)
(5人展。うち、ワタベ カズさんの幻想画がよかった。昭和50年千葉県生まれ、沖縄県立藝大油画卒。石田徹也さんに通じるところもあるが、孤独感とメルヘンが同居していて、救いがある。小品を買いたいと思ったが、これはというものは全て売れていた。今後も注目したい作家。)
220629
赤塚美子展 ―ありす と こっぷ― @ OギャラリーUP・S
(銀座一丁目)
(美大卒ではなく、年賀状のために版画をつくるうち目覚めてだんだん大型作品に挑むようになったという、長野県上田市在住音ひと。信濃毎日新聞の俳壇・歌壇欄の絵を半年間担当したこともある。飄々とにこやかなひとでした。)
220625
六本木クロッシング2010展 @ 森美術館
(出会いのはじまりをくれた展覧会だった。志賀理江子さんの写真シリーズ 「カナリア門」 は、それだけで写真展ができそう。もっと大きいプリントで見たい。ショップで冊子版を買った。 宇治野宗輝さんの廃物メカのロボット パフォーマンスもおもしろかった。 森村泰昌さんのビデオ作品 A Requiem: Laugh At The Dictator は、変化球の極致のように見えてじつは、直球勝負している。
Jule de Balincourt 氏の、くちゅくちゅシュールのミニ個展つき。)
220625
オルセー美術館展2010「ポスト印象派」 @ 国立新美術館
(午前半休をとって開場前に並び、入場すると人ごみを追い抜いてポール・セザンヌ 「水浴の男たち」 あたりから見はじめた。ゴッホとゴーギャンの部屋を比較的ゆっくり楽しむ。ゴッホの 「星降る夜」 がいい。紺と黄のシンプルな律動に心を吸われる。ゴーギャンの 「タヒチの女たち」 は、右の女の足裏の質感がいい。モーリス・ドニ、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、フェリックス・ヴァロットンの作品群が充実している。ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの 「貧しき漁夫」 の静謐でありつつ動きのある西洋なりの枯淡にひかれた。ヴァロットンの 「夕食、ランプの光」 のコントラストの強さ、思い切った構図も好きだ。アンリ・ルソーの 「戦争」 と 「蛇使いの女」 が圧巻。現代美術の黎明史でもあるみごとな展覧会。11時をすぎると人が増えて酔いそうになった。)
220624
安住小百合日本画展 @ 柴田悦子画廊
(銀座一丁目)
(昭和51年宮城県生まれ、多摩美日本画卒。蓮や菊、鉄線などを正統派の円形画で。縁をたっぷり飾る金箔にそれぞれの植物の葉の形がレリーフで表わされているのが斬新。)
220624
桐村 茜 展 ~生命のかたち…そして言葉~ @ K's Gallery
(銀座一丁目)
(京都生まれ、武蔵美卒で、フランスや米国での制作活動が長い、恵まれたかた。草の押し葉とレース編みを組み合わせた、地味な銅版画が気に入った。)
220624
私の劇場 @ スパンアートギャラリー
(銀座二丁目)
(9人展。東逸子、宇野亜喜良、北見隆、高田美苗、谷敦志、トレヴァー・ブラウン、野村直子、長谷川友美、森馨。)
220623
室越健美
(むろこし・たけみ)
SU・MI・KA @ ギャラリー椿
(京橋三丁目)
(赤錆と芽吹きのイメージのコラージュ群。昭和22年前橋市生まれ、東京藝大油画院卒。多摩美教授。)
220623
石崎未来
(みく)
―flashback― @ ギャラリー椿2
(京橋三丁目)
(雪が舞い、版画素材の和紙も雪と化す。昭和59年横浜市生まれ、東京造形大版画院卒。)
220622
会田誠+天明屋尚
(てんみょうや・ひさし)
+山口晃 誠がいく、尚がいく、晃がいく ―ミヅマ三人衆ジャパンを斬る― @ 高橋コレクション日比谷
(有楽町一丁目)
(有名人のお三方。会田さんの、かわいい女の子のボディペインティングの写真作品 Girls Don't Cry は雑誌で見ていましたが、大きなサイズで見られていいないいな。
(ピントが甘くて残念だった…。)
「ジューサーミキサー」 は、前に上野の森美術館で見たときは高ぁいところにあったのが、今回は間近でひとりひとりの女の子とお話ができて、とても贅沢でした。「犬(雪月花の月)」 の細部までみごとな日本画の技も間近で堪能。
山口さんの 「九相圖」 は、生き馬とメカを接合させた竹馬オートバイが朽ち果てるまでの諸相を描き出す。時の前後往復に酔った。
天明屋さんの 「刺青マン Tattoo Man」 は、ウルトラマンがベロ青の入れ墨に模様替え。架空キャラの肉体着せ替えだ。)
220622
夏が来る! 今川教子、上谷知沙子、寺村里香、水口かよ子 @ 純画廊
(銀座一丁目)
(今川教子作品が2点。ギャラリー白石の 「虹の会展」 で見て、二物衝撃の手法に注目していた。昭和56年清水市生まれ、京都造形藝大日本画卒。「太平洋の海を見て育ったひとだから、波の描き方がうまいの」と、今川さんを育ててきた純画廊の女主人が言う。
水口かよ子さんの淡い色彩による貝殻や空の写実画は、本の装画に最適で、大手出版社が注目という。昭和57年堺市生まれ、京都市立藝大版画卒。)
220622
村尾成律
(むらお・まさのり)
怪物は灰色世界で産声をあげる
@ Gallery Q
(銀座一丁目)
(ママのからだからパパが生えて、からみ…。ママはパパの生首をつかみ、にこやかにケータイでおはなし…。写真プリントのようなリアルさ。ママからパパが生える生え際がやや不自然かも。昭和49年東京都生まれ、東京造形大油画院卒。)
220621
Les Fleurs 花 展 @ Galerie Tamenaga
(銀座七丁目)
(500円くらい入場料を取っていただきたくなる。ベルナール・ビュッフェの作品の充実ぶりが目をひく。「アイズピリ」 という作家の、老の円熟を感じさせる筆致と奔放で美しい色使いが印象的で、どこの国のひとかと考えた。ゲルマンでもラテンでもない。ひょっとしてバスクではないかと、観覧中も同伴してくださる画廊の係の方に聞いたらその通りだったのがうれしかった。Paul Aizpiri さんは1919年パリ生まれ。バスクの血をひくひと。あと、Tom Christopher さんのマンハッタン連作にもひかれた。本気で欲しいと思った。見ればいつでもマンハッタンに飛び込める。)
220621
牧田草平
(そうへい)
木彫展 @ exhibit Live & Moris gallery
(銀座八丁目)
(樟
(くす)
材に鑿
(のみ)
をふるい、木にうずまっていた童子を彫りだしたら、童子は深い裂け目を身に負って生まれたのだった。人を避けるようで射すくめる目。痛々しさと飄々としたところが同居していて、高橋龍太郎コレクション入りが望まれる。おって、ブログ本篇で写真入りで紹介します。昭和55年足利市生まれ、東京藝大彫刻科卒。)
220619
猪熊弦一郎展 いのくまさん @ 東京オペラシティアートギャラリー
(西新宿三丁目)
(写実からフォルムへ、色彩の躍動へ。瀬戸内が生んだアンリ・マチスだ。上野駅コンコースの壁画 「自由」 や、帝劇ロビーのステンドグラス 「律動」 や彫刻オブジェ 「熨斗」 で、常日頃から猪熊ワールドに触れていたとは!)
220618
第3回女流作家七人展 ~天香佳花~ @ 銀座松坂屋別館 美術画廊
(銀座六丁目)
(東京藝大日本画卒の30~40代の7人。東儀恭子さんの描く犬たちが爽快。冨川三和五さんの伝統玩具の絵もほのぼの。ほか、小澤 愛、関本麻己子、高井美香、野口満一月、宮下真里子のみなさん。)
220618
藪内佐斗司
(やぶうち・さとし)
ブロンズ展 @ 銀座松坂屋別館 美術画廊
(銀座六丁目)
(さまざまの童子像がめでたい世界を切り拓く。元気の出るキャラ群像だ。気に入った! 昭和28年大阪市生まれ、東京藝大院卒。)
220618
佐藤忠展 ~褐色の群像~ @ ギャラリーなつか
(銀座五丁目)
(キレのあるフォルム。鉄材をヤスリで削って錆びるに任せたのかと思ったら実は、クロム等を混ぜた耐候性鋼板を溶接して作り上げていて、中は空。表面の錆が被膜となって、朽ちないのだという。見ているとだんだん作品のかたちに愛着がわいてきたから、不思議。昭和41年神奈川県生まれ、東京藝大院卒。)
220617
バイロス挿絵展 ~背徳のシンフォニア~ @ ヴァニラ画廊
(銀座六丁目)
(Franz von Bayros. 1866年、クロアチアのザグレブ生まれの画家。今日の目で見るとフツウの水彩画だが…。)
220617
今井徳子 MOLA 個展 ~縄文ファンタジー~ @ 文藝春秋画廊 ザ・セラー
(銀座六丁目)
(中米パナマの先住民の、透かし模様を多用したキルトを mola という。Mola の伝統模様に、縄文土器とも通じるものを感じた今井さんが、縄文の熱気を mola の技法で表現した。自分で縄文式土器を試作して、縄文の美意識を発見しようとした熱意に感銘をうけた。)
220614
渡邉ゆりえ個展 「かさ か さかさ」 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ
(銀座一丁目)
(「狐憑
(きつねつ)
き」 というペン画を買った。1万円なり。渡邉ゆりえさんは昭和62年青森県生まれ山梨県育ち、日本デザイン専門学校卒の22歳。目がうつくしいひと。「狐憑き」 は初期作品で、狐の面とそれをかぶる少女がどちらも固化し崩壊しつつ美しいのに惹かれた。最近作はセーラー服の少女たちのデリケートな感情が、絶妙の筆づかいで展開していて
(ペン画・アクリル塗りのあとの墨汁づかいがうまい)
、このひとはきっと伸びます。まだ22歳、将来が大いに楽しみです。)
220610
奈良美智
(なら・よしとも)
展 セラミック・ワークス @ 小山登美夫ギャラリー
(清澄一丁目)
(清澄一丁目の倉庫上層階のギャラリー群に、初めて来てみました。広いスペースと倉庫用エレベーターを活用して、まさに美術館並みの展示です。
奈良美智さんキャラの巨大陶芸や、壺の数々。奈良さんって、ぼくと同い年の弘前市生まれだったんですね。壺に書かれた文字にドイツ語が混じっているのも、愛知県立藝大卒後、ドイツ留学したからなんだ…。)
220610
吉田和夏
(わか)
展 「いきもののねつ」 @ Gallery MoMo Ryogoku
(墨田区亀沢一丁目)
(また1枚、買ってしまった。「眠る森」 という小品、3万円なり。深々
(しんしん)
と雪降る下、地面のなかで、眼鏡の少女とかわいく目をつぶった恐竜がなごんでいる。よく見ると、そこには薪が燃え、左側には舞台の幕が垂れている。癒され、そして、見飽きない。少女がわたしの長女に似ているので、長女にプレゼントしようと思った。
吉田さんは昭和58年岩手県生まれ、埼玉大卒。地質学や地理学、古生物学の図鑑ふうの題材がシュールにアート化する。次はどう来るかなと、楽しみになってしまう。
Gallery MoMo Ryogoku は初めてだったが、オーナーの杉田鐡男ご夫妻とゆっくりお話でき親しくなれて、とてもいい日になった。ギャラリーモモが、すっかり気に入った。
去年個展を開いた篠原愛さんのサイン入りの図録冊子をいただいた。ハイパー写実の女の子+グロテスク+ファンタジーだから、いまどき売れそうな作品だなと思ったら、やはり人気急上昇中なのだそうだ。)
220609
畔上温子
(あぜがみ・あつこ)
個展 @ アートギャラリー石
(銀座一丁目、奥野ビル2F)
(多摩美日本画3年生。魅惑的な目をした少女です。顕微鏡下の鉱物+波動+黄昏色の大作もよろしいですが、枯れ草に兎の写実画も好きです。)
220609
ピエール・クリスタン展 ―cafe'― @ 日動画廊本店
(銀座五丁目)
(昭和10年、仏・エヴィアン生まれの Pierre Christin さんは、日動画廊での個展 17回目
(第1回は昭和44年、クリスタンさんが34歳のとき)
。個展初日の昼休みに行った。午後4時半から日動画廊・長谷川智恵子副社長とクリスタンさんの対談がありますと誘われた。興味はあったけど、さすがに断念。今回はフランスやスイスのカフェのゆったりした時間を絵にした作品ばかり。中でも気に入ったのは、黄の色調でまとめられ、人物がそれぞれの顔でこちらを向いている大作で、160万円だった。クリスタンさんはエヴィアン市の Notre-DAme de l'Assomption 教会にキリスト受難をテーマにした円形の絵の14連作を納めてもいる。)
220609
常設展 (田渕俊夫作品) @ ギャラリー長谷川
(銀座六丁目)
(2日に続き、再訪。パリ展の図録を取り寄せていただいたのである。画廊展示中の 「大地悠久 オアシスの月」 も図録に納めてあった。応対してくれた若い女性が爽やかなひとで、わたしのブログも読んでくださったという。これからDMも送っていただけることになった。)
220609
虹の会展
―千住博の薫陶を受けた若い画家達―
@ Gallery Shiraishi
(銀座五丁目)
(レベルの高い9人展。
菅
(かん)
かおるさんは、昭和51年大分県生まれ、京都造形藝大日本画卒。水に細かな泡がつくるリズム。彩色も美しい。
中村貴弥
(たかや)
さんは、昭和57年京都府生まれ、京都造形藝大日本画卒。黒い枝々の向こうの太陽は、ぼかされていながら岩絵具の輝きで燦然として、それゆえに神性を帯びつつもすがすがしい。樹皮のごつごつ感が対照的で、光を際立たせる。
ほか、石井鈴
(すず)
、今川教子、田中みぎわ、東儀恭子、中村馨章
(よしあき)
、原田隆、フクシマ サトミの皆さん。)
220608
羽賀文佳
(ふみか)
展 役割期待 @ 青樺画廊
(京橋三丁目)
(着衣の意匠を緻密に写実する一方で、身体は大胆に省略して描く。アイロニーをこめた 「役割期待」。昭和61年北海道生まれ、東北藝工大院1年の羽賀さんは不在だったが、画廊の話好きのオーナーと30分も雑談し楽しかった。)
220608
松崎有希子展 @ アートスペース羅針盤
(京橋三丁目)
(朽ちる寸前に煌く大輪の花々の美しさ。日本画の質感を存分に生かす。昭和47年茨城県生まれ、京都造形藝大院卒。3年前の日展に入選した150号の 「蒼の記憶」 が 100万円。個展2日目だが千客万来で、作家みずからお茶を配っていた。)
220608
広田 稔 展 ―パステルによる人体クロッキーII― @ 銀座柳画廊
(銀座五丁目)
(踊り子のパステル画。鏡にしなだれかかるヌード August 17, 2009 No.4 が絶品。画廊の女性にそう言ったら、「広田先生もたいへん気に入っておられて、図録の最初の頁にもってきておられます」。応接室では黒いブーツに群青のワンピース、グレーの帽子の女性の大作を描くようすをビデオ放映していた。モデルさんに、ミュージカル女優のノリを感じてしまった。広田さんは昭和34年広島県生まれ、東京藝大院卒。)
220607
三谷綾子 ―Parade― @ 柴田悦子画廊
(銀座一丁目)
(三谷さんは、オーナーの柴田さんと同郷・秋田県のご出身。作業小屋と林檎を水彩で描く。油絵具のような盛り上げを演出する画剤
(シュミンケ社の画材だそうだ)
を使った作品がいいと思った。秋田県美郷町の
もなっきぃ
という、ちんすこう みたいなお菓子をご馳走になる。)
220607
薗部雄作
(そのべ・ゆうさく)
展
第6美術論集 『脱・西洋の眼』 出版記念
@ ギャラリー飛鳥
(銀座一丁目)
(これも色見本ジャンル
(ごめんなさい!)
だが、方眼と円と多彩調和の織りなす曼荼羅は一種、宗教的啓示力を帯びている。)
220607
鈴木滋子
(しげこ)
展 @ OギャラリーUP・S
(銀座一丁目)
(油絵とガラス工藝。味わいのあるパレットだ。昭和52年神奈川県生まれ、女子美短大・創形美術学校卒。卒業すぐ、平成15年に Gallery 銀座フォレストで個展。かわいいフォレストガールのひとりなのである。)
220607
西村一夫展
― 座る人々・内なる風景 ―
@ 養清堂画廊
(銀座五丁目)
(色見本のような絵が、ジャンルとして存在するようだが、このかたのは輪郭がやわらかくて、毛糸にくるまれるように心和む。横長の布に、中東の大家族が坐るさまを最小限の線で太々と描いた絵もまた、シンプルだが安らぐ。作家がいて、来訪者と話し込んでおられた。)
220607
Sorayama Giclee world: 空山 基
(そらやま・はじめ)
ジークレー版画の世界 @ スパンアートギャラリー
(銀座二丁目)
(高品質のインクジェットプリントで見せてくれる上質の飛切りのエロス。空山さんは昭和22年、なんと愛媛県今治市生まれのひと。ソニーの AIBO のデザインも手がけている。郷土の誇りなり。でも、愛媛県美術館では展覧会できないだろうなぁ。7月に入荷するという画集が 3,500円。即、予約した。)
220605
Yuki INOUE: salaMandala/NIPPON-IDOL @ 和田画廊
(八重洲二丁目)
(39歳の
井上裕起
(ゆうき)
さんのオブジェ。人物大の山椒魚が肩脱ぎして赤牡丹の刺青を見せる花魁
(おいらん)
が、画廊にしつらえた畳の間にしなだれるように坐る。これ1点の個展。)
220605
Ground 吉峯和美
(よしみね・かずみ)
@ art space kimura ASK?
(京橋三丁目)
(昭和28年愛媛県生まれ。同郷人ということで盛り上がりたかったが、来訪者と話し込んでおられて果たせず。「地」 というより、地が生んだ逆巻く空を描く。)
220604
ルーシー・リー展
ウィーン、ロンドン、都市に生きた陶藝家
@ 国立新美術館
(逡巡していたのを、T-BOXの高橋盛夫さんに背を押された。釉薬への挑戦心に終わりなき青春を見た。忙しくて行けないという高橋さんに図録を差し上げた。)
220604
金井訓志
(さとし)
展 @ ギャラリー椿
(京橋三丁目)
(浮世絵人物画の発想に、ふきだしまで同居するコミックス的なポップさ。)
220604
金理有 (Kim Riyoo) 展
ceramics as new exoticism
@ INAX ガレリアセラみか
(京橋三丁目)
(昭和55年、日本人の父、韓国人の母に生まれた作家は大阪藝大で陶芸を学んだ。SFのフィルターをくぐりぬけた硬質の妖怪の迫力の目が、畳空間を睥睨する。)
220604
本堀雄二
(ほんぼり・ゆうじ)
展 ―紙の断層 透過する仏― @ INAX ギャラリー
(京橋三丁目)
(なんと使用済段ボールを貼り合わせて如来像や仁王像を作ってしまった。透視される像の胸には光輪が掛かっている。昭和33年神戸市生まれ、愛知県立藝大院卒の作家らしき方が本を読んでおられたが、声をかけかねた。)
220603
どうぶつえん @ ミレージャギャラリー
(銀座二丁目)
(画廊企画の12人展。渡邊春菜さんの描く少女が気になった。昭和61年岐阜県生まれ、名古屋藝大デザイン科卒のひとだ。)
220603
鈴木慶則展 @ ギャラリーQ
(銀座一丁目)
(陶器の肌合いの理想を絵画として平面に表出したかのように思えた。「流砂絞」 シリーズは熔岩釉、「あぶり出し」 シリーズは楽焼の肌に激しく照明を当てて撮影した如く。画廊の女主人が「うちのような画廊にはもったいないかたで」 と言う。「古い民家のほの暗い部屋に置いて照明を当てたらぞくっとしますね」 と応えると、「一流のホテルに飾りたいです」 と女主人。鈴木慶則さんは昭和11年静岡県生まれ、多摩美油画卒。)
220602
常設展 (田渕俊夫作品) @ ギャラリー長谷川
(銀座六丁目)
(大きく浮かぶ無垢の満月の下、灯のともった街を鳥瞰する。「大地悠久 オアシスの月」
(平成16年作)
の、日本画ならではの静謐と美麗に魅せられた。田渕俊夫さんのパリでの個展の図録が倉庫にあるというので、取り寄せてもらうことにした。)
220602
筧本生
(かけい・もとなり)
展 @ 日動画廊
(銀座五丁目)
(見た途端に親しい気がした。記憶をたどると、金沢の生麩老舗の経営者がコレクターで、そのお店で見たのだった。パリ生活30年余、昨年帰国して福岡にアトリエを構えた筧さんは、昭和26年生まれ。)
220601
菅原 学 展 @ ぎゃらりぃ朋
(銀座一丁目)
(「秘密の箱庭」に魅せられた。画幅 1.5メートルの中央の女児は小さな盆に夢の家を乗せてうつむいている。背景にゆっくり浮き上がる街は、風車が回り窓には明るい灯火
(ともしび)
が点っている。うつむく女児に、ふくよかなしあわせがある。窓の灯火が見る者の心まで包んでくれる。もし幼稚園にこの作品を掛けたなら、しあわせのイメージをすべての園児が一生の宝として心に宿し飛び立つだろう。
別の作品では、浮き上がる街を眺め上げる象の後姿の哀愁が絶品だ。すでに買い手がついていた。
昭和51年生まれ、多摩美日本画卒。すがすがしい青年だ。)
220601
武井地子
(ちこ)
展 @ K's Gallery
(銀座一丁目)
(ボストンの場末の裏路地の古い建物の壁を思い出した。貼った箔を硫化させたり、表面に見えない緑の岩絵具が隠されていたり。「時間を描こうとした」 作家の絵が、記憶を呼び起こす。武蔵美日本画卒。)
220531
イラストレーター 谷口周郎の世界
Beyond the Screen ―スクリーンの向こう側―
@ 伊東屋9Fギャラリー
(銀座二丁目)
(NHK語学講座テキストの表紙や絵本など、カラフルで心なごむ絵の数々。我々にいちばん近いところにあるプロの技は、こういう方が描いているんだなぁと思いながら、快活で人間味たっぷりの作家にお会いした。ご自身、ハワイ音楽の歌・演奏もするそうだが、会場に流れるハワイアンはご自身のものではない。)
220531
齋藤春佳展 @ Gallery b.TOKYO
(京橋三丁目)
(多摩美油画4年生。個展初日はちょうど、金色の画面に一筆描きライヴペインティングの最中。午後1時に描きはじめて、午後7時近くにようやく終わろうとしていた。お母さまが来ておられた。回文のような言葉遊びも好き。いい感性をもった女性だ。)
220531 羅針盤セレクション2010
イメージの多様性 @ アートスペース羅針盤
(京橋三丁目)
(8人展。うち3名に注目した。
塩澤清志さんのは抽象画に属するが、海浜のイメージをかきたてる。作ごとに工夫がある。東北藝術工科大日本画科
(山形市)
の作家は、はにかむ好青年だった。
藤原泰佑さんは、カラフルに日本家屋を描くが、どことなく束芋ふう。東北藝工大油画。
このみ愛子さんは、太い綿糸で編んだテキスタイルに亡霊のように女性を描く。京都造形大院。)
220531
小林祐子展 @ Gallery 銀座フォレスト
(銀座一丁目)
(おぼろに黄色くくすんだ色調が、遺跡の壁画のような味わいを生んでいる。「蜜柑」 は卒業制作作品で、すっくと立った蜜柑の樹
(直立する蜜柑の木という夢幻!)
の根元に坐る女性が、まるで沙羅双樹に坐っているよう。左には中東風の壁と窓。右には前世紀の日本。いつまでも気になる作品。昭和60年生まれ、武蔵美油画卒。)
220531
田島愛及個展 存在の不在 @ Gallery 銀座フォレストミニ
(銀座一丁目)
(グラデーションのうまい厚塗りで夢幻空間をつくる腕前は絶品。「気配」 には、そこに見えない幽霊が出てきそうな凄みがありながら、装飾的な色彩美は美しい。いいテクニックをもっている作家が、家具などの小道具の写実の腕を上げれば、ぞくぞくする作品を連発するだろう。)
220527
Imaginary Girl ―「少女」 のヒトガタを巡る表象研究― @ スパンアートギャラリーQ
(銀座二丁目)
(ナイジェル・ハリス、こやまけんいち、高橋竜男、長谷川友美の4人展。2年前に一緒にリトグラフ集を出した仲の由。少女の微妙な世界を精緻な油画や箱入りジオラマで作品化する こやまさんにサインを求めたら、なんと葉書に少女のペン画を描き Prismacolor の色鉛筆で彩色してくださった。こやまさん、宝物にします! マチスふうのリトグラフから球体関節人形までジャンルの広い Nigel Harris さんは、シャイなひとだった。)
220526
アートアワードトーキョー丸の内2010
@ 行幸
(みゆき)
地下ギャラリー
(美大の卒業展から選抜された45人展。グランプリ賞など11の賞が出ているが、その過半に異議あり。28日にも再度見たが、やはり私の判断は揺るがない。)
220525
サロンど東京展5月 @ アートスペース 銀座ワン
(銀座一丁目)
(5月20日にお会いした織田泰児さんに誘われていたので、うかがった。織田さんは第一生命に勤務中、VOCA展の創設を企画した、現代日本美術への功労者だ。この日、画廊は酒盛り状態で、同席した津田のぼる さんのオブジェ2点を購入した。鶏を屠殺する料理人と、壁を推すように深く前傾した男。2点を組み合わせると一段とおもしろいことに気がついたのである。
興が乗って泡盛を飲み、ふっと銀座線の稲荷町
(いなりちょう)
駅を出た途端に酔い崩れ、タクシーさえ乗れず午前4時まで駅の出入り口に突っ伏した。とても51歳のサラリーマンのやることではない。フィリピンでこれをやったら、命が危ない。帰宅してわたしの女にしこたま叱られたが、木口小平一等兵の喇叭のように津田作品をしっかり手に持っていた。)
220525
近藤英樹展 版画/立体 @ 巷房・1
(銀座一丁目)
(昭和52年、愛媛県久万町
(くまちょう)
生まれ、武蔵美・版画卒。渋い色彩のリトグラフに、あそび心たっぷりの発芽のような木彫のオブジェが床のそこここに。短いあいだに意気投合して、近藤さんの作品写真の小冊子 『発芽/再生の種
渡部家住宅その光と記憶 第三期
』 も買った。)
220525
石田徹也全作品集出版記念及び五周忌展 @ ギャラリーQ
(銀座一丁目)
(昭和48年、焼津生まれで、平成17年に31歳で事故死した一大作家。「分解」
(平成5年作)
は、変調しつづけるダイニングキッチン。ネジがつぎつぎ男の頭のかたちに増殖し、部屋を支配し解体してゆく。
「父性」
(平成11年作)
は、会田誠作品っぽいが、ちゃぶ台ならぬ電気コタツがひっくり返され、石田徹也キャラが星一徹がおをしている。
一作一作のウルトラQワールドのアンバランスにのめされ、『石田徹也全作品集』を購入した。)
220525
浅野信康展 @ 日本橋高島屋美術画廊
(日本橋二丁目)
(六曲屏風の「秋沼幽明」に、ぞくっとした。湖面に映る紅葉の山に、左からくっきり斜めに日が差し込む瞬間。浅野さんにお話を聞くと、青森県蔦沼に取材に行き、夜明け前からこの瞬間を待ったのだという。同じく四曲屏風の「初冬暁霞」は、奥磐梯の朝焼を取材した。紺から紫の世界に変わる瞬間。自然美にすなおに向き合ったすすがすがしさが、そのまま絵になっている。)
220525
glamorous @ 日本橋高島屋美術画廊
(日本橋二丁目)
(女流日本画23人展。「松谷千夏子さんも出してますから」 と柴田悦子画廊で勧められ、最終日の昼にタクシーを飛ばして行った。松谷さんの 「Rain, drops」 は、女性に紫陽花を配し、緑の箔をうまく使って潤い感あり。 柴田悦子画廊で初めてお会いした藤井美加子さんの 「湿原」 も、色彩のリズム感がたのしい。
ぴか一は、阿部清子さんの墨を基調としたデッサン画。「私は傷つかない」という女性デッサンは39万円近いが、欲しくなった。売約済だった。阿部清子さんには、将来たぶん絵の注文をすることになる。昭和45年生まれのひとで、今年はじめ柴田悦子画廊で 「男の墨 女の墨」 展にも出品している。
岩永てるみ さんの 「Gare de Lyon
(リヨン駅)
」 は、離れてみると写真のような丁寧な作品。光と影の処理が絶品。昭和43年、大分県生まれ。
依田万実さんの 「Les lapins
(うさぎ)
」 は、雲間に浮遊する青い眼の5羽の兎。すてきな夢幻。昭和58年生まれ、多摩美で加山又造先生に学んでいる。)
220524
松谷千夏子
(まつや・ちかこ)
展 『人・植物』 @ 柴田悦子画廊
(銀座一丁目)
(昭和34年生まれ、多摩美で加山又造先生のクラスで日本画を学んだ。「ヒトも植物も同じ目線で描いてみたかった」 という松谷さんが線描した女性は、確実に写実された鼻や口と、自由あふれる線の頭髪と、落下物が水面につくる王冠形のような眼が、ごく自然に同居していて印象深い。)
220524
赤嶺 学 陶藝展 「自転車」 @ T-BOX
(八重洲二丁目)
(ものとしての自転車をいつくしみ愛するあまり、自転車のベビーたちを陶器でつくり、パステルカラーで動物っぽく彩色した。「自転車屋にいる気分で見てください」 と赤嶺さん。車体のオブジェは象牙を生やしているよう。)
220524
齋藤 博 ― これも偶人展 @ T-BOX
(八重洲二丁目)
(千葉県鴨川市にお住まいの齋藤さんの、流木などをつかった人物オブジェ。「作品に幾つかのライトを当てると、影がまたおもしろい」 と齋藤さん。「考えない人」 は、タイトルそのままに剽軽。「癖になった裸の王様」は、竹の根を墨染めしてオブジェの頭髪に。)
220522
牧野宗則木版画展 @ Bunkamura Gallery
(道玄坂二丁目)
(色あざやかな版画、そして版木を切って貼り合せた 「ブロックス・アート」。牧野さんのアーティスト・トークも拝聴した。)
220522
遥かなるグランチェスター・メドー 志村博がシルクスクリーンと映像で綴る @ 渋谷区立松濤美術館
(5月20日の 『日経』 文化面に志村 博さん自ら文を寄せておられたのを読んで、はじめて松濤美術館へ行った。樹木のシルエットが美しい、金銀粉をあしらうシルクスクリーン画の数々。志村さんは昭和24年生まれ、東京教育大藝術学科卒で、昭和50~53年にケンブリッジ大に在籍した。)
220521
細川家の至宝 ―珠玉の永青文庫コレクション― @ 東京国立博物館 平成館
(1時間半にわたり鑑賞。細川ガラシャの自筆。能面、狂言面。林又七の鐔
(つば)
。菱田春草の 「落葉」。河南省出土の戦国時代の 「金銀錯狩猟文鏡」。名品の数々のなかでも気になる一品が、久米民十郎の 「支那の踊り」
(大正9年作)
だ。)
220520
青柳祐子&三宮浩子 二人展 @ Gallery 銀座フォレスト
(銀座一丁目)
(多摩美出身のおふたり。切り絵の逆をゆく 「切り抜き」 の手法で水滴のまろやかさを描く三宮さんにお会いした。)
220520
虎頭香代子
(ことう・かよこ)
展 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ
(銀座一丁目)
(油画なのだが、和服生地の染色を見るような色調。作家がおられて、お母さまが和服の着付けを仕事になさっているという。アートスペース銀座ワンの織田泰児さんに、ここで初めてお会いした。)
220520
真条彩華
(しんじょう・あやか)
展 @ スパンアートギャラリー
(銀座二丁目)
(昭和53年生まれ、女子美大卒の作家。最近作は鬼女をエログロっぽく描くが、その一方 絹本着彩の蜻蛉の絵が驚くべき安さで展示されていた。ふと、安室奈美恵さんのような女性を描いた鉛筆デッサンが目にとまり、購入を即決した。作家がおられて、真条さんやトレバー・ブラウンさんの作品を収録した画集も紹介してくれたので、そちらも購入。銀座フォレストへ行き、森 弘幸さんに真条作品購入のことを報告したら、じつは真条さんは銀座フォレストが育てようとしていた作家さんなのだそうで、森さんはショックを受けていた。)
220518
フジ子・ヘミング版画作品展 @ 東京會舘ギャラリー
(丸の内三丁目)
(Ingrid Fujiko V. Georgii-Hemming さんは、大月投網子とロシア系スウェーデン人のジョルジュ・ヘミングを両親としてベルリンに生まれ、東京藝大在学中すでにピアノ奏者として受賞。その後、欧州でのリサイタルの直前に風邪をこじらせて聴力を失うという失意も経てなお、コンサート活動を続けた。そんな富士子さんの、やわらかい描線の版画。上手とは申し上げにくいが、包み込むような優しさが感じられる。)
220518
MAYLAND Vol 6 鈴木和道
(かずみち)
(混合技法)
vs 森 敏美
(ミクストメディア)
@ ギャラリー椿2
(京橋三丁目)
(東京藝大の同期の2人展。会場におられた鈴木和道さんは昭和30年生まれ、フェアリーの世界を丁寧に写実画にし、華麗な金箔装飾を施した贅沢な作品。知られれば、あっという間に売れそうな気がする。森 敏美さんは昭和29年生まれ、逆三角形に木材や金属板を収めこみ、いわばオブジェを平面化した。「オブジェを俳句形式に落とし込んだみたいですね」 と、わが感想。森さんは制作中に金槌で奮闘して手に豆ができた、と鈴木さんが微苦笑。)
220518
高須英輔
(たかす・ひでほ)
展 記憶 それから… + 輾轉伝
(てんてんでん)
@ T-BOX
(八重洲二丁目)
(建築デザイナーの高須さんのオブジェ。流木などを寄せ木した 「階段シリーズ」 と、解体される民家などの古材を美術作品に再生する 「輾轉伝」 プロジェクトの紹介。画廊オーナーの高橋盛夫さんに、お茶をいただきつつ説明をうかがった。)
220517
アオゾラとガラス3 小松謙一・藤森京子展 @ 柴田悦子画廊
(銀座一丁目)
(多摩美出身のおふたり。小松さんの風景画、藤森さんのガラス工芸、それらを組み合わせたオブジェ。オーナーの柴田悦子さんに中国の燻製紅茶をご馳走になるうち、中国各地を訪れている小松さんと中国雑談で盛り上がってしまった。)
220517
寺田敏行展 @ Oギャラリー
(銀座一丁目)
(アパートのような表情ゆたかな低層ビル1棟1棟を描き込み、街を快活なモザイクにしてしまった。塗り重ねに味あり。「それぞれの窓の向こうに、それぞれ異なる生活があるんだなぁと思って」 と語る、昭和39年、埼玉県生まれ、山梨県在住の作家は、人なつこそうなひとだった。)
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