文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 23

平成25年7月27日~10月3日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ3件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成25年5月18日~7月26日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 22 にあります。
このひとつ後の 平成25年10月4日~11月26日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 24 にあります。


251003  Jeff Koons: Editions (~10/12) @ Galerie Sho  (日本橋三丁目)
(版画、といっても写真リトグラフ。昭和63年の 「アート雑誌の中の広告」 シリーズ 4点と、平成7年の「無題」シリーズ 7点。)

251003  宮入小左衛門行平展 「清明」 (~10/8) @ 日本橋高島屋美術画廊
(人間国宝の宮入行平先生の次男であられる。)

251003  笹井史恵 漆藝展 「みのり ― fruitful」 (~10/7) @ 日本橋高島屋美術画廊 X
(桃や茄子や子供を完成度の高い曲線美と、朱から褐色にかけての独特の色で。昭和48年生まれ、京都市立藝大 院修了。)

251003 画集刊行記念  福井江太郎展 ―はじまりの色・はじまりの白― (~10/8) @ 日本橋高島屋美術画廊
(福井さんの駝鳥の傑作を高崎や横浜で見て、今回楽しみにしていたのだが、あまりの自己模倣の羅列に飽きた。杜若の絵も、前回 高島屋で見て、駝鳥の福井さんと結びつけることなく「いいな」と思ったものだが、これまた今回は自己模倣の羅列だ。もっと多様な冒険をしてほしいな。昭和44年生まれ、多摩美 院修了。)

251002 10 x 10 American Photobooks  (~10/6) @ Tokyo Institute of Photography (72 Gallery)  (京橋三丁目)
(じっくり写真集と対話。気に入ったもの: Anthony Hernandez, "Waiting, Sitting, Fishing, and Some Automobiles"; Mariane Cook, "Stone Walls: Personal Boundaries"; Moyra Davey, "Long Life Cool White"; Nicholas Muellner, "The Amnesia Pavilions". 意表をつく写真集 "Holy Bible" 購入。)

251002  瀧田紀子展 (~10/5) @ ギャラリー La Mer  (銀座一丁目)
(カンバスの上に もしゃもしゃと紐を置き、スプレーで色を吹きつけたら、奥行き感のある曲線のダンス。もうひと味、さらに手を入れれば面白い作品になるかも。)

251002  平良志季 (たいら・しき) 初個展 ―物語のはじまり― (~10/5) @ 銀座かわうそ画廊  (銀座一丁目)
(古事記に取材した上質の絵本の絵のような大小作品や、妖怪もの。DM は作品選択ミス。東京藝大デザイン 院1年在籍。ノリのいい女性のようです。会ってみたいですね。)

251002  仙崖 (山かんむり無し) と禅の世界  + 一休ゆかりの床菜菴コレクション  (~11/4) @ 出光美術館  (丸の内三丁目)
(単に諧謔のひとと大きく誤解していた。厳しい修業を積んだ高僧がゆきついた軽み。≪我が隠れ家ハ雪ちんか くる人事ニ紙置て行≫ ≪世の中に福寿そろふた人もな志 上長かけれハ 下もハ短か志≫。出光佐三氏が19歳で始めたコレクションには仙崖の品が約千点あるという。)

251001  エクストリームAR画像コア 梅沢和木 (~11/15) @ Diesel Art Gallery  (渋谷一丁目)
(アニメのパーツを過剰なまでにコラージュして筆のひと塗りで締めた。大作にはバーコードが隠されていて、i-Pad を通して見ると i-Pad 上の画像が動き出して、重層に貼り込まれたパーツが降り落ちて次々と別の絵が現れてくる。梅沢作品は去年、馬喰町の Gallery Cashi で見た。こんな展開があるんだね。昭和60年生まれ、武蔵美映像卒。)

251001 INTRO  ―コレクター 山本冬彦が選ぶ若手作家展― (~10/13) @ The Artcomplex Center of Tokyo ACT5  (大京町)
(レベルの高い13人展。立澤香織さんの小品「乱れて不機嫌」を購入 (ok mil) 。あ、乱れたのは、髪です。
吉敷麻里亜さんの女性が大人びて新境地。外田千賀さんは展覧会続きのところがんばりました。望月宗生さんの鉛筆画がみごと。宮間裕子さんのおどろおどろの神楽絵もおもしろい。ほかに、丸山恭世、森村智子、中原亜里沙、秦絵里子、藤川さき、森洋史 (アニメ聖画ふうに) 、Benicco、蒼野甘夏の皆さん。)


251001  チェコの映画ポスター テリー・ポスター・コレクションより (~12/1) @ 東京国立近代美術館フィルムセンター展示室7階  (京橋三丁目)
(コラージュがゆきつくところまで進化した所以は、チェコでの映画広告は外国資本の外国デザインのポスターを認めず、国内作家のデザインを義務づけたことにもある。チェコの映画に加えて、ゴジラからデルス・ウザーラまで日本映画のチェコ版ポスターや、男と女のようなフランス映画のチェコ版ポスターも。)

250930  三岸節子展 “ヴェネチアへの憧れ” (~10/5) @ 高輪画廊  (銀座八丁目)
(重厚で華々しいイメージの三岸節子さんの作風とやや趣を異にして、寂寞のヴェネチアを描く紫から群青にかけての色変化 (へんげ) 。)

250930  愛実 (あゆみ) 人形展 Release (~10/10) @ ヴァニラ画廊 Room B  (銀座八丁目)
(期待を大きく上回る理由は、人形の顔にその娘のヒストリーがしみ込んでいるから。人形とともに、人形のポートレート写真を展示したのも好企画。)

250930  安蘭 (あらん) 個展 Daemonisch (~10/10) @ ヴァニラ画廊 Room A  (銀座八丁目)
(床の隅には赤い薔薇の花びらを散らし、すてきなしつらえで現代聖画展。聖ジャンヌの絵の十字架は、2本の枝を組み合わせたものがよいかもと、作家にお伝えしました。)

250929  秦 雅則 “Thanksgiving on summerday?” (~9/29) @ Gallery TS4312  (四谷三丁目)
(5人の顔のパーツを組み合わせて作った、存在しない人のポートレート作品など。)

250927  保田 (やすだ) 春彦 父との対話 (~10/12) @ 南天子画廊  (京橋三丁目)
(簡素素朴な住居の形の彫塑で知られる保田春彦さんの自画像ペン画に加え、やはり彫刻家の父・保田龍門氏がポーズした春彦作の胸像も。もともとは 『保田龍門・保田春彦 往復書簡 1958-1965』 の出版記念の個展のはずだったが、本の出版が12月に延びた。)

250927  呉 亜沙 (ご・あさ)  (~10/5) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(あれ? いつもちょっと哲学的なメッセージを込めた絵を描くひとと思っていたが、今回はメルヘン絵本の域を出ず。)

250927  半田也寸志オリジナルプリント展  Iron Stills  アメリカ、鉄の遺構 (~10/5) @ 彩鳳堂画廊  (京橋三丁目)
(船舶、ダム、鉄橋、高層ビルにロマンがある。8千万画素の細密巨大銀塩プリント。)

250926  木村伊兵衛のふたつの旅 ― 琉球・秋田 (~12/27) @ Fuji Film Square  (赤坂九丁目)
(昭和11年の沖縄と、昭和28年の秋田。有名な 「那覇の藝者」 は何度見てもいい。昭和11年の那覇には、自動車と人力車が同居している。)

250926  片山穣展 ―human collection― (~10/6) @ Shonandai NY Gallery  (六本木七丁目)
(東京藝大で染色を学んだ、心やさしそうな青年。彩度の高い、さわやかな色。蝋を使ったバティックの手法だそうだ。)

250926  わたなべ ゆう展 (~10/12) @ 江原画廊  (銀座一丁目)
(いい味なのだが、絵に引っ掻かれた文字が、ぼくに拒否感を与えるのが残念。)

250926  第5回 飛翔する女性たち ―自分― (~9/28) @ 純画廊  (銀座一丁目)
(5人展。坂根輝美さんの Schizophrenia シリーズの静謐な女性の顔がいい。水口かよこさんの、無人の窓の木版画も。)

250926  パラード追想 相原みゆき・井関周・桑原聖美・中川知洋 (~10/1) @ Gallery 銀座一丁目
(桑原聖美 (くわはら・さとみ) さんの、透明感すらあるデリケートな絹本日本画は、西洋幻想画のモチーフの人物画で、ぼくのストライクゾーンをついてくる。)

250926  「チェーザレ ~破壊の創造者~」 惣領冬実 原画展 (~9/29) @ Pola Museum Annex  (銀座一丁目)
(原画は、顔立ちさえ変えれば水彩画の佳品なのだが……。マンガの美男美女も、浮世絵の美男美女も、それぞれにパターン化という現象においては同値であると相対化して考えればいいのかも。)

250925  Frame In-out 熊倉涼子 (~9/29) @ Gallery Kingyo  (千駄木二丁目)
(熊のぬいぐるみなど室内の小物をモチーフに、いいセンスの絵だが、星形など比較的単純な装飾パターンを上乗せするテクニックに溺れて、やりすぎた。一歩ひいてみたら、いい作品ができそうだ。多摩美油画4年。DM 葉書に丁寧なメッセージが手書きしてあったので、これは行かなければと思って、場所の分かりにくい路地裏の画廊に道に迷いつつたどり着いた。)

250925  一族展 (~9/29) @ ギャラリー枝香庵  (銀座三丁目)
(野上家、村嶋家を軸とする13名の親族のグループ展。親族であるがゆえに撰の甘い展覧会かと思いきや、さにあらず。高レベルの油画、陶藝など。)

250925  開光市 (ひらき・こういち) 展 (~10/5) @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(人物を主体とし、有元利夫さんや筧本生 (もとなり) さんに連なる幻想画。うまい絵なのだが、目をたくさん描かれてしまうと絵に感情移入ができず、ぼく個人は白けてしまう。残念ですが、開光市さんの作品、ぼくは生理的に受け付けない。昭和33年生まれ、金沢美術工藝大 院修了。)

250925  香月 (かづき) 泰男展 (~10/5) @ 日動画廊  (銀座五丁目)
(一作一作しみじみとした油画、版画、水彩画。明治44年生まれ、藤島武二に師事した。昭和49年歿。)

250925  物語の中の生き物達 (~9/25) @ ギャラリー日比谷  (有楽町一丁目)
(御子柴大三さん企画らしい。42人の作家に、物語の選択は任せつつ、選んだ物語にちなんだ絵を描かせる趣向。鶴田絵さん 『吾輩は猫である』 の 「猫」 の彫像がよかった。小川香織さんや、たんたん さんも出品。)

250924  第1回 FEI Print Award 受賞者展  石川真衣展 (~10/2) @ f.e.i art gallery  (横浜市西区楠町)
(「ブルーベリーと蜂の姫」 のシリーズなど。旧作と新作が並び、あらためて黒インクのオーソドックスな版画で真衣ワールドを展開する真衣ちゃんのユニークさを感じました。色彩センスのいいシルクスクリーン作品 「レオへ 3」 を購入 (ok mil) 。)

250924  浅野勝美展 Qui suis-je? (~9/28) @ ヴァニラ画廊  (銀座八丁目)
(エッチング+アクアチントの版画作品や、羊皮紙に鉛筆で描いた緻密な人物画。シェイクスピア作品シリーズ、カネがあったら揃いで持ちたい。多賀 新さんが記帳していた。)

250924  よでん圭子 個展 ―女の溜り場― (~9/28) @ ヴァニラ画廊  (銀座八丁目)
(赤銅色の女性のヌード。女子美洋画のベテランで、「百貨店ではなかなかヌードは出せなくて花の絵とか出していますが、自分が本気で描いているのはヌードです。初個展です」 と。絵葉書セット購入。)

250921 Solo Exhibition 林 千歩 / Chiho Hayashi (~9/22) @ island Medium  (アーツ千代田3331、211)
(林千歩さんのビデオアート2作。「エイリアン vs. ティーチャー ~ 二十四の瞳を救え!!」 (7分59秒) は小豆島ロケ。前作登場の地元のご老人たちも再出演。前半の教室シーンの間延びを、後半の蟲シーンでも挽回しきれなかったな。「こんにちは、べいびーちゃんたち」 (3分) は、千歩ちゃんが人形になりきりの環境ビデオ。)

250921 須永 有 (すなが・ある)  “Passage”  (~9/22) @ Bambinart Gallery  (アーツ千代田3331、B107)
(東京藝大油画4年の女性作家。構図・配色にいいセンス。)

250920 American Pop Art From the John and Kimiko Powers Collection アメリカン・ポップ・アート展 (~10/21) @ 国立新美術館  企画展示室2E
(正直いって Jasper Johns の抽象主義作品のところは やや飽きてしまったが、Andy Warhol の色彩センスのよさを再認識したあたりからぐっと盛り上がり、さいご Tom Wesselmann 作品 もっともっと見たいよぉ~というところで幕。前半を見ているときは図録購入はやめようと思ったが、Mel Ramos の "Miss Cornflakes" を見て 火がついた。Campbell's のスープ缶も4種類、ショップで買いこんでしまったよ。)

250919  Spectrum III (~9/21) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(2階と地下の2室を使っての6人展。アグネス・ラムちゃんを細身にしたような美女、谷中 (やなか) 美佳子さんがいました。2階の大作は、絵の構成が思い込みに走り過ぎて筆がついていってないけれど、地下展示の屏風 「十六夜 (いざよい) 」 と 「凍解 (いてどけ) 」 は丁寧な日本画に新感覚がにじむ。屏風は谷中さんが自分で表装。というのも、女子美卒業後、東京藝大で日本画の保存修復を学んで院修了。)

250918 寺山修司没後30年記念  映画監督◎寺山修司 (~9/23) @ ポスターハリスギャラリー  (道玄坂ニ丁目)
(「田園に死す」 で映画のなかで使われた手描きのポスターパネルなど お宝も展示。机の 『知識人99人の死に方』 (角川ソフィア文庫) 読みたくなった。)

250918  竹内栖鳳展 近代日本画の巨人 (前期は ~9/23、工期は ~10/14) @ 東京国立近代美術館  (北の丸公園)
(作風の変転と、質の高さ。二人、三人分の美術人生を生きた偉人だ。晩年 昭和16年の 「しぐるる池」 は、一陣の雨のなかのやれ蓮にとまる2羽の四十雀が、雨に向かってさえずりかえす生気。それは栖鳳自身のようにも、後進に託した希望のようにも思えた。)

250917 外田千賀 (そとだ・ちか) 展IV ―寓意の匣庭で―  (~9/21) @ スパンアートギャラリー  (銀座ニ丁目)
(油画のディーヴァ、tica ちゃんの待ちに待った個展。1日目が台風だったのに、けっこう売れていました。2日目のきょう昼休み、滑り込みで 「であい」 を購入 (dudek kvin mil + i) 。来年、院修了後、旦那さまのいる愛知県に引っ越しても、絵は描き続けてね!)

250915 フィレンツェ ピッティ宮近代美術館コレクション  トスカーナと近代絵画 もうひとつのルネサンス (~11/10) @ 損保ジャパン東郷青児美術館  (西新宿一丁目)
(フランスの印象派にあたる、イタリアの macchiaioli は 「斑点派」 という訳語があるらしい。申し訳ないが、いま見ると凡庸としか評せない絵が多すぎ。イタリア側に凡作を送って寄こされていないか。Giorgio de Chirico の作品が1点だけあったが、キリコが数点あれば随分と印象が違ったろうに。
東郷青児の最晩年の 「蒼ざめた夜」 と 「日蝕」 が、異界からのメッセージのようで、絶品。)


250914 興福寺創建1300年記念  国宝 興福寺佛頭展 (~11/24) @ 東京藝術大学大学美術館
(天武天皇14年、西紀685年の銅造佛頭は、まるで工業製品かと思われるほどの整いぶりだが、引きつけてやまぬ力を秘めている。来てみないと、わからない。国宝 木造十二神将立像 (りゅうぞう) も、ひとつひとつ鼠から猪まで12の獣の化身と思いつつ見れば一層おもしろい。ことに鼠を頭に載せた毘羯羅 (びから) 大将立像は、孤老の呵々大笑のごとくして、類ない傑作だ。)

250913  Freelance Art Directors' Fair Fad Fair 2013  (~9/15) @ The Artcomplex Center of Tokyo B1F  (大京町)
(8人の、さすらいのキュレーターたちの決闘城だ。)

250913  大村雪乃展 (~9/14) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(多摩美油画を卒業したばかりの彼女は、毎月どこかのテレビがとりあげる注目作家となっております。黒い画面に、色とサイズがとりどりの円形シールだけを使った貼絵で、横浜やベイルートの夜景を描き出す。朦朧としたとき視る、視覚の奥底のにぶい色彩点の集まりのような像。記憶をかきたてられる刺激あり。)

250913  Jean-Luc Moerman (ジャン=リュック・モーマン) : transgenerationconnection (~10/5) @ nca|nichido contemporary art  (八丁堀四丁目)
(適確な色彩センスに裏打ちされたメリハリのある曲線の構成作品は、よくできているが、簡単に飽きてしまう。作品の曲線を画廊壁面に延長して遊んだウォールペインティングもみごとだけれど。むしろ、他人が撮ったポートレート写真に入れ墨のように服飾を描き変えた、ペンによるコラージュ作品が面白かった。)

250910  井上よう子展 ―切なさの向うに― (~9/11) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(ブルーが変奏する室内外の風景画。デンマークにも滞在した経験から発電用の風車が多く描かれているが、電力が本業のぼくが見ると風車の設置ぶりにウソが見えて興醒めしちゃうの、ごめんなさい。)

250910  石川美奈子個展 「可変」 (~9/14) @ Gallery Trinity  (赤坂九丁目)
(「可変」 の名そのままに、ミロやモンドリアンふうの作品が木製のパーツと固定用の磁石で構成されていて、絵をつくって遊べるのですね。)

250909  ルイス・フライシャー ―Flesh Art― (~9/21) @ ヴァニラ画廊 Room B  (銀座八丁目)
(痛そうな人形オブジェと、責め具。Louis Fleischauer さんは東ドイツ生まれ、米国移住後、いまはベルリン在住。)

250909  ジョン・サンテリネロス展 ―Embrace the animal, strive for the human― (~9/21) @ ヴァニラ画廊 Room A  (銀座八丁目)
(ゴシック ダーク アート写真。レンズの向こうで徹底してストーリーを作り上げ、瞬間を演じさせているのだが、わざとらしさがないところが、さすが。John Santerineross さんは昭和30年ニューヨーク生まれ。)

250909  Three Different Textures (~9/14) @ Pepper's Gallery  (銀座七丁目)
(3人展。多摩美テキスタイルデザイン 院修了の寺村サチコさんの作品が、色も形も陰もゆらぎもおもしろい、丹念な制作ぶり。)

250909  陶芸三人展 (~9/16) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(くすんだピンクの潮 (うしお) 桂子さん。カラフルな和のユーモア、ふじもとふみえさん。ほのぼの、村井裕美子さん。)

250909  桜田晴義展 (~9/11) @ 永井画廊  (銀座四丁目)
(浅間山と静物。赤い背景に薊。ただ 「一」 と書いた書にも気迫がみなぎる。昭和20年生まれ、武蔵美油彩卒。28歳でスペインに渡った。)

250909  田中裕子 (ゆうこ) 個展 (~9/14) @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(岩絵具で水母を描く、といえば青木香保里さんだが、田中裕子作品も大作。柿渋をうまく使った熱気球の絵にひかれたね。)

250909  中谷宇吉郎 (なかや・うきちろう) の森羅万象帖展 (~11/23) @ LIXIL ギャラリー  (京橋三丁目)
(寺田寅彦の弟子という。雪の結晶の形態を分類研究した先駆者。文章家でもあるので、随筆を読んでみたい。)

250909  薄井 歩 (うすい・あゆみ) 展 (~10/1) @ LIXIL ギャラリー ガレリアセラミカ  (京橋三丁目)
(粘土を丹念に彫り込んで、まるで珊瑚質の海洋生物のようなオブジェ。)

250906 第98回 二科展  (~9/16) @ 国立新美術館
(写真作品はおもしろかったが、絵画作品は五美大展のほうがずっといい。)

250905  浮世絵 珠玉の斎藤コレクション 第III期  うつりゆく江戸から東京 ― ジャーナリスティック、ノスタルジックな視線  (~9/8) @ 三菱一号館美術館
(明治9~14年の小林清親 (きよちか) の 「光線画」 に注目した。西洋画法を溌剌と木版画に取り入れていったわけだが、いま見ると時代の呻きが聞こえるようでもある。)

250905  久下貴史 (くげ・たかし) 作品展 ~マンハッタナーズの猫たち~ (~9/25) @ フォーラム・アート・ショップ内ギャラリー  (東京国際フォーラムB棟)
(昭和57年に「山藤章二の似顔絵塾」第1回大賞受賞のひと。昭和61年にニューヨークへ移住してから、人物から猫に画題が移った。味あり。昭和23年生まれ。)

250904 清水智裕展 “液体とハッカドロップ”  (~9/9) @ 銀座かわうそ画廊  (銀座一丁目)
(ぼくの好きな従来路線の 「お告げを聞くために」 を買いました (sepdek mil + i) 。)

250902  神秘のアラベスク ~船戸あやこの色彩タイル展~ (~9/7) @ Gallery Tsubaki 2  (京橋三丁目)
(模様がシャープで、色も鮮烈にして涼やか。どこの国の技法かと思ったら、スペインの陶藝という。スペインで工房をもち、日本で焼くときもスペインから土と釉薬を持ってくるそうだ。)

250902  鈴木亘彦 (のぶひこ) 展 「テペトヘドロン Tepetohedron」 (~9/14) @ Gallery Tsubaki  (京橋三丁目)
(重層を生かしきったガラス絵や、氷に閉ざされた葉を連想させるガラスタイル絵もすてきだが、圧巻はやはり10枚ほどのガラス板に薄い色のドットを配して重層に置いたシリーズ。正面と裏から見ると、虚空に球体が浮かび上がる。横から見るとただのガラス板の羅列なのに。)

250827  Akira Matsuoka: Dedicated to Analog Television 電圧制御された、廃棄されゆくテレビの音楽 (~8/31) @ 巷房・階段下  (銀座一丁目)
(昭和40~50年代のコンパクトなテレビに、デジタル時代になって失われた乱調画面や砂嵐やパターン映像を映し出し擬音をマッチさせた。思えば、アナログテレビ体験は記憶から急速に消えている。)

250827  夏の終わりの版画展 (~8/31) @ 銀座かわうそ画廊  (銀座一丁目)
(9人展。うち、多摩美卒の舟津明日香さんが来ていて、かわいかったので話し掛けそびれるうち、話す機会を失った。狼のモチーフを今後どう発展させるかですね。李元淑さんの色の掛け合わせは新鮮だけど、版の合わせ方を今一歩緻密にしてほしい。)

250827  金子奈央展 (~9/7) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(いつもの圧倒的な完成度がなかった。時間切れの感じが…。忙しかったんでしょうね。)

250827  木村佳代子展 (~9/7) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(枯れた日本画の色感覚で薔薇の花瓣を細密描写する油画。空白の残し方にも日本画を感じた。ぜいたくなパズルキューブもおもしろい。昭和46年生まれ、東京藝大博士課程終了。)

250826  富田菜摘 「おとなの大運動会」 (~9/14) @ ギャルリー東京ユマニテ  (京橋二丁目)
(メインの紙作品は従来からの実物大の立像ではなくて、やや小ぶりのレリーフ。以前、菜摘さんは浮世絵レリーフを作ったことがあったよね。今回は社会批評ヴァージョンで。いっぽう金属廃材をつかったオブジェ、今回の新味は婦人用傘を羽にした鳥たちと、PCのマウスを胴体にした蛙たち。)

250826  泉菜々子展 ~机上の空論の果て~ (~8/31) @ ギャルリー東京ユマニテ bis  (京橋二丁目)
(大作3点セットは、4版まで共通の刷りで5版目を違えたヴァリエーション。紺からグレーが好きなひと。発想の瞬間をとどめるドローイングも控室に展示。菜々子さんが、いちだんとチャーミングでした。搬入には石川真衣ちゃんも活躍。)

250824  「トンドの夢想家達」 展 (~8/30) @ Galerie Or・Terre  (京橋一丁目)
(おもに円形画面の幻想画小品 29人展。)

250824  高塚省吾展 ―女たち― (~8/28) @ 四季彩舎  (京橋二丁目)
(パステル画、初期デッサン作品。)

250824  横尾忠則 日本の作家222 (~9/14) @ 南天子画廊  (京橋三丁目)
(見覚えのある有名作家写真の数々を色彩変奏。1枚1枚と発想をひねり出すのは、10枚20枚はできても、222枚をやりきったところがすごい。有名な肖像写真がモトネタとして存在するわけだが、表情や身振りでもモトネタに反逆していればもっとおもしろかった。そうなると、有名作家のダレソレと同定できるかという問題もあろうけど。日本経済新聞出版社から出た図録が1万7千円+税。)

250823  プーシキン美術館展 フランス絵画300年 (~9/16) @ 横浜美術館  (銀座八丁目)
(Jean-Leon Gero^me の 「Candaules 王」 の王妃ルドの裸の後ろ姿が秀逸。Maurice Denis の 「緑の浜辺、Perros-Guirec」 の魅惑の配色。呼び物の Renoir 作 「Jeanne Samary の肖像」 はさすがみごとだった。Sergei Mikhailovich Tretyakov, Sergei Ivanovich Shchukin, Ivan Abramovich Morozov という富豪コレクターは、いずれも繊維業で財を築いた。
常設展も充実していて、観覧の時間配分を間違えたことを後悔。)


250823  野中ユリ展 美しい本とともに (~9/1) @ 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
(昭和51年頃の 「硝煙画報」 コラージュシリーズや、平成9年頃の 「愛する藝術家たちの肖像」 コラージュシリーズが好き。昭和13年生まれ、瀧口修造に師事した。)

250823 生誕100年  松田正平展 陽だまりの色とかたち (~9/1) @ 神奈川県立近代美術館 鎌倉
(ちらしに使われている 「四国の犬」 は、いわゆるヘタうまの走りに思えて好感を持たなかったのだが、実物のマチエールには力がある。昭和34年作品の 「かみきり虫」 がいい。山口県信用農業協同組合連合会所蔵という、嗚呼。)

250823 葉山館開館10周年  戦争/美術 1940-1950 モダニズムの連鎖と変容 (前期は ~8/25、後期は ~10/14) @ 神奈川県立近代美術館 葉山
(いわゆる戦前戦中はダメ、戦後はいい、というようなエセとは無縁の、時代の素朴な実感によって立つ構成が、じつに好もしい。)

250822  ミン・ウォン展 私のなかの私 Ming Wong - Me in Me (~9/22) @ 資生堂ギャラリー  (銀座八丁目)
(時間がなくて、SFアニメ実写篇と、時代劇篇の冒頭の準備部分だけ観た。みんなの協力を得て、こうして「なりきり映像」を撮らせてもらえるとは幸福なアーティストだ。それを支える積み重ねがあったからだろうけど。)

250822 内藤亜澄 ―あざやかに甦す―  (~8/24) @ Gallery Art Point  (銀座八丁目)
(最新作は着彩に濁りがなくなり、統一感あり。完成度が高まった。)

250822  沙村広明「無限の住人」原画展 (~9/7) @ ヴァニラ画廊  (銀座八丁目)
(女性キャラが現代的で、好きです。)

250820 田中 望 (のぞみ)  (~8/24) @ ぎゃらりぃ朋  (銀座一丁目)
(祭礼に集う兎の群れが絵巻物を見る楽しさ。大きなパネルサイズをまとめ切れていないが、部分部分は描画も色も魅力的なので、うまくトリミングする形でお手頃サイズの絵にするといい。平成元年生まれ、東北の民俗研究にも熱中している。東北藝工大洋画 院在籍ながら、画法は日本画。おもしろい才能です。)

250819  サラリーマン コレクターが見た 「’70年代或る画廊の記憶」 (2) (~9/1) @ TS4312  (四谷三丁目)
(南画廊のハイセンスを物語る当時最先端の作品群。高松次郎さんの、丹念につくられた白のマチエールにひいた4本の曲線にしびれた。Lee U-Fan (李禹煥) 作品の価値をあれこれ議論するのも楽しかった。)

250819/24/25 美樂舎 第22回 マイ・コレクション展  (~8/25) @ The Artcomplex Center of Tokyo ACT5  (大京町)
(松谷千夏子作品を4点展示しました。昨年の K's Gallery に比べて会場が広くなり、充実の展覧会。)

250817/21  ギャラリー椿オークション2013 (~8/20) @ ギャラリー椿  (京橋三丁目)
(筧本生さんの作品が20点、それだけで個展ができそう。全部で550点、3人のコレクターの所蔵品処分という。うち300点は、総数7千点を所蔵す90歳台の老コレクターからと。美術館が寄贈謝絶の小ぶりの作品 ― 個人コレクターにありがたいサイズ ― がこうしてオークションされるわけだ。ぼくは織田広比古作品 「カウンターの女」 を落札した。Kontrau la propon-minimumo de kvardek mil, mia propono staris je sepdek mil. Kun aldonaj procentajho k imposto elspezis sepdek sep mil.)

250816  ルーヴル美術館展 ~地中海 四千年のものがたり~ (~9/23) @ 東京都美術館 企画展示室
(16世紀前半の作というジャンピエトリーノ画 「エジプト最後の女王、クレオパトラの自殺」、乳首を蛇に噛ませる女王の顔が、そのまま現代幻想画だ。絵の右上部に格子窓を通して王宮内のようすを描きこんだのも秀逸。
と、あえて癖球から始めたが、今回の展覧会の呼び物の 「ギャビーのディアナ」 は様々な角度から美を味わわせていただいた。数ある彫像のなかでも、この作は別格である。
テオドール・シャセリオーの 「モロッコの踊り子たち: 薄布の踊り」 に牧野邦夫さんの千夜一夜物語シリーズの原形を見た。ジャン=エティエンヌ・リオタールの 「トルコ風衣装のイギリス商人レヴェット氏とクリミアの元フランス領事の娘グラヴァーニ嬢」 は、テーマも描法も東西融合の境地。)


250816  福田美蘭展 (~9/29) @ 東京都美術館 ギャラリーA・B・C
(横尾忠則さんに通ずる色彩感覚と遊び心を、横尾さんを超える多様な手法で八方展開だ。齲歯のような 「噴火後の富士」 のインパクト。中央で分断し蝶番でとめた 「道頓堀」 はネオンサインの絵具が乾かぬうちにパタンと閉じて絵具を押し付けて水面反射像をつくった。セザンヌの名画に美大予備校の添削のようなマジックペンの指摘をちらした 「リンゴとオレンジ」 には心底笑えた。双子のキリストを想定した 「聖家族」 の発想。祖父が100歳まで仕事をした童画家の林義雄さんで、その童画キャラたちに見守られる 「涅槃図」 に愛を感じた。)

250816 第26回 平櫛田中賞 受賞記念  大平 實 展 (~8/20) @ 日本橋高島屋6階 美術画廊
(ロサンゼルス郡パサデナ在住の作家。野田裕示作品の世界を感じた。)

250816  福富太郎コレクション 8月15日「光と影の展示会」 (~8/18) @ ギャラリー川船  (京橋三丁目)
(地下道で寝る戦災孤児デッサンなど、地味だが思いのこもった展覧会。伝説の福富太郎さん、82歳になられる。『週刊読書人』、福富さんの寄稿が載った8月9日号を画廊でくれた。≪「戦争画」 を語ることは、もうすぐ70年が経とうという現在でも難しい。「戦争画」 が日本美術史上にきちんと位置付けられることを願っている≫ と。)

250815  第9回「わの会」コレクション展 (~8/18) @ ギャラリー アビアント  (吾妻橋一丁目)
(この画廊は初めて。「わの会」 は、頒価3千円の図録を出すので、よほど名画が多いのかと思えば さほどでもないが、いわくのまとわりつく作品揃いと言えば言える。面識のある人たちが飲んでいたが、じっくり絵を見たところで退散。)

250815 Yokai Tour  (~9/1) @ パークホテル東京 25F アトリウム  (東新橋一丁目)
(汐留のパークホテル25Fアトリウムの美術展示に初めて来てみた。夜に来れば、吹き抜けの壁面に投映する映像作品もあるという。亀井三千代さんの 「九尾狐曼荼羅」。江本 創 (はじめ) さんの 「鬼の頭部」。江戸期の紙本着彩の巻物を額装した 「三人侍肝試之図」 に、吹き抜け天井からの日光が当たっていて絶句。)

250814  大野麥風 (ばくふう) 展  「大日本魚類図集」と博物画にみる魚たち  (~9/23) @ 東京ステーションギャラリー  (丸の内一丁目)
(失礼ながら麥風さんの本画は必ずしもうまくないのだが、彫師・摺師が絶妙の協働で品よく美しく仕上がった 「原色木版二百度手摺り」 の 『大日本魚類図集』 全72点は絶品。なんと昭和12~19年の困難な時代に刊行されたものだ。)

250813  文字の力・書のチカラ II  書と絵画の対話  (~8/18) @ 出光美術館  (丸の内三丁目)
(紀貫之や小野道風の真筆で冒頭からいたぶる。仙崖 (「崖」 は山なし) さんの剽軽なる 「一円相画賛」 はさておき、墨の濃淡が息づく 「般若心経」 にまいった。じつに現代的筆致の良寛 「詩書屏風」。虫への心優しさがすがすがしい烏丸光廣の 「蟲歌合巻」。徳川家康が慶長17年に書いた 「日課念佛」 は200ほど書き連ねた南無阿弥陀佛のところどころに南無阿弥家康が混じっていて、この狸め! だ。)

250810  《遊ぶ》 シュルレアリスム展  ―不思議な出会いが人生を変える―  (~8/25) @ 損保ジャパン東郷青児美術館
(第1室では、Andre Bretonがプロデュースした、宮廷色を排した le Jeu de Marseille という変わりトランプに注目。4つのマークは 鍵、車輪、星、炎で、King/Queen/JackはGenius/Siren/Magus となる。昭和3年生まれの岡上淑子 (おかのうえ・としこ) が昭和26~31年に制作した緻密でおしゃれなコラージュ作品は、高知県立美術館蔵という。100点ほどの作品を残した時代の光芒。205点の作品を数えるシュルレアリスム展だが、行き着くのはPaul Delvaux の 「海は近い」 と Leonora Carrington の 「狩猟」。「海は近い」の3人のヌードのうつくしさはさることながら、中央を貫く電柱にまとわりつく白い碍子が小鳥のように見える。)

250809  真夏の美女図鑑 (~8/20) @ 銀座かわうそ画廊  (銀座一丁目)
(開廊からしばらく、欲張って作品点数を増やしすぎてゴチャゴチャしていたが、ようやく落ち着いた。12人展。平松佳和さん “The Empress” に惹かれた。写実性が高いのに、映画の特殊映像のような色づかいがシュール。吉敷麻里亜さんの美女は新境地か。実在の女性を感じさせる 「立葵が咲く頃出逢った君を僕は忘れない」。)

250807  TOMOYAARTS 展 ~草むらの先に~ (~8/10) @ フォーラム・アート・ショップ内ギャラリー  (東京国際フォーラムB棟)
(鶴田智也さんの牧歌幻想画。ドラム罐型の古典的ロボットが長野県の田野にたむろする現代童画。やや描き込みすぎた作品もあり、寸止めの線をどこに置くかが課題。)

250807  Collection/Selection/Sale (~8/24) @ 不忍画廊  (日本橋三丁目)
(日本橋に引っ越してからの不忍画廊に初めて来た。DM に使われたムンクの銅版画 「水浴びをする子供たち」 に見入る。ムンクのテーマがひとつひとつの線に凝縮していて、油画よりもよほどいいと思った。画廊の方が出てきて 「うちの一番の財産です。ごゆっくり」 と言った。)

250807  Summer Show 2013 (~8/13) @ 日本橋高島屋6階美術画廊X
(ミヤマケイさんや松山賢さん、渡辺おさむさんなど旬な作家24人に、高島屋のシンボルフラワーの 「輪ばら」 の意匠 + アルファ の作品を作ってもらう、文字通りの “企画” 展だ。机上のトルソーを支持体にして描いた松山賢さんのヌード作品がよかった。四季彩舎で個展を見た安岡亜蘭さんから DM をいただいた。)

250805  星野道夫写真展 クマよ (~8/23) @ ノエビア銀座本社ビルギャラリー  (銀座七丁目)
(昭和27年生まれ、44歳のときカムチャツカ半島でのテレビ取材の折、ヒグマに襲われて死す。18年間アラスカで大自然と動物たちを撮り続けた人。星野さん死後に出版された写真絵本 『クマよ』 掲載の写真が今回の展示。神話的な存在のひとなのだな。死の経緯ははっきり分かっていないことがあるらしいが、熊への過度の信頼から小屋でなくテント野宿を選んだ傲岸さが、ぼくは苦手だ。)

250805 Dialogo ―Forma e Immagine―: Cecco Bonanotte + Alessandra Maria Bonanotte (~8/9) @ ヒロ画廊  (銀座六丁目)
(昭和17年生まれの彫刻家の、父・チェッコ氏の造形は、味のある人形の頭を画板中央に配し、イタリア語の詩を逆さ向きに書きつける。逆さに書いたのは、人形からの言葉であるかのような効果をねらったからだと画廊の係のひとは言うが、はてな。娘・アレッサンドラさんが父を撮ったポートレート写真との協演。)

250731  山下耕平展 (~8/3) @ ギャラリー58  (銀座四丁目)
(太い筆遣いの顔の大描き。過去ファイルを見ると、多彩な絵の遍歴で、なかに 炙り出しの色の 20人ほどの顔のドローイングを貼った屏風があった。それ、いい。)

250729  小野耕石 展 (~8/10) @ 養清堂画廊  (銀座五丁目)
(耕石さんの版画ならではの擬宝珠のような無数の突起物が、今回はメッシュを一段と細かくして (というか、原点に戻ったそうだけど) 玉虫色の布のような美しさ。画面の変化のつけ方もいい具合。)

250729  仙石裕美 個展 「めざめても、さめない夢を見ている」 (~8/3) @ Niche Gallery  (銀座三丁目)
(水のゆらぎ、虚飾をはぎとった人間のたたずみ。かと思えば、やや年をめした女性が目を見開き全裸で泳ぎ来る絵。謎をつむぐ美少女。)


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