小樽水族館

トド
北海道小樽市祝津三の小樽水族館に流れ者のトドがいる。日本海から柵を乗り越えてトド池に侵入し、そのままボスになったガンタロウ。目付きが悪く、多度も大きいので職員がこう名付けた。 でもどこか憎めない。文句言われても平気で餌を横取り「ほら餌だよ」。子供たちに餌のホッケを与えようとする。ガンタロウの池にはトドが外にも五頭。その餌をガンタロウが横取りする。「またあの大きいのに取られた」「あんた食べ過ぎ」どんんに文句を言われようがお構いなし。口をあけて「グエー」と次ぎの餌を要求する。一年前にはまだ、少しは節度があったが、だんだんと偉そうに生ってくる。 体重は約900キロ推定年令は13~14歳。ガンタロウが小樽に来たのは1997年末だ。職員がトド池で見つけた。高さ1.5メートルの柵を越えてきた。体に魚網が食い込んで血だらけ。首がちぎれそう。職員は懸命に治療した。 ボスの座をつかんだのは2001年。それまでのボスに戦いを拒み、瀕死の重傷をおわせた。それから子作りを始め、2003年に初めて三頭の子供が生まれ、今年も二頭が誕生した。最近ではないベビーラッシュだ。「水族館は近親相姦になりがちなので、野生の血は貴重です。今は生きたトドを取る人がいなくなったので、たすかりました」と言う。こんな水族館は全国どこにもない。本当にきが気が弱く「そこが魅力的」ガンタロウの頑張りもあって、同館にはトドが今18頭いる。国内最大だ。最近は、国内だけでなく、大型水族館ブームノアジア各地の水族館から「トドを譲って」と頼まれる。2003年は三頭は三頭を中国に譲った。態度が悪いガンタロウだが、本当は気が弱く、寂しい有がり屋だ。トド池で雌に相手されないと、おろおろしてしょんぼりしてしまう。「そこが魅力なんですよ」と職員たちは口をそろえる。客には不評のガンタロウだが、いまや水族館にはなくてはならない存在だ。


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