ザ・スーパー・ポップ宣言

恋はあせらずトラック世界

「恋はあせらず」トラックの世界(1)
THE WORLD OF "YOU CAN'T HURRY LOVE" TRACKS (1)

YOU CANT HURRY LOVE.jpgYOU CAN'T HURRY LOVE 2.jpgYOU CAN'T HURRY LOVE.jpg


「恋はあせらず」トラック世界大会

「恋はあせらず」トラック世界大会 投票途中経過&投票一覧

YOU CAN'T HURRY LOVE (恋はあせらず) トラックの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6)

「恋はあせらず」トラックCDR

"YOU CAN'T HURRY LOVE"TRACKS WORLD CHAMPIONSHIP"



1966年のモータウンのヒット曲である 「THE SUPREMES / YOU CAN'T HURRY LOVE (邦題 恋はあせらず)」 のトラック(カラオケ)は、日本を含む世界中のポップスで使われています。「ダンダンダン、ダッダ、ダンダン」というパターンのあれです。明るく元気でノリノリなグルーヴはポップスの王様トラックと言っても過言ではありません。ここでは同トラックを使った曲(カバー含む)の中からスーパーポップと呼ぶに相応しい曲を紹介していきます。他にもこのトラック使用のポップな曲をご存知でしたら是非教えて下さい。また、情報の不備、誤りなどご指摘頂けますと助かります。その際は 【"YOU CAN'T HURRY LOVE"「恋はあせらず」トラック世界大会エントリー曲追加情報】 の記事に「返事を書く」形でお願い致します。(情報ご提供頂いた方々、どうも有難うございました。)

【 ポップ偏差値 75

楠瀬誠志郎 / CRAZY FOR YOU '92 作曲/楠瀬誠志郎 編曲/清水信之 「素晴らしい恋をしよう」収録
KUSUNOSE
この方のことは全く初耳だったんですが、山下達郎似でなかなか明るくポップなサウンドですね。能天気さではずっと上かな。全体のメロディはオールディーズだかクラシックだかはたまたジャズのスタンダードだったかで聞き覚えがある。うー思い出せない。出だしは「A NIGHT IN NEW YORK / ELBOW BONES AND THE RACKETEERS」の華やかさに通じるものが。以後展開される厚みのある音は素晴らしいですね。「素晴らしい恋をしよう」が副題的に歌詞に使われているんだけど、ちょっと気恥ずかしい。出来れば軽めの女性アイドル歌手にでも歌って欲しかった。これだけ濃いアレンジなので曲の構成ももう少しシンプルな方が良かったかな。ベースラインなどハリーラブ似ではないが、全体のドラムパターンなどから仲間入りさせてもいいと思います。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(分厚いハリーラブ) ポップ偏差値合計
10
10 8 8 8 8 10 8 5 75


【 ポップ偏差値 73

堀江由衣、倉田雅世、浅川悠、高木礼子、野田順子、雪乃五月、小林由美子 / 未来への贈り物 '01 作曲編曲五島翔
「ひなたガールズソングベスト ~ラブひな~」収録

love hina.jpg

アニメ・ラブひな声優陣?による「恋はあせらず」トラック。

アニソン・ポップ界には岩崎元是という緻密な音作りとその音楽性の高さにより当ブログ内 アニソンポップの世界 のチャート上位を独占している巨人がいますが、そういった玄人好みな音楽性とは離れた、誰にでも親しめる、本当の意味でのポップさという点においてはこの曲は文字通りアニソン・ポップ界の頂点に立つ作品と言えるでしょう。

基本は 「恋はあせらず」トラック で、ホーンを入れた厚めな音作りは同じハリーラブものの王様曲「楠瀬誠志郎 / CRAZY FOR YOU ('92)」に近いものがあります。更に幸せな空気を醸しだす鐘の音が鳴り響く所は同じくアニソン・ハリーラブ傑作曲の「GODDESS FAMILY CLUB / Congratulations!('93)」似です。

歌詞 に「ワンツースリー」、「アンドゥトロワ」、「おかしくて泣けてくる」等の表現が出てくる所やテーマが別れである点、にもかかわらずアップテンポで明るめの曲調で泣かせる胸キュンメロディ曲である所などは「キャンディーズ / 微笑がえし ('78)」を彷彿させます。というかこの曲は21世紀版微笑がえしと断言してイイでしょう。

静かな出だしから一転して快活なハリーラブになる箇所は王道パターンですが、更にサビで始まる点は珍しいパターンで、ウホッ!イイ掴み。おそらくは筆頭に歌手名がクレジットされている堀江由衣さんと思われる可愛らしい声も魅力十分。然しながら多人数編成ということで途中入れ替わり立ち代わりで歌声が変ってしまい集中して堪能出来ない点が惜しい。

青春時代の楽しかった日々を懐古し、仲間との別れに寂しさを感じながらも、明るい未来に想いを馳せる。そんな気持ちの揺らぐ瞬間を甘酸っぱく切ないメロディに乗せてあくまで元気一杯に歌い上げていく。しかもそれがポップスの王道トラック・ハリーラブでスピード感いっぱいで明るく元気で勢いがあることが実に魅力的であります。

「YOU TUBE」での試聴は 「Anime mix - The gift to our future」 で。
「ニコニコ動画」での試聴は 「アイドルマスター 未来への贈り物」 で。
残念ながらともに美少女アニメを主体とした動画になっていますので、その手のものが苦手な方は音だけに集中して聴いて下さい。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(甘酸っぱさ) ポップ偏差値合計
10
10 8 8 7 8 8 9 5 73


【 ポップ偏差値 72

THE CLASH / HITSVILLE U.K. '80 SANDINISTA!収録
SANDINISTA
「YOU CAN'T HURRY LOVE」トラックは数多いがこの曲のドラムの弾けた感じは特にポップでいい。続けて始まる子供中心の歌声が異色で驚いたがとても良い演出だ。子供中心の歌声は感情表現が豊かでないので、いい意味で感情の抑制が効き、ちょっと寂しげな歌詞によりリアリティを持たせるという絶妙な効果を生み出している。これが泣かせるのよねー。後ろの方でそんな子供をサポートするミックジョーンズの声もやさしくていい。全体に小さく響き続ける木琴?の音も郷愁を誘って涙腺を弛ませる。とてもポップなバックなのにこれだけ泣かせる曲も珍しい。静かな出だしで始まりいっきにハリーラブに突入というパターンはその後松田聖子版へと引き継がれていった。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(子供の歌声) ポップ偏差値合計
8
8 8 8 8 9 9 9 5 72


【 ポップ偏差値 71

PHIL COLLINS / YOU CAN'T HURRY LOVE '82
PHIL COLLINS YOU CAN'T HURRY LOVE.jpgPHIL COLLINS YOU CANT.jpgPHIL COLLINS YOU CAN'T HURRY LOVE PIC.jpg
数あるハリーラブカバーの中でも最大の成功がこの元ジェネシスのPHIL COLLINSによるカバーだろう。この曲のヒットの最大の要因は出だしの彼の歌いだし第一声の「I need love love ...」の部分によるところが大きいと思う。原曲よりも音程が若干高め(事実?)でかなり明るい感じがしたその時点でノックアウトされた諸氏も多いと思う。そんな感じで全編が単なるコピーではなく、彼独自の解釈で歌ったことにより曲自体の持つ新たな魅力を引き出すことに成功したといったところか。それとあの元genesisのフィルコリンズが、、、という意外性も受けた一因、なんてことはないかな。コーラス含めてこちらは完全男性版というのも面白い。もちろんシンプルながらも現代的なアレンジをうまく取り入れたところも大きなポイント。私は原曲よりもこっちのバージョンの方がずっと好きだな。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(独自な歌唱解釈) ポップ偏差値合計
9
8 8 8 9 8 8 8 5 71


【 ポップ偏差値 67

JAM / A TOWN CALLED MALICE '82 (POLYDOR)
JAMJAM RAINICHI 80.jpg
個人的に82年当時パンク系ビッグネームではクラッシュと比べてジャムはいまいち好きになれなかったんだけど、唯一この曲は好きだった。後にスタイルカウンシルとして素晴らしくポップな曲の数々を作っていくポールウェラーだけど、ポップという観点から言えばこの時点ではまだ成長途上だった。

ポップでモータウンフレイヴァーたっぷりなこの曲の聴き所はチープでキャッチーなオルガンのフレーズだ。もちろんリズムは流暢でスピード感も文句なし。他の同トラックと比べてシンプルな楽器構成でベースが強調されているのも良い出来となった要因だと思う。ジャムファンには悪いが、ポールウェラーの歌声よりもトレイシーウルマン辺りの能天気なヴォーカルのほうがよりポップな名曲となっただろうと思うな。画像2は80年の来日公演の模様。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(オルガン) ポップ偏差値合計
7
8 7 9 9 7 9 7 4 67


ROCKPILE / HEART '80「SECONDS OF PLEASURE」収録
ROCKPILE SECONDS OF PLEASURE.jpg
DAVE EDMUNDS & NICK LOWEということで流石にメロディラインが素晴らしいネ。軽快なリズムもゴキゲンなロックンロールです。全編に入る手拍子とタンバリンみたいな鈴の音はハリーラブの定番アイテムで華やかな雰囲気作りに効果満点。時折入るドラムロールがスピード感を醸し出しまくり。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ロックンロール) ポップ偏差値合計
8
8 8 9 8 8 7 7 4 67


【 ポップ偏差値 66

SUPREMES / YOU CAN'T HURRY LOVE '66 LP「SUPREMES A GO-GO」収録
YOU CANT HURRY LOVE180.jpgYOU CAN'T HURRY LOVE.jpgDIANA ROSS 2.jpg
1966年のモータウンのヒット曲である 「THE SUPREMES / YOU CAN'T HURRY LOVE (邦題 恋はあせらず)」 のトラック(カラオケ)は、日本を含む世界中のポップスで使われています。「ダンダンダン、ダッダ、ダンダン」というパターンのあれです。明るく元気でノリノリなグルーヴはポップスの王様トラックと言っても過言ではありません。

その特徴的な躍動感溢れるベースラインと鈴の音、軽快で乾いたドラム、「チャッ、チャッ」というギターのカッティングが歯切れの良さを演出しています。フゥーフゥーという高揚感あるコーラスは爽やかでちょっと濃い目のリードとうまく中和しあっています。もやもやしたギターや控えめなピアノはあまり目立たず、やはりこうしてあらためて分析してみてもこのトラックの魅力が「ベース&ドラムのコンビネーション、カッテイングギターと鈴の音」からなるなあ、と再認識させられます。

今年の7月15日で発表されてからちょうど40年が経過しますが、いまだ同トラック使用曲が毎年のように作られ、数多くのヒット曲を生み出し、更にはその子供、孫的曲をも生み出していく様は、世界一有名な種牡馬「NORTHERN DANCER」のそれのようであります。今後も数多くの音楽家の手により同トラック使用曲が脈々と作り継がれていくことでしょう。「恋はあせらず」トラックよ永遠なれ。

Edward Holland/Lamont Dozier/Brian Holland
PRODUCED BY B.HOLLAND/L.DOZIER (MOTOWN 1097) RELEASED JULY 15,1966
BASS GUITAR WAS PLAYED BY CAROL KAYE. AND SHE MADE UP THAT BASE LINE. IT'S BASED ON A SAMBA BEAT.
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(始祖曲) ポップ偏差値合計
7
7 8 8 8 8 8 7 5 66


ACE CATS / ROCKABELLA '84 「The Best Of The Ace Cats」収録

ace_cats rockabella.jpgace cats lp.jpg

ドイツのネオ・ロカビリーバンドのヒット曲。私はつい先日知りました。84年産ということですから、同じロカビリー系ヒットの「ROMAN HOLLIDAY / DON'T TRY TO STOP IT '83」と共通項を感じます。スピードのある「恋はあせらず」系の跳ねたリズムでベースラインなどにもハリーラブの影響が感じられます。出だしの明るい女性コーラスにノリのいい粋な男性ヴォーカルがイイ。ヘ、ヘイ、ヘイ!私は開始僅か10秒でノックアウトだったヨ。乾いた空気感、歯切れの良いギターカッティングに手拍子も加わりゴキゲンそのものっすね。こんなイカシた曲をこれまで知らなかった自分が恥ずかしい。個人的にどうもロカビリー系ポップには抜けが多い気がするなあ。どなたかロカビリー・ポップでオススメの曲教えてチョ!
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(恋あせネオロカ) ポップ偏差値合計
10
8 8 8 8 7 7 7 3 66


【 ポップ偏差値 65

OVER SKA DRIVES / はじめてのチュウ '07 作曲実川俊晴 「スカニメーションZ」収録

SKANIMATION Z.JPG

キテレツ大百科のオープニングテーマ曲のカバー。「アニメ名曲をスカ風味でカバーする」というこの企画CDのリクエストに基づいて作られた曲。OSDは大阪出身のバンドで本来スカなどを得意とするバンドのようですが、ここでは「恋はあせらず」トラックでのカバーをやっています。

原曲はメロディの出来の良さは認めるものの、記号的とさえ言える歌、サウンドで決してポップな出来とは言えないアニソン。それをここではスピードを速めノリノリなハリーラブ・リズムでグルーヴィーに仕上げた。流石スカ系バンドだけあってリズム感はバッチリで、スカ風なホーン、ドラムス、パンクっぽいヴォーカル、臨場感のある手拍子などが実に効果的に作用している。日本人の琴線に触れる原曲のメロディの良さを荒削りで黒っぽい「恋はあせらず」トラックに載せることにより絶妙でノリのイイ素晴らしいポップソングとなっています。(このカバー曲そのものはアニメで使われてはいません。)↓で試聴出来ます。

てってってーな「はじめてのチュウ」
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(妙味あるカバー) ポップ偏差値合計
8
8 7 8 9 7 8 7 3 65


広末涼子 / MAJIでKOIする5秒前 '97 作詞作曲/竹内まりや 編曲/藤井丈司 ストリングスアレンジ/服部隆之 (WARNER WPDV-7108)
HIROSUE MAJI
明るく元気一杯なトラック。出だしのドラムはわざと音割れさせているのか?迫力を出すのに良い効果だ。少年少女の初恋の頃の甘酸っぱい感覚がよく表せているね。広末涼子の最も人気があった頃で少女期の可愛らしい声も魅力。竹内まりやの歌うデモ版も存在し、山下達郎SSBでオンエアされた。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(音割れ効果) ポップ偏差値合計
8
8 8 8 8 7 7 7 4 65


サザンオールスターズ / 太陽は罪な奴 '96 作曲桑田佳祐 編曲サザンオールスターズ

SAS TAIYO.jpgSAS TAIYO2.jpgWATAONI.jpg

「原由子 / 恋は、ご多忙申し上げます '83」 「桑田佳祐 / 悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE) '02」 と同じで、桑田佳祐作曲の「恋はあせらず」トラック三部作の一つ。 「JET / Are You Gonna Be My Girl '03」 同様ギターとベースで同時にハリーラブ・フレーズを奏でるというパターンで、スピードを伴ったそのグルーヴはなかなかのもの。華やかなストリングスやグロッケンを入れたりと器楽のバランスの良さも流石メジャーバンドという感じで優等生的。加えて押したり退いたりとメリハリを付けた曲の構成、濃密かつ流麗な桑田メロディもイイ。歌詞も「高気圧、太陽、しぶき、まぶしい、灼熱」といった夏を思わせる明るく乾燥感のあるもので、曲全体の雰囲気もまさに真夏まっ盛りという感じですネ。途中に入る手拍子もハリーラブの魅力を知り尽くしてるナと思わず感心。

ところで、この桑田佳祐氏の発案と思われるロリータ・ジャケですが、その狙いは「週刊わたしのおにいちゃんのフィギュア」と同じ所にあるのでしょう。いけないオジサンですねえ、とまたまた感心。 ベスト・オブ「恋はあせらず」トラック VOL.2 (男性編) 収録作。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(バランス) ポップ偏差値合計
8
7 8 7 8 8 8 7 4 65


【 ポップ偏差値 64

Ike & Tina Turner / I'll Never Need More Than This '66「River Deep Mountain High」収録



創生期の音壁仕様ハリーラブ。「THE SUPREMES / YOU CAN'T HURRY LOVE」がリリースされたのが1966年の7月で、このアルバムが同年9月。そしてベースは同じく創始者のCarol Kayeなので、まさに純粋直系のハリーラブということになります。スピード感こそ感じられないものの、ティナ・ターナーの歌との相乗効果もありグルーヴ感はより黒く増していますね。そして何よりもフィルスペクターPによるウォール・オブ・サウンド仕立てで、エコー感、重量感、そして奥行きのある味わい深いサウンドとなっています。特に途中一瞬小休止が入る演出は素晴らしい。またストリングスが優雅に鳴り響く間奏部分も聴き所です。サウンドもゴージャスですがメロディも大仰で何やら壮大な世界観が構築されていそう。こういう曲、というかそもそも音壁とティナの大仰な唱法は相性がいいですね。是非爆音でお試しを。

「YOU TUBE」 で聴けます。(音悪いです。)
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(音壁ハリーラブ) ポップ偏差値合計
7
8 8 6 8 6 10 6 5 64


LALA♪LU / YOU&I -これがいいんじゃない?- '02 作曲浅田優美 編曲幡手康隆「LAST SEASONS」収録

LALALU.jpgCHOCOLATE KISS.jpg

恋愛アドベンチャーゲーム「チョコレート♪キッス」主題歌で「恋はあせらず」トラック。本作の1年前にリリースされたアニソン・ポップの頂点にして同じくハリーラブものの最高傑作 「未来への贈り物 / 堀江由衣、倉田雅世、浅川悠、高木礼子、野田順子、雪乃五月、小林由美子」 とかなり近いテイストを持つ。

多人数で交互に歌う形式などからも強く影響を受けたと推測できるが、声優陣含めて全体的に前者をマイナーダウンさせた感はある。構成がドタバタしているのと、歌声に統一感が無いこと、更にJポップの歌姫か何かと勘違いして演歌質ながなり声で歌い上げる者がいたりとマイナス面も目立つ。

然しながら、サビのキャッチーさ、スピード感、明るさ元気さなどハリーラブものとしての魅力は十分持ち合わせている。若い女の子の持つ瑞々しいエキスが弾けた隠れたハリーラブ名曲と言えるでしょう。(因みに「ニコニコ動画」で「榊原ゆい」のタグ追いをしていたら偶然発見した曲です。)

この曲のシングルリリース時のLALA♪LU(ララルー)のメンバーは、大塚麻恵、宮西乃愛、木村郁絵、新谷さや香、Hinano(榊原ゆい)、伊藤あすか、みなのふうこ、Aina、桜井紗良の9名のようですが、本アルバムでは7名のみクレジットされています。 「ベスト・オブ「恋はあせらず」トラック VOL.1 (女性編) 」 収録作。「ニコニコ動画」で試聴↓出来ます。(ヒント:画面に目の焦点を合わせない、、、。)

LaLa♪Lu(ララルー)YOUandI~これがいいんじゃない?~

比較的マイナーエロゲソング集26 の8分48秒のところから、おそらくこの曲のシングル・バージョンが聴けます。少し歌声やセリフ部分が違いますね。

なお、同じくハリーラブな 「KiraKira☆メロディ学園 / 大好き! '00」 は、このグループの母体となったグループの曲。作曲、編曲者とも同一で曲調もそっくり。おそらく歌っているメンバーも重複があると思われ、まさにこの曲の原型と言える内容です。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(瑞々しさ) ポップ偏差値合計
9
8 8 8 7 7 6 8 3 64


【 ポップ偏差値 63

GREEN DAY / STRAY HEART '12



「Foxboro Hot Tubs / Mother Mary '08」 の成功で気を良くした、アメリカの人気ロックバンド、グリーン・デイによるハリーラブ第二弾。原曲に近いシンプルなアレンジで、より聴きやすくなっていますね。特に跳ねた感じのギターのカッティングやドライブ感のあるベースが軽快さを醸し出しています。爽やかでちょっと甘酸っぱいメロディもイイね!こういった高品質な「恋はあせらず」トラックならばガンガン出して欲しいところです。

「YOU TUBE」 で聴けます。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(軽快で爽やか) ポップ偏差値合計
8
7 8 7 7 7 7 7 5 63


TRAVIS / SELFISH JEAN '07 「The Boy with No Name」



スコットランドのロックバンド、トラヴィスのハリーラブ。同じく「恋はあせらず」トラックである 「Iggy Pop / Lust For Life」 のイントロをサンプリングして出来たそうな。同曲よりもより原曲に近いグルーヴを感じさせる出来となっており、彼等のファンの間でも人気が高い曲らしいです。U2のようにヨーロッパの高緯度地方を感じさせる冷ややかさと、芳醇な香りのするギターを中心としたサウンドは美味。ちょっと哀愁がかった落ち着いた大人の雰囲気とハリーラブのノリの良さが程よくマッチし、実に味わい深い作品になっています。

「YOU TUBE」 で聴けます。なお、 ライブ版 では、「JET / Are You Gonna Be My Girl」風にハリーラブ・フレーズをギターで奏でており、少し違った趣きに。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(欧州風味) ポップ偏差値合計
7
7 7 7 8 7 8 7 5 63


GODDESS FAMILY CLUB(井上喜久子 冬馬由美 久川彩) / Congratulations!'93 安田毅作曲編曲
GODDESS 2.jpg
『OVA ああっ女神さまっ』から誕生したGODDESS FAMILY CLUBの3人(井上喜久子・冬馬由美・久川彩)によるナンバーとのこと。サウンドはゆるやかな「恋はあせらず」トラックでベースラインが同じだが、タンバリンが無いこと、ゆったりとしたグルーヴであること等からハリーラブ特有の跳ねた感じ、スピード感は全くない。

が、この曲の真骨頂はそこにあらず。歌詞が教会/結婚式ものなので、鐘の音を多めに使用した華やかなアレンジと幸せ感に満ちたメロディ、曲調にある。「教会の鐘の音」と言えば甘茶ソウルファンならば「FANTASTICS / THE BEST OF STRANGERS NOW」で鳴り響く鐘の音に胸キュンしないものはいないだろうが、この曲は将にそういったDNAに直接訴えかけるかのような何かを持った「教会の鐘の音」マニア必聴トラックと言える。(どなたかこういった鐘の音を使ったオススメ曲がありましたら教えて下さい。)

歌の基本は三人の声優さんによるユニゾンで時折交互にソロパートが入る感じが楽しい。流石声優さんだけあって皆さん適度なフェロモンが漂い、声質も良く、更にオタク男心をくすぐる歌唱、発声法のツボを押さえてる感じ。うーん、かなりキマスね、これは。明るい陽射しをいっぱい受けた幸福な感じ、そしてちょっとホロリとさせるストーリー性のある歌詞もなかなか良い。

「ああっ女神さまっ ORIGINAL SOUNDTRACK VOL.1」などいくつかのCDで聴ける模様。「http://www.gfc-best.com」というCDにはこの曲のadd strings versionというものが入っているようなのですが、どんなもんなんでしょうか?ポップという観点からすると点数は低くなりますが、個人的には大好きな曲でオススメです。

「YOU TUBE」で この曲 が試聴出来ます。実際の曲の長さは4分23秒ありますので、気に入られましたら是非CDでも聴いてみて下さい。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(教会の鐘の音) ポップ偏差値合計
7
6 7 5 7 10 8 8 5 63


PRINCESS PRINCESS / DIAMONDS '89
PRINCESS PRINCESS  DIAMONDS.jpg
ハリーラブとしてはかなりテンポ速いです。あちこちで耳にしてたヒット曲だけど、あらためて聴いてみるとさすがヒットするだけのメロディは確保されていますね。この青春強要ソングにどれだけ感情移入できるかが楽しめるかどうかのポイントと言えましょう。ただアレンジは単調で不満が残りますね。テンポが速いからかベースが全く死んでるし、、、。まあそれだから一般受けしたとも言えるでしょうが。PHIL COLLINS版のような曲を作りたかったとのメンバーのコメントがあるようです。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(速いテンポ) ポップ偏差値合計
8
8 8 8 6 7 6 8 4 63


竹内まりや / MAJIでKOIする5秒前 '97 作詞作曲/竹内まりや 編曲/藤井丈司 ストリングスアレンジ/服部隆之 未発売
TAKEUCHI HURRY LOVE.jpgTAKEUCHI 3.jpg
明るく元気一杯なトラック。出だしのドラムはわざと音割れさせているのか?迫力を出すのに良い効果だ。メロディも少年少女の初恋の頃の甘酸っぱい感覚がよく表せているね。この竹内まりやの歌うデモ版は山下達郎サンデーソングブックでオンエアされた。広末涼子版は彼女の最盛期の可愛らしい歌声が魅力だったが、この竹内まりや版は円熟した歌のうまさは伺えるものの弾けるような若さは感じられない。(ジャケット画像はあくまでイメージです。下手すぎてゴメン、誰か作り直して下さい。)
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(音割れ効果) ポップ偏差値合計
7
8 8 8 8 7 7 6 4 63


GOLDSTONED / baby baby baby '00 「Ready Steady Goldstoned LP 3」収録

Ready Steady Goldstoned LP 3.jpg

ギターポップ版ハリーラブ。スタイル・カウンシル的なブルーアイドソウル的側面も持った一人のドイツ人によるユニットらしいです。確かにここで聴ける熟成された甘みのあるメロディはそれっぽく個人的にも実に好みのタイプ。更にドイツっぽいインダストリアル/ノイズバンド風な冷ややかさと湿り気のある空気がしっとりとした高原の風のようで心地よい。ヴァイブがコロコロと響く様も可愛らしくて気持ちイイ。一聴すると地味でハリーラブ的弾け度も低めだけど、ポップさと玄人受けしそうな高い音楽性が共存した素晴らしいトラック。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(ギターポップ) ポップ偏差値合計
6
6 7 7 8 9 8 7 5 63


斉藤和義 / 歩いて帰ろう '94 作曲斉藤和義 編曲斉藤和義/松尾一彦
SAITOU KAZUHIKO.jpg
「ポンキッキーズ」メロディ。最初のベース部分を(ヘビメタ風)ギターで奏でるのは一つの典型のような気がします。要調査、体系化ですネ。直後のオルガンやピアノを主体とした厚めの導入部には相当期待で胸が高鳴りますが、その後は意外とあっさりした作りで残念。あのまま突き抜けて欲しかったヨ、、、。とはいえ全体のタンバリン風に聴こえるドラムスは楽しく軽快でなかなかの出来。最大の魅力は泣きの入った胸キュン要素入りメロディで、ちょっとホロリとさせる。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(泣きのメロディ) ポップ偏差値合計
6
6 8 7 8 9 7 7 5 63


MAKIN' TIME / HERE IS MY NUMBER '85 「RHYTHM AND SOUL」

MAKIN' TIME 1ST.jpgmakin' time here is my number.jpg

イギリスのネオ・モッズ・グループの1STアルバム「RHYTHM AND SOUL」収録の「恋はあせらず」トラック曲。従って同じハリーラブな「THE JAM / TOWN CALLED MALICE '82」の直系の後継曲という位置づけになりますね。12インチ盤も出ていてそちらはロングバージョンとなっているらしいです。

ドラムとギターカッティングを主体としたリズムは速く、これは如何にもクラブ映えしそうな内容。逆にハリーラブ・ラインを奏でるベースは早急過ぎてグルーヴ感が損なわれた感は有ります。モッズ系ということで万人受けするキャッチーさは欠けるものの、ネオアコ/ギターポップバンドなどに共通するイギリスの若者特有の酸味がかった瑞々しくも芳醇な味わいのメロディが美味。男性ヴォーカルに時折り女性ヴォーカルが絡むというスタイルはハリーラブものには珍しいパターンで、いいアクセントになってますネ。 こちら でPVが見れます。

橋本徹氏選曲の非売品CDR MOTOWN FLAVOURS & RARE TAKES ベスト・オブ「恋はあせらず」トラック VOL.2 (男性編) にも収録されています。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーブ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(男女ヴォーカル) ポップ偏差値合計
8
8 6 9 7 7 7 8 3 63


BLUE ANGEL / MAYBE HE'LL KNOW '80 「BLUE ANGEL」収録

BLUE ANGEL (CYNDI LAUPER).jpg

CYNDI LAUPERが大ブレイクする以前に在籍したグループの軽快なポップス。山下達郎もSSBでオンエアした。亜種トラックだが、出だし部分など魔改造ハリーラブ!てな感じでいろいろいじって工夫した様子が微笑ましい。その後の基本サウンドも鈴の音入りドラム類、ギターの躍動感やベースの重量感などロカビリーをベースにしていながらかなりハリーラブの影響が感じられて良い。シンディローパーのキャラも相まってかなり能天気で明るく元気で好感が持てる。この曲は「Girls Just Want to Have Fun」でブレイク後、86年に再演してるのだが、そこではロカビリー色は無くなりサウンドも迫力に欠けハリーラブ色も薄まりつまらない内容なのでご注意を。売れ線を狙うというのはこういうことなんだねえ。
明るく元気 テンション 高揚感 疾走感 グルーヴ メロディ 器楽 瑞々しさ ボーナス(能天気ロカビリー) ポップ偏差値合計
9
8 7 7 7 6 8 7 4 63










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「恋はあせらず」トラックの世界(2)

THE WORLD OF "YOU CAN'T HURRY LOVE" TRACKS (2)










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