仙台市泉区在住の健康オタクの気まぐれ日記

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歯槽膿漏(歯周病)について



 歯周病は、歯そのものではなく、歯を支える組織(歯肉や歯槽骨と呼ばれる骨)がかかる病気です。最初は歯肉が軽い炎症を起こす程度ですが、それを治療せずに放置しておくと病気はどんどん進行し、やがては歯を失ってしまうことにもなりかねません。実際成人が歯を失う原因の42%が歯周病といわれ、日本では、成人のほとんどは歯周病にかかっているか、その予備軍だと言われています。
 現在のあなたの歯ぐきの健康状態を知るためにも、まず歯科医院に行ってお口の中の健康診断をおすすめします。歯周病が進行すると、細菌が口の中だけでなく、全身を血行によって巡り、骨粗鬆症や糖尿病、さらには肺炎(60才以上の肺炎の99%)を引き起こす原因になると言われています。だからこそ、予防と早期発見・早期治療が重要なのです。

◆40歳を過ぎたら
口の中には、500種類以上の菌がいる。このうち歯周病を起こす菌は9種類前後とされる。歯周病菌は空気のないところで繁殖する「嫌気性菌」のため、ポケットができると空気に触れにくくなり、一気に増殖する。

東京医科歯科大の渡辺久・助教授(歯周病学)は「40歳を過ぎると、歯肉の歯周病菌に対する抵抗力が落ちて、炎症が起きやすくなる。さらに55歳くらいから急激に悪化し、歯が抜ける人が増える。40歳になれば、定期的に専門家のチェックを受けてほしい」と話す。

ぐらつく歯を固定した古代ローマ時代の頭骨が見つかるなど、歯周病の歴史は古い。昔から老化による避けられない病気と考えられてきたが、1970年ごろから、歯垢が原因になっていることなど、科学的に実態が解明されてきた。喫煙でニコチンが体内に入ると白血球の働きが悪くなり、歯周病菌による炎症が起きやすくなるほか、ストレスが免疫力を落とし、歯周病を悪化させることが分かっている。

また、最近の研究から、口から全身へ運ばれた歯周病菌が他の病気に関係しているとの見方が出ている。歯周病菌にある毒素が子宮にたまると、陣痛を促して早産につながる。血糖値を調節する「インスリン」の働きを邪魔する物質を作り出し、糖尿病を悪化させると考えられている。胃がんとの関係が指摘されるピロリ菌の増殖に関与しているとの研究結果もある。

東京歯科大の奥田克爾教授(微生物学)は、動脈硬化を起こした患部から歯周病菌を検出した。腹部動脈瘤(りゅう)の患者26人のうち、6人の患部から歯周病菌の一種の「スピロヘータ」が見つかった。心臓の冠動脈狭さくの患者51人でも5種類の歯周病菌が最大で24%検出された。

奥田教授は「ポケットが深い人ほど歯周病菌の検出率が高かった。歯周病が進むと、菌が歯肉を貫通し、血液に入りやすくなるようだ。歯周病だから必ず動脈硬化を起こすというわけではなく、さまざまな症状悪化の要因の一つとみられるが、歯のケアは健康維持のために重要だ」と話す。



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