文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 21

平成25年3月18日~5月17日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成25年1月22日~3月17日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 20 にあります。
このひとつ後の 平成25年5月18日~7月26日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 22 にあります。


250517  現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展 (~6/16) @ Bunkamura ザ・ミュージアム  (道玄坂二丁目)
(鉛筆画主体の展覧会かと想像していたら、油彩が主体で、木彫・ブロンズ像も加わり、多彩。「グラン・ビア」 は、奥へ伸びる道が坂になり、かつわずかに左右にも傾斜がついている。この不安定が画面に緊張を与えている。「眠る女 (夢)」 の木彫レリーフ。「トイレと窓」 の模様ガラスの光線処理。)

250517  トレヴァー・ブラウン展 ~女の子戦争~ Trevor Brown: Girl's War (~5/26) @ Bunkamura Gallery  (道玄坂二丁目)
(ドラクロアの名画のパロディー “revolution” や奈良美智キャラみたいな黒服赤十字の行進 “army” など。)

250517  写実幻想絵画展 緻密世界への憧憬 (~5/26) @ Bunkamura Box Gallery  (道玄坂二丁目)
(6人展。向川貴晃さんの 「狂気の瞳」 は、女性の顔の半分を画中画でゆがめる。「鎮魂の夢に沈む」 は般若面と般若心経。「Red Queen」 は薔薇に赤い注射。広島市立大 院修了。)

250517  山本冬彦が選ぶ若手作家小品展I (~5/21) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(10人展。失敗はないけれど新鮮味もなかったなぁ。買いたい! となる刺激がほしい。)

250516  野辺ハヤト展 (~5/18) @ 巷房  (銀座一丁目)
(地下の巷房2で、おっさん幼児的な珍生物の渋いアニメ。)

250516  瀧田紗也香個展 少女群像 (~5/18) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(丁寧な仕事。色調にオリジナリティあり。女子美デザイン。)

250515  ホルベイン スカラシップ選抜展 「あらたな様相」 (~5/24) @ Reijinsha Gallery  (銀座六丁目)
(こういうのが見たかった。レベルの高い8人展。ところが、同じ作家の作品をまとめずに散らしてあるものだから、一作見るたびに心をリセットしなければならず疲れ、半分を過ぎると不愉快になった。「会場に変化をつけましょ」 みたいな独りよがりが見え見え。ヤだね。
8人の作家は、よかった。今林明子、榎木陽子、大田ゆら、加納明日香、榊貴美 (きみ) 、白石綾子、ヒラタシノ、三橋 灯 (あかり) 。三橋さんのサムホール判のステイニング技法の小品、赤い傘と雨。ほしかったな。)


250514  山口晃展 老若男女ご覧あれ + 山愚痴屋 澱 (おり) エンナーレ2013 (~5/19) @ そごう美術館  (そごう横浜店6階)
(澁澤龍彦 『菊燈台』 に寄せた挿画のオリジナル展示がいちばんよかった。本をさっそく注文した。澱エンナーレのほうは、アイディアと遊び心は買うけど、やや不発か。しかしとにかく、間口のひろい山口晃さんは偉大だ。)

250514 Welcome to the Jungle: Contemporary Art in Southeast Asia from the Collection of Singapore Art Museum 熱々! 東南アジアの現代美術 (~6/16) @ 横浜美術館  (みなとみらい三丁目)
(屋台車やイメルダ・コレクションの写真作品はおもしろかったけど… ぼくから見ると、不発だった。コレクション展の 「「賛美小舎」―上田コレクション」 も、ぼくの好みと異なる。福井江太郎さんの駝鳥の日本画はよかったが。
写真コーナーの、荒木経惟さん 「横浜美人100人」と「写狂人日記 '91 1518 - 8 - 99」 がいい。画廊発表時1518枚のスライドがあったが、うち8点を警察署員が猥褻を理由に押収し、さらに主催者が99点を取り外した残りだ。削除の跡もなまなましく。)


250513  岡田ミキヨ展 ―ひと・人・ヒト― (~5/19) @ Oギャラリー UP・S  (銀座一丁目)
(カラフルな銅版画で、着眼点もおもしろい。こてこてのオジサン、オバサンを描いた作を買おうと思うかどうかは別として…。老いのシミが肌に浮かんだ初老の男が、髑髏マークのイヤホンをつけてる 「ヘビメタ?」 は、濃いオレンジ色と黒のツートーン。)

250512  空想の建築 ―ピラネージから野又穫 (のまた・みのる) へ― 展 (~6/16) @ 町田市立国際版画美術館  (町田市原町田四丁目)
(ナポレオン時代の 「エジプト誌」 銅版画群と、オペラシティギャラリーでも何作か見て気になっていた野又穫作品が圧巻。町田市には、初めて来た。)

250512  牧野邦夫 ―写実の精髄― 展 (~6/2) @ 練馬区立美術館  (貫井一丁目)
(牧野邦夫さんの絵は、没後25年の平成23年4月に永井画廊で見て魅せられ、画集はないかとアマゾン検索したが果たせなかった。物語性に満ちた躍動感のある裸婦がうつくしい。今回、みごとな回顧展で思いがかなった。求龍堂の図録は出品外の作も含む充実ぶり。死ぬまで宝物にするつもり。牧野邦夫さん挿絵の『千夜一夜』のうち第2/5/6/7/8/9/10/11/12巻をアマゾンで古書購入した。)

250511  第6回メルヴェイユ展 (~5/18) @ ギャラリー銀座アルトン  (銀座七丁目)
(15人展。卯野和宏さんの「逃げ水の跡」の女性は、岸田茜さんと笹本玲奈さんの間 (あわい) の女性で、ぼくの理想の実在女性像。非売品となっているが、いつの日か同じモデルさんの絵がほしい。胸がくるしい。
中尾直貴さんのモノクロ画のセミヌード。)


250511  小野州一展 @ 吉井画廊1F  (銀座八丁目)
(常設展。フランス風景。色づかいが、淡いが濃厚にして非凡。)

250510  カリフォルニアデザイン 1930-1965 “モダン・リヴィングの起源” (~6/3) @ 国立新美術館 企画展示室1E
(出張中にロサンゼルス・カウンティ美術館で同じ展示を見た。もっとも、東京展のほうが説明が充実しているし、点数もやや多いように思う。展示を巡るだけで、ロサンゼルスのさわやかな空気に満たされる。)

250510 フランス国立クリュニー中世美術館所蔵  貴婦人と一角獣展 The Lady and the Unicorn from the Musee de Cluny, Paris, France (~7/15) @ 国立新美術館 企画展示室2E
(一角獣のかわいい目。一生わすれられない。6枚のすてきなタピスリーが、半円形の大広間の壁にやや高めに吊るされて、観覧者がいても一望に見渡せるようになっている。この展示形式はすばらしい。隣室で、図像の見どころを解説した映像を放映しているのも、いい。)

250510  第14回 美人塔 ~日本画の世界~ (~5/18) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(4人展。義村京子さんが4枚続きの襖絵 “Cosmic Garden” 出品。花野と星空。それなりに迫力はあるが、シンプルすぎる。もう少し、ねちっこく描きこんでほしいな。)

250510  映画より映画的! 日本映画 スチル写真の美学 (~8/7) @ 東京国立近代美術館フィルムセンター7階展示室  (京橋三丁目)
(つまるところ、映画のイメージを圧倒的に規定しているのは、映画そのもののどのコマとも異なるスチル写真なわけです。)

250510 Identity IX ―curated by Reiko Tsubaki― (~6/8) @ nca|nichido contemporary art  (八丁堀四丁目)
(日動コンテンポラリーに初めて来た。椿玲子さんがゲストキュレーターをつとめる7人展。これだけ多様なアーティストを集めながら、統一感があるのは、さすが。
林千歩さんに案内をいただいたのだが、行ってみたら修了展のビデオをモニターで流してるだけだった。キュレーター曰く ≪タイ北部で仏像の腹から別の仏頭が出たという実話に基づく荒唐無稽でコミカルな映像によって、出産という生命現象や、仏教的な無限、そして無意識の裂け目を提示する≫。そう来たか!
泉太郎さんの、ミキサーにかけたオランウータンなどの沈殿ガラス壜づめがインパクトあり。Jan Van Oost さんのドローイングは、装幀につかいたくなる。苅谷昌江さんの映像作品は、「ホーリー・モーターズ」 を思い出させた。)


250509  わたなべ ゆう 展 (~5/19) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(天下の吉井画廊扱いのベテラン画家で、たしかに味わいはあるけれど、画上にあまりに不用意・無自覚に意味のない英文字を落書きしてあるのが、ぼくにはノイズとなり不快。)

250508  銀座三越が選ぶ期待の新星 コレクション・ファイル #1 (~5/16) @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(13人展。稲垣佳奈、大平由香理、桂典子、こばやしまな、佐藤絋子、塩澤清志、谷口朋栄、辻蔵人、富元秀俊、平岡良、藤木佑里恵、藤原泰佑、牧田愛。辻蔵人さんの金属立体動物は、廃物加工動物の富田菜摘作品に似ているが、材料に一般ゴミを使わず工場の不要品を材料にしているところが差異。)

250508  三村伸絵 個展 草花涅槃図 (~5/16) @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(佛画の色調をひく俳画ともいうべき、野の花を1種ずつ描いた88枚の小品と、それら草花が総出の大作 「草花涅槃図」。)

250507  世界画廊コレクション展 Vol.2 (~5/7) @ SMBCコンシューマーファイナンス渋谷お客様サービスプラザ (道玄坂二丁目)
(要は、無料借りスペースで若手が持ち寄り展をやったのさ。石川真衣さんが出展していて、彼女と久しぶりにお話しできた。うれしかったね。)

250507  サム・ホール・コミュニケーション展 (~5/11) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(99人展。金子奈央作品が10,500円で買える貴重な機会だったが、もちろん売約済さ。小野寺麻里さんのモノクロ女性、海老原宏朱さんの 「シマウマ少女」。)

250507  飯田文香 (あやか) 日本画展 「もしもしクラムボン」 (~5/11) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(多摩美日本画4年生。銀箔に、水中に沈む少女を描いた 「かぷかぷ」、欲しかったけど我慢。マンガイラストと日本画の間の立ち位置を探している期待の若手。)

250503 収蔵品展044  難波田龍起 (なんばた・たつおき) の具象  寺田コレクションより  (~6/23) @ 東京オペラシティ アートギャラリー  (西新宿三丁目)
(難波田・父の世界の全体像をはじめて見た。難波田・子の世界は回顧展で見たからね。「病床日誌」 作品群で難波田史男につながっている。
project N コーナーは、昭和55年生まれ・武蔵美油絵 院修了の秋山 幸 (みゆき) 作品。隠しメッセージが足をとめさせるね。)


250503  梅佳代展 UMEKAYO (~6/23) @ 東京オペラシティ アートギャラリー  (西新宿三丁目)
(日常のなかの些細な非日常を切り取るセンスはいいけど、スナップ写真の黄色い日付表示をあえてつけたままの撮影が、ぼくの脳内では “ノイズつき” と整理され、けっきょく最後まで展示に距離感をもったまま出口に来てしまった。)

250502  美祭13 (~5/5) @ 鹿島美術  (京橋三丁目)
(Gallery Tsubaki の近くに越してきた老舗古美術商。白隠作品がいきなりぽんと壁にあって仰天。)

250502  金子富之展 ―妖怪奇譚II― (~5/13) @ 日本橋高島屋6階美術画廊X  (日本橋二丁目)
(おどろの中にデザイン性があって、丁寧な作業がみごとな作品群を生む。ドローイングノートの複製が出版されたら、2万円でも買いたい。)

250501  アトリエ凹凸 銅版画展 (~5/4) @ 文房堂ギャラリー  (神田神保町一丁目)
(48人展。アトリエ凹凸は、西宮市にある大きな版画工房で、大型プレス4台・中型2台を有し、メンバー約50名。鎌田隆行さんはデザイン性に富んだエロス。松本智子さんは味わいある家族ポートレート。)

250430  Afrika War Journal 第32回土門拳賞受賞作品展 (~5/7) @ 銀座ニコンサロン  (銀座七丁目)
(昭和51年生まれの亀山 亮 (りょう) さんの、アフリカ諸国の戦場の一歩こちらと戦場の一歩向こうの写真。Afrika というドイツ語ふう綴字に意味があるのか。それとも単なるミスか。)

250430  山本直樹 「白黒」 展 (~5/11) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(日本語外来語の意味での “ナイーヴ” なエロスの漫画原画展。ところで、ヴァニラ画廊のある第2蒲田ビルは取り壊しだそうで、7月に銀座八丁目に移転だそうだ。)

250430  行動展の力 Vol.II  ~行動美術協会、今もっとも旬な画家5人~  (~5/2) @ Reijinsha Gallery  (銀座六丁目)
(首藤 (しゅとう) 和彦さんの丹波・達身寺の破損佛の絵に迫力あり。朽ちつつもエネルギーを発する木の造形だ。大鷹 進さんのホオズキの幻想画、「パンドラの赤い実」 は小裸人らがうごめく。)

250428  アートアワードトーキョー丸の内2013 (~5/26) @ 行幸地下ギャラリー  (丸の内二丁目、行幸通り地下)
(例年 授賞対象作に異議ありの本展、ことしも不満あり。泉幸男賞は、服部しほりさんの東洋画「愚痴なる親仁形の台詞にて云ふ」に差し上げたい。しほりさんは京都市立藝大日本画 院修了で、出展作は平成22年作品。ほかに、伊勢周平さんも力がある。今回、天野太郎賞をとった。「灰色の球」「ぐるぐる」、東京藝大油画 院在籍。大平由香理さんの山の連作が佐藤直樹賞は めでたいが、今回の出展作はややヤッツケ仕事の感。グランプリは謝花翔陽 (じゃはな・しょうよう) さん。東京藝大先端藝術表現 院修了。こまごまとアイテム数を増やすと受賞しやすくなるという本展のツボをおさえてあるところは敬服だが、思いつきに頼りすぎだと思う。)

250428 東京ステーションギャラリー再開記念  生誕120年 木村荘八 (しょうはち) 展  花の東京 東に西に  (~5/19) @ 東京ステーションギャラリー
(『墨東綺譚』 の挿画の作者。祭礼など群衆を描かせるとよいが、風景画や静物画は凡庸。やはりイラストレーターとしての才なのだろう。)

250425  ベルナール・カトラン展 @ 吉井画廊  (銀座八丁目)
(老会長がおられた。フランスでカトランの回顧展が行われるので、画廊所蔵の作品をフランスへ送ることになっているそうだ。)

250426  平成の画狂人 澤田文一 (ふみかず) 常設室 @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(オーナーの森弘幸さんが入れ込んでいる。確かに、いい作品だし、お買い得価格。ヨブを描いた作は佛陀のようで、額装イリュージョンもあり、気に入った。もうひとつ、旧約聖書の青年を描いた小品とあわせて、2つ買いたいところだが、我慢。)

250425 六本木ヒルズ・森美術館10周年記念展  LOVE展 アートにみる愛のかたち  シャガールから草間彌生、初音ミクまで  (~9/1) @ 森美術館  (六本木六丁目)
(寺岡政美さんのご縁で内覧会とレセプションに参加した。寺岡さんの大作 A Tale of a Thousand Condoms/Mates が展示されている。江戸春画は、若衆文化に着目していて、さすが。多様な内容の超一級企画の展覧会だ。内覧会では林千歩さんにも会った。)

250425  P.S.展  タイと韓国のアーティスト: Payoon と Sohee が描く TEN PIECES の日常  (~5/10) @ Art for Thought  (銀座八丁目)
(今年多摩美で博士号をとった2人の展示。金昭希さんに 4/21 に会って、案内をもらった。ハンバーガーの具になった女子学生たちの Fast Education. いっぽうパユーンさんは、直線で構成した現代景観にタイのモチーフをうまく入れ込む。)

250425  椿会展 初心 2013 (~6/23) @ 資生堂ギャラリー  (銀座八丁目)
(5人展。赤瀬川原平さんが家具の塗装を削り剥いだ 「ハグ2」 くらいかな、おもしろかったのは。ちょいと期待はずれ。)

250425  らんどまあく@東京 原画展 (~6/7) @ ノエビア銀座本社ビルギャラリー  (銀座七丁目)
(星加☆海 (ほしか・うみ) さんが朝日新聞東京版の木曜朝刊連載に描いたイラスト原画。昭和53年生まれ、バリ島在住の米人画家 Symon 氏に師事した。)

250423  宮野友美 (ともみ) 展 (~4/27) @ Gallery Tsubaki 2  (京橋三丁目)
(小川未明や宮澤賢治作品に取材した水性木版。佛画の味わいが色調に出た 「まなづるとダァリア」。昭和53年生まれ、多摩美版画 院修了。)

250423  柳澤裕貴 (やなぎさわ・ゆうき) 展 (~4/27) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(これほど印象的な木漏れ日の絵をぼくは知らない。昭和37年生まれ、武蔵美油絵卒。)

250422  原田 圭 展 (~5/2) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(手がジェット噴射で飛びまわる図は、「エイトマン知ってる?」 と突っ込みを入れたくなるノリ。発想はおもしろいが、仕上げが雑。時間がなかったのか、限界なのか…。昭和62年生まれ、東北藝工大洋画 院修了、東京藝大油画技法材料研究室在籍。)

250422  MY ap.pr 2013 浜田浄/山本秀明 (~5/2) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(画廊オーナーの山本秀明さんの木彫をはじめて拝見した。山本さんのお人柄まで乗り移っているように感じられた。木肌の赤みにいのちを感じる。山本夫妻は車洋二さんに留守番を頼んで外遊中。)

250421  第5回三井不動産商業マネジメント Office Exhibition (~9/28) @ 浜町センタービル12階 三井不動産商業マネジメント(株)受付・会議室フロア (日本橋浜町二丁目)
(上田雄三さんがキュレーターとなって、ロビーと会議室7室に7名の若手作家の作品を半年間展示する企画も、もう5回目。継続は力なり。今回、一般公開日は4/21午後, 6/21夕, 8/30夕のみ。
富田菜摘さんと、またお話できた。手製ブローチとピアスがとてもすてきだが、小物工藝を大っぴらに作りはじめるとそれに専一しそうなので封印してるのだとか。
高井史子さんの、紺色の空に翔ける鳥影。想念を呼ぶ。鳥が小さくて、写真では伝わらない、オリジナルの味わいあり。東京藝大 院修了。
柴田まどかさんの色鮮やかな花卉。八代亜紀に似た風貌のひとだね。武蔵美油絵卒。
菊池奈緒さんの具象・抽象のほどよい混沌。多摩美油画 院修了。)


250420 MOT Collection 第1部 私たちの90年 1923-2013  第2部 残像から ― afterimages of tomorrow (~6/9) @ 東京都現代美術館 常設展示室
(新収蔵の大岩オスカール幸男 (さちお) 作品は、戦争というテーマをスローガン化せずに、幻影そのものと向き合っているのが、いい。
新収蔵の森千裕 (ちひろ) 作品、思い切りのよさを支える綿密さあり。
ぼくが好きなのは、Tom Wesselmann さんの “Bathtub Collage #2” だ。立体アートにして、タイムカプセルも兼ねている魅力。モノとイメージの両方から攻めてくるね。)


250420  フランシス・アリス展 第1期 メキシコ編 (~6/9) @ 東京都現代美術館 B2F
(昭和34年アントワープ生まれ、メキシコシティ在住の Francis Alys の、ひとを食った映像展。「愛国者たちの物語」 「ルピタに捧げる歌」。)

250420 生誕100年  桂ゆき ―ある寓話― (~6/9) @ 東京都現代美術館 3F
(才能あるアーティストの常として、2つ分、3つ分の人生を生きたひとだ。写実から抽象まで、絵画や立体コラージュからイラストまで、アートの基礎をしっかり身につけた末に、50代、60代になって独創が開花した。)

250419  東京オリンピック 1964 デザインプロジェクト (~5/26) @ 東京国立近代美術館 ギャラリー4
(東京オリンピックが 「戦後日本のデザイナーが総力を挙げて取り組んだ一大デザインプロジェクトでもあ」 ったことが、しみじみ納得できた。ここから大阪万博へ、デザインはさらに開花するわけだ。
所蔵作品展も楽しい。「ゆがむ人」 特集や、洛陽の石佛を拝する日本軍将兵の図。あれら戦争画が、没収した米国からの 「無期限貸与」 だとは! 返還でなくて。)


250417  ミュシャ財団秘蔵  ミュシャ展 パリの夢 モラビアの祈り (~5/19) @ 森アーツセンターギャラリー
(ポスターは有名で、いろんなところで見てきたが、この展覧会ではじめてミュシャの全体像を知った。)

250417  山城えりか|striped tail (~5/4) @ Gallery MoMo Projects  (六本木六丁目)
(イラストの紙一重手前に踏みとどまって、人物写実も魅力的。天道虫等々、描きすぎのきらいありだが、書籍カバーの装画につかうとぴったりはまる。カバーには5面あり、帯で隠れる部分もあり、それらの位置を意識して作品構成すると、本を手にした読者に向けたこころよい驚きの演出ができる。まるで屏風絵のようにね。)

250416  源氏絵と伊勢絵 ― 描かれた恋物語 (~5/19) @ 出光美術館  (丸の内三丁目)
(典雅な作品が多いが、ぼくが気に入ったのは 俵屋宗達の六曲一隻 「伊勢物語図屏風」。骨太で民画の味、躍動感あり。  土佐光吉の二曲一隻 「源氏物語屏風」 は雅楽の舞で、興味深い。
作者不詳の六曲一双 「宇治橋柴舟図屏風」 は留守模様、つまり 登場人物をいっさい描くことなく、特定の物語の情景をほのめかす趣向。人物を削ぎ落とした物語絵、つまりミニマリズムのひとつの形かな。)


250415  真道 (しんどう) あすか展 困難と享楽、このせかいの果て (~4/27) @ ギャルリー東京ユマニテ bis  (京橋二丁目)
(ギャラリー坂巻が出ていったあとを貸画廊スペースにした、初回展。メキシコ現代絵画のような鮮烈さ。まだ作品に良し悪しのムラがあるが。昭和60年生まれ、多摩美油画 院修了。)

250415 「版画技法入門講座 リトグラフを作ろう」 発刊記念  佐竹邦子 版画展 ―風のかたち― (~4/27) @ ギャルリー東京ユマニテ  (京橋二丁目)
(愉しんで制作しているのが伝わってくる。木リトの第一人者だそうだ。しかし、作品を見ていると黒いボツボツが粗悪な写真版を連想させて、ぼくにはどうもダメだね。)

250414  岩崎絵里 日本画展 庭 ―a garden― (~4/21) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(一見 童画ふうだが、目がひしひしと訴え、もりっと重厚感のあるマチエール。)

250413  美島菊名 (みしま・きくな)  “不幸な花嫁” (~5/4) @ アート★アイガ  (八丁堀二丁目)
(写真展。雪原の血染め林檎に囲まれた花嫁は、林檎が多すぎたかな。ありえない鉄道模型の箱庭に這う花嫁の “Crazy Train” が好き。)

250413  Michael Macione: Round Trip (~4/28) @ hiromart gallery tokyo  (関口一丁目)
(ヴィンテージ写真であります。ほんの10枚ほどながら、遠路訪れる外国人客もあるとか。)

250413 寺山修司没後30年/パルコ劇場開場40周年記念  寺山修司と天井棧敷◎全ポスター展  ―演劇実験室◎天井棧敷の宣伝美術の全貌―  (~5/19) @ ポスターハリスギャラリー  (道玄坂二丁目)
(同時共有しようと思えば共有できた、疾走の時代だ。)

250413  舟越桂 新作版画展 久遠のまなざし (~4/21) @ Bunkamura Gallery  (道玄坂二丁目)
(新作のアクアチント作品の静謐。でもぼくは1990年代の彩色木版が好き。20年間の作風の変化もたのしめる個展。)

250412  フランシス・ベーコン展 (~5/26) @ 東京国立近代美術館
(ぼくが気に入ったのは昭和28~29年ごろの 「スフィンクス」 シリーズと昭和32年ごろの 「ファン・ゴッホの肖像のための習作」 シリーズだ。昭和40年代以降の作品も、色づかいや彩色の粉っぽさだけで F・ベーコン作品と分からせるから、すごい。ポスターやちらしに使われていた作品は、ホモだちの George Dyer を描いていたんだね。)

250410  山嵜雷蔵 (やまさき・らいぞう) 個展 (~4/13) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(「遺構」 シリーズ。デザインとしての近代廃墟を岩絵具で。平成3年生まれ、多摩美日本画4年生だ。たのしみな作家だが、自己模倣を脱してどんどん挑戦してほしい。)

250410 Prolonging the Magic  (~4/13) @ Galerie SOL  (銀座一丁目)
(舞浜駅のプラットホームの人波をつなげて、帯状の写真迷路に仕立てた。)

250409  見続けてください このアート展 (~4/9) @ 銀座三越8階ギャラリー
(7人展。黒崎俊雄さんの水彩ドローイングに味わい。昭和21年生まれ、東京藝大版画 院修了。
島原正敏さんの arkadia シリーズは、岩絵具彩色のテラコッタの小さな家々と、それを題材にした写真を焼き付けた木のオブジェ。昭和40年生まれ、東京藝大彫刻 院修了。
長田堅二郎さんの繊細な樹枝壁飾りもすてき。昭和54年生まれ、東京藝大彫刻 院修了。)


250405  ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア (~4/21) @ Bunkamura ザ・ミュージアム
(安土桃山から徳川初期の泰西美術の最先端。昨年11月の 「リヒテンシュタイン 華麗なる伯爵家の秘宝」 展のほうが、いきいきとした作品が多かったね。)

250405 没後30年特別企画  寺山修司と日本のアヴァンギャルド  1960~1970年代を中心に  (~4/7) @ Bunkamura Gallery  (道玄坂二丁目)
(半世紀前のパイオニアたちの偉大を感じる。寺山監督作品 「草迷宮」、観てみたい。)

250405 Story Time Girls 2013 展 (~4/6) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(5人展。さわきみのり さんの 「憂国のマリア」 シリーズはストリプティーズ嬢にモデルになってもらった。福島の山奥のストリップ小屋の焼け跡にたたずむ女性の哀愁の顔。あの写真、ほしい。平成2年生まれ、武蔵美 映像卒。
佐々木果林さんの 「白雪姫」 シリーズは、寺山修司ワールド的な演劇ふう実写。昭和55年生まれ、明星大 物理卒。)


250405  森井宏青 (ひろはる) 展 ― SYOVERI ― 水底の断片をまたひとつ忘れる  (~4/13) @ Gallery b. Tokyo  (京橋三丁目)
(北欧の空気と静謐だろうか。幻想画だが、人物の写実の輪郭線がとてもよく、ぼくの好きなタイプ。昭和47年生まれ、東京藝大 院修了、フィンランドへ留学。)

250404  佐藤 泰生展 ―風と光と夢― (~4/9) @ 日本橋高島屋6階美術画廊  (日本橋二丁目)
(野見山暁治さんの洒脱な挨拶文で佐藤泰生さんの人となりを知ったところで向かい合った絵は、色づかいにため息、またため息。はじめ会場を遠くから見たときはぴんと来なかったが、思いがけずいい展覧会だった。)

250404  松田 光司展 (~4/9) @ 日本橋高島屋6階美術画廊  (日本橋二丁目)
(ブロンズ小品。天女のような女性たちが舞うなか、はにかみながら足を一歩前に出した女性の像に ひかれた。)

250404 「世界と孤独」 Vol.5  今村 源 展 ―わた死としてのキノコ― (~4/22) @ 日本橋高島屋6階美術画廊X  (日本橋二丁目)
(立体作品。ポリバケツから茸をくりぬき生やした作品が好きだな。)

250403  大川心平展 ―Drawing― (~4/14) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(建物から出発した幻想写実画を描く作家。大川さんの油画を1枚もっています。今回はモノクロのペン画。HAGISO を描いてみたら? とおすすめしてみました。)

250403  立澤香織個展 Portrait extra (~4/6) @ Gallery 銀座フォレスト・ミニ  (銀座一丁目)
(立澤さんの描く女性たちは、鋭く切り込んでくるパワーがあって、それでいてセクシーでキュートで…。彼女の、クセのないあざやかな色づかいも絶品。できることなら立澤作品で壁面をうずめた部屋を作ってしまいたいと思うくらいですが。つまり、個人宅で個展状態にしてみたくなるということですね。玉にきずは、描く女性の口が開いているとき見える歯のかたちで、これがために前回のフォレスト個展では買わなかったんですが、今回は 「花帽子」 を購入 (dudek kvin mil) 。時ならぬ風雨の昼休み、ゆっくりお話ができました。)

250403  内藤瑶子素描展 (~4/6) @ T-BOX  (八重洲二丁目)
(筆に黒インクのドローイング。いい味。画廊オーナーの高橋盛夫さんが羽黒洞に勤めておられたときから引き継いだ、独学の若い作家さん。ファイルを見ると、今回急に作風が変わって俄然よくなってる。オリジナルなところが出てきた。)

250402  “SEN sai” 2012年度大細密展授賞展 (~4/7) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT5  (大京町)
(4人展。清水亮輔さんの日本画 「東京景観」 シリーズは、無人無車の街が軽やかな廃墟めいている。昭和55年生まれ、東京藝大油画→先端藝術表現修了。
渡辺知恵美さんのガラス工藝は、レリーフのデザインがわっしわっしと想像脳を揉みに来る。平成元年生まれ、富山ガラス造形研究所 研究科修了。
酒井祥子さんの朦朧は、鉛筆画も水彩ないし水墨の味わいだ。)


250402 KURUM'ART contemporary 企画  削り出されたイメージ展 入江清美・福田紗也佳・山本希美 (~4/7) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT1  (大京町)
(福田紗也佳作品は、切り絵のようにシャープな黒い線が輪郭線やアクセントに自在に使われる。ヴィヴィッドな色彩で今回は鳥をモチーフに。)

250402  第1回ヴァニラ画廊大賞展 (~4/13) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(台湾人の Natako さんの写真作品「少女恋物」シリーズ #00 と #01 が良かった。会田誠さんのアブナい 「雪月花」 を実写したような作品で、話題性たっぷりな上に 美しい。販売を前提にしていない展覧会だが、売ってもらえないか Natako さんへ打診をお願いした。
大賞は冷墨 (ひやずみ) 清志さんの 「無限遠の風我」。昭和35年生まれのデザイナーで、油画を描くのがじつは初めて。大賞特典の企画個展開催に向け、いま猛然と作品を描いている由。)


250402  山口聡一郎写真展 Front Window (~4/9) @ 銀座ニコンサロン  (銀座七丁目)
(フロントガラスからの景観は、現代人がもっとも多く目にしながら、作品化されることはほとんどなかったのではないか。そこに着目したところを買おう。)

250402  千葉和成 「神曲」  ―ダンテ 「神曲」 現代解釈集―  地獄篇1~3圏 Episodes (~4/6) @ Pepper's Gallery  (銀座七丁目)
(混沌風刺画と石粉粘土像に金属色で塗装したオブジェ。迫力もあって評価したいところだが、前回同様 作品に不用意に文字情報を散りばめているのが すこぶる不愉快。「立入禁止 神戸市」 なんて文字を絵のなかに入れないでくれ。)

250402  牛嶋直子展 ―森を泳ぐ― (~4/13) @ ガレリアグラフィカ  (銀座六丁目)
(漆黒の闇のなかの、灯りに照らされた無人景色。ぼくの好きな作家だ。1階と2階に展示。夜のスキー場のゲレンデを描いた 「光の庭」 が好きだ。)

250401  幻想藝術展 ―東京― 2013 (~4/6) @ 東京交通会館2Fギャラリー  (有楽町二丁目)
(虫眼鏡を絵の脇につるした細密画は、ポオ エ ヤヨさん。彼女が今回の幻想藝術展開催を教えてくれた。)

250331  江畑 芳 (えばた・かおり) 個展 (~4/13) @ Gallery Suchi  (日本橋茅場町二丁目)
(休廊日だが、須知吾朗さんとの打合せで。江畑さんはシャイな人らしく、一面銀色に mica の4文字だけ型押しした DM だ。人物も動物も、産毛や羽毛を描くのが上手な作家だ。)

250328 ハギエンナーレ2013  Third Life  (~3/31) @ HAGISO  (谷中三丁目)
(ギャラリーカフェ。いい雰囲気。林千歩さんの映像+オブジェ、有賀慎吾さんと池田拓馬さんの映像。折しも向かいの小さな岡倉天心記念公園は桜爛漫。)

250327  コレクター山本冬彦と御子柴大三が選ぶ若手作家展 (~4/1) @ Palette Gallery  (麻布十番二丁目)
(小川香織さん、こばやしまなさん、オーガフミヒロさんとおしゃべり。真条彩華さんもいたね。山本冬彦さんから鈴木愛弓さんを紹介され、ファイルを見ているうち、嵐が近づくベランダで跳びあがる女性の後ろ姿の絵を買うことにした。)

250327  藤田嗣治展 ―素描と版画を中心に― (~3/23) @ 翠波画廊  (京橋三丁目)
(君代夫人コレクションからの素描など。画廊スペースも改装して奥行きが広がり、よくなった。会期は過ぎていたが、常設展として嗣治作品を楽しませていただいた。)

250327  夏目麻麦 (あさぎ) 展 (~4/6) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(輪郭が朦朧として顔面が闇の女性たちは、心霊写真の人物めく。でも、若い女性の存在感をよく捉えている。過去ファイルを見ると、かつては典型的な抽象画を描いていたひと。抽象に行き詰まって人物に移行したのはよかった。)

250326  マスター オブ ホラー ―地獄の舞踏会― (~3/30) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(5人展。伊藤潤二さんの作品が、丹念で好きだ。)

250326  木彫 蓮の会 (~3/27) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(10人展。杉浦 誠 作品が好き。)

250326  中町 力 (なかまち・りき) 日本画展 (~3/31) @ 永井画廊  (銀座四丁目)
(ニューヨークの高架道路と信号灯の絵に見覚えがあった。硬質な現代をよくぞ日本画で、と感心した覚えがある。その日展会員賞受賞作と同じ光景のお手頃サイズ版だ。1階にはドローイングも展示。)

250324 歌舞伎座新開場記念展  歌舞伎|江戸の芝居小屋 (~3/31) @ サントリー美術館

(会期中に頻繁に展示替えをしていて、前半と後半では展示品がほとんど一新されている、のを今頃知っても遅いね。)

250324 G|tokyo|2013  (~3/24) @ 東京ミッドタウン ホール

(画廊間の間仕切りをなくしたので広々。インスタレーションやオブジェが中心。池田学さんの新作は抽象画に傾きはじめているね @ ミヅマアートG.名和晃平さんのメタリックなゆらぎの人物像 @ SCAI the Bathroom.塩田千春さんの糸張りの術を今回は部屋の縮小見本っぽくコンパクトなオブジェに @ ケンジタキG.)

250324 Portraits of Native Americans: An Exhibition of Photos by Edward S. Curtis (~3/31) @ フジフイルム スクエア  (赤坂九丁目)
(1900~1910年ごろの、生きている先住アメリカ人たちの精悍な素顔。清流のほとりで将に水浴しようとする少女の後ろ姿の写真 The Dreaming Maiden, ca. 1909 が印象深い。)

250323  キム チシン| ordinary art (~3/23) @ Gallery MoMo Projects  (六本木六丁目)
(3分52秒の 「nach Hause 家路」 は、美術館前の階段や歩道や地下鉄プラットホームを後ろ向きに歩いて撮らせ、それを逆回しした映像作品。キムさん以外の全ての人たちが後ろ向きに歩く世界。“I'm so hot” は、アイロンの掛け面を赤い西瓜の一切れにした。スチーム噴出孔を西瓜の種に見立てた。昭和55年生まれ、韓国・京畿大彫刻卒、ミュンヘン美術院大学院修了。)

250322 アートフェア東京2013  (~3/24) @ 東京国際フォーラム

(昼休み1時間と夜2時間半で巡覧。出色は、角匠さんブースの肉筆浮世絵でした。完成度・保存度ピカ一の品々を、ガラスの仕切りもなくこんな間近で見せちゃっていいのでしょうか。)

250321  八坂 圭 (けい) 展 ―Streamline― (~3/31) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(純粋抽象画なのに、イラストレーションのような爽やかな明るさ。多摩美 院修了後、なんとパプアニューギニアのゴロカ大学でアニミズム文化に裏打ちされたアート制作に進んだ。パプアニューギニアのアートの収集家としては今泉隆平氏が著名で、1万点のコレクションは新潟県の南魚沼市立今泉博物館に収められているそうだ。埼玉県鶴ヶ島市にも1,725点が寄贈されたが、役人の代替わりで廃棄されそうになり、八坂さんらが奔走して、早稲田大と天理大の資料室および沖縄県の戦争博物館に引き取ってもらった由。)

250321  杉山 潤 (じゅん) 展 (~3/31) @ Shonandai MY Gallery  (六本木七丁目)
(これまでの哲学幻想に代わり、今回はユーモラスなハプニング幻想画。楽しみにしていたのだが、作品の出来は時間不足でやや焦ったふうが感じられた。)

250321  HAKUJITSU ―Artist' Selection― 作家自身が選んだ逸品展 (~3/30) @ 六本木画廊  (六本木七丁目)
(13人展。舟木誠一郎さんの 「女豹」 に再会。ぽっちゃり型の女の子の 「黒衣」 もいい。嶋中俊文さんのイリュージョン画 “Eggs” に感服。)

250319  前田有加里 日本画展 ~ひろすけ童話に寄せて~ (~3/23) @ ギャラリー枝香庵  (銀座三丁目)
(浜田ひろすけの作品集は、小学生の低学年のころ学級文庫にあったな。45年も前のこと。今回の個展には、浜田広介さんの娘さんや浜田広介記念館の館長さんも来られたという。浜田広介、新美南吉、あらためて読んでみよう。)

250318  鈴木紗也香展 (~3/23) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(VOCA 賞をとった紗也香さん。鶴の恩返しの つう のように、どきっとさせる まなざし。VOCA 賞作は確かによかったが、個展作品は制作時間が足りなかったか?)

250318  日本の民家 一九五五年 二川幸夫・建築写真の原点 (~3/24) @ パナソニック汐留ミュージアム  (東新橋一丁目)
(二川幸夫さんは昭和7年生まれ、さる平成25年3月5日、この写真展の会期中に亡くなられた。早大で美術史を専攻、在学中に建築学科・田辺泰教授のすすめで高山の日下部 礼 家のみごとな家屋敷を訪問したのが、民家を撮影するきっかけになった。写真集『日本の民家』全10巻に解説を書いたのは、伊藤鄭爾さんだった。)


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