ホシミスト3013の天体撮影記

ホシミスト3013の天体撮影記

2017年01月22日
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カテゴリ: 銀河




 CMOSセンサーで、1/2.8サイズのセンサーに1936×1096ピクセル
 という解像度です。

 CCDに比べ、CMOSは、当初は性能が落ちるものが多かったので
 評価が低い傾向にありますが、
 CCDは、撮影データを画像として組み立てるのに、
 いくつかのパーツを通過させなければならないのに対し
 CMOSは、それ単体で画像に仕上げてしまうため、
 (微妙に違いますが、ま、おおまかそんな感じと思ってください)
 転送速度がCCDに比べ、早い!
 というメリットがあります。

 また、CMOS自体が一つのチップとして扱えるために
 CCDよりも高密度にセンサーが配置できたり、
 また、改良のスピードも速く、
 現在ではCCDと少なくとも遜色ない、というレベルになっている・・・
 のだそうです。
 (以上、CMOSとCCDの違いの知識の、斜め読み&生兵法)

 なるほど、それで、最近は動画撮影カメラはCCDからCMOSに移行し
 解像度がべらぼうに高く(以前私が使っていたDFKは640×480ピクセルでした)なった
 というわけですね。

 1936×1096ピクセルの画像、というと
 私がかかわっているSNSは、画像の一辺2048ピクセルが投稿の上限ですし、
 それくらいの解像度があれば、A4サイズに引き伸ばしても違和感はありません。
 それに、動画として何千、というコマ数を扱うにはやや重いデータ量ですが
 DeepSkyStackerで、何百枚、というデジイチの静止画像をスタックするのに比べたら
 (EOS Kiss は5184×3456ピクセルですから)
 はるかに軽く処理ができちゃうわけですね。

 それに、センサーサイズは、
 EOS Kiss シリーズはAPS-Cサイズの23.6×15.8mm
 ZWO ASI290MCは1/2.8サイズ。
 調べたところによると、1/2.7サイズが5.3×4mmとのことですので
 APS-Cの4倍以上の長焦点化(35mmフルサイズに対しては約6倍)
 ということになるわけです。

 さて、それだけ焦点距離が伸ばせると、どういうメリットがあるか、というと、
 普段は小さく小さくしか写すことのできない、銀河や惑星状星雲を
 望遠鏡を巨大化させなくても、より拡大して撮影できる、
 ということです。

 たとえば、私の持っているシステムで最もシャープな光学系は、
 口径16cmのニュートン式反射望遠鏡、MT160です。
 これは直焦点で焦点距離1000mm(F6)になります。
 これにEOS Kiss X4を装着して撮ることを考えたら、
 ASI290MCだと、4000mm相当、ということになります。

 こうなると、M101のような大きな天体は
 画面に収まらず、はみ出してしまいますね・・・

M101中心部
M101中心部 posted by (C)ホシミスト_3013

 M101は1500mmで撮影したって、これくらい大きく写せますから
 (実際は770mmで撮影し、1540mm相当にトリミングしたもの、と考えてください)

M101 2016.02/06
M101 2016.02/06 posted by (C)ホシミスト_3013

 もしEOS Kiss X4で4000mmの画像を撮ろうとすると、
 F6と同等の明るさで考えたら、口径が60cmは必要になります。
 60cmのニュートン反射を考えたら、これはもう天文台クラスのものです。
 もっとも、EOSKissはASI290より、センサーの解像度が約7倍多いですから、
 トリミングで対応できると考えて、焦点距離2.6分の1、1600mm相当でもOK
 ということにはなりますが・・・
 だとすれば口径30cmでも何とかなる。

 しかし考えてみてください、口径30cmのニュートン反射を取り回すのに、
 どれだけ大きな赤道儀が必要か、を・・・

 16cmのニュートン反射で、30から60cmの望遠鏡に相当する画像が撮れる!
 なんと手軽に撮影できる時代になってしまったのでしょう!!

 さて、次に心配になるのは、
 そんな4000mmもの焦点距離を、星が点に写るようにガイドするのは至難の業!
 ですよね・・・

 ところが、
 CMOSセンサーは高感度ですから、フィルム時代は30分とか40分とか
 長時間の露光を必要としていましたが、
 なんと15秒とか、そんな短時間でもそこそこ写ってきます。
 15秒くらいなら、ガイドしなくったって、点に写るんじゃないですか??

 いやいやガイドのずれだけでなく、ギアのかみ合わせで起きる小さなぶれは
 どうしようもないでしょう??と思われますか??

 じつは、そこは、デジタルの強みで、
 画像処理の際にKappaSigmaClpping(DeepSkyStackerではそう呼ばれています)
 という方法を選べば、統計的に異常な明るさ、
 つまりは、人工衛星などのように、多数あるコマの中で1コマしか写っていないような光
 は消し去ってくれます。
 ときどきあるいは不規則にガイドがずれる現象は、
 統計的に光が集中する部分だけを残して消してくれますので、
 ある程度はガイドエラーをキャンセルできるんですね。

 たとえば、
 M51を撮影した時のベストフレームはこれ(DeepSkyStackaerが勝手に選んだものです)
DSSが選ぶベストフレーム00000007
DSSが選ぶベストフレーム00000007 posted by (C)ホシミスト_3013

 逆にワーストだったのはこれ
DSSが選ぶワーストフレーム00000190
DSSが選ぶワーストフレーム00000190 posted by (C)ホシミスト_3013

 ワーストの方は、ずいぶんピリオディックエラーか、風による振動か、で
 星が流れて写っていますよね・・・
 これでもKappaSigmaClippingで画像処理を行うことで、
 それなりにガイドが成功しているように、処理されてくるんです。

 しかし、高感度であるなら、ノイズも増えるんじゃないか??
 そう思いますよね??
 私だって、一枚画像を見た時は、こんなもんまともな天体写真になるわけがない、
 と思いましたよ・・・
 でもね、画像処理をすると、
 上の一枚画像から、こんな画像になるんです。

01-06-06-Autosave001-360FrH
01-06-06-Autosave001-360FrH posted by (C)ホシミスト_3013

 そもそも、デジイチでの画像だって、
 フィルムと違って長時間露光すればノイズはわらわらと浮かび上がってきます。
 デジタルでの天体写真はそのノイズとの戦いは避けて通れませんよね??

 で、コンポジットという方法で、ランダムに出てくるノイズを平均化して
 ノイズを減らしていくわけです。
 1枚より2枚ならノイズは2分の1、さらにその2分の1にするには2の2倍の4枚をコンポジット
 4枚コンポジットした画像のさらに半分のノイズに減らそうと思えば4の2倍の8枚
 という感じです。
 コンポジットを増やせば増やすほどノイズは減り、
 ノイズに埋もれていたシグナルが浮かび上がってきます。

 20枚スタック(15秒露出×20=5分)だと、どれくらいのノイズかというと
01-03-01-Autosave001-20Fr
01-03-01-Autosave001-20Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 50枚(12分30秒)だと
01-03-02-Autosave001-50Fr
01-03-02-Autosave001-50Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 100枚(25分)だと
01-03-03-Autosave001-100Fr
01-03-03-Autosave001-100Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 200枚(50分)だと
01-03-04-Autosave001-200Fr
01-03-04-Autosave001-200Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 だいたい私の場合、1対象1時間を目安にしていますので
 ここまでノイズが減ってくるわけです。
 でもたいてい、1時間じゃ短い、と言われるんですよね・・・

 さらに枚数を増やして300枚(75分)だと
01-03-05-Autosave001-300Fr
01-03-05-Autosave001-300Fr posted by (C)ホシミスト_3013


 今回撮影したすべてのフレーム360枚(90分)だと
01-03-06-Autosave001-360Fr
01-03-06-Autosave001-360Fr posted by (C)ホシミスト_3013


 枚数が増えたら増えただけ、ノイズが減ることがわかりますよね??
 200枚から先はそんなに変わらない、と思われるかもしれませんが
 こういう天体写真は、もっとコントラストをつけたり、
 もっと彩度を上げたりしますから、
 この時点でのわずかなノイズの差は、処理によってどんどん増幅されます。
 たとえば、ほんのちょっとコントラストをつけただけでも、
 200枚では
01-05-04-Autosave001-200Fr
01-05-04-Autosave001-200Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 360枚では
01-05-06-Autosave001-360Fr
01-05-06-Autosave001-360Fr posted by (C)ホシミスト_3013

 と、ずいぶんノイズの感じが違ってきます。

 センサーサイズの小さな高性能CMOSが出現したことによって
 手軽に銀河が撮影できるようになってきました。

 しかし、その手軽、という意味は
 より小型軽量の望遠鏡システムでも、大型の望遠鏡と遜色ない画像が撮れる
 しかも、オートガイドなしでも、
 15秒間ガイドが大きくずれることが「少ない」システムなら
 非常に困難を極める超長焦点のガイドを成功させなくても、撮影可能
 という意味であって、

 その代わりたくさんのコマ数を撮る必要がある、
 つまり1枚当たりの撮影時間は非常に短くできても、
 総じての撮影時間は長く必要である、
 ということでもあるんですね~~。

 (最初のM101の画像は撮影中に雲に覆われ、50コマそこそこくらいしか
 コマ数が稼げなかったものなんです、なのであれほどノイジーな仕上がりなんです)

 しかし、このような長焦点となると、光害の影響を受けにくくなり
 またわずかな光の差をコンポジット(スタック)することによって増幅できるので
 光害のない郊外に出掛けなくても、
 我が家の庭で楽しむことができるわけです。

 特に銀河のように、可視光で光っている天体については
 Hα線やO3線といった光だけを透過し、他の可視光線を大幅カットする
 光害カットフィルターを装着しての撮影は
 無効どころか、可視光線をカットする分銀河自体が写りにくくなってしまうので
 推奨できません。

 超長焦点にすることで自宅からは無理だと思っていた銀河が狙える、というのは、
 とてもうれしいことですね~~。






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最終更新日  2017年01月23日 08時30分34秒
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15年ぶりに趣味の世界に帰ってまいりました。はたして天体写真の腕が上達するのか?その足跡を残しておきたいと思ってはじめたブログです。
最近は、DeepSkyStackerというフリーソフトを使えるようになり、画像が格段によくなってきましたが、その分庭からでなくなってしまいました。暗いとはいえ住宅地からどれくらい星が写せるのか、も見ていただけたら、と思います。
なお、梅雨など、星が写せないときには遠景や花など、節操無くアップしますのでご容赦を。
(^^ゞ

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