ホシミスト3013の天体撮影記

ホシミスト3013の天体撮影記

2019年01月07日
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本来仕事始めの1月5日に出張が入ったため、本日が仕事始め。
 疲れました~~(*≧m≦*)

 実は念願のガクルックスを目で見られたこと、画像に残せたこと、で
 バーンアウト・・・燃え尽き症候群になりかかりました。
 ところがです。
 もうすでにご存じの方もいらっしゃると思いますが
 今回のアケルナル撮影とガクルックス撮影を
天文リフレクションズでピックアップ していただきまして

 歳差によって立場が逆転し、
 ガクルックスの方がアケルナルより高度が低くなっている、
 という記事にまでつながってしまいました。

 記事中に私が何かを指摘したことが書いてあって
 読み方によっては、「歳差によって」高度が逆転したことを私が指摘したように
 読めなくもない様相を呈していますが、
 私が指摘したのは、
 「今は」ガクルックスの方が高度が低いようですよ、
 ということだけです。
 正直そのやり取りをしている間、歳差のことはすっかり忘れておりました(^^ゞ

 実は、当地の星仲間であるYさんが

 2004年と2014年にアケルナルを撮影され、
 高度がこんなに違う、と歳差による変動を指摘されていました。
 昨夜、その画像を提供するから、
 今回撮影した画像とコンポジットしてみてくれないか?との連絡がありました。
 で、そのYさんとわたくしHさんの合作がこちらの画像になります。






(フォト蔵)
アケルナルの位置変化とガクルックス
アケルナルの位置変化とガクルックス posted by (C)ホシミスト_3013

 歳差によりアケルナルの見える位置は少しずつ高度が上がってきています。
 気象条件の違いによって「大気による浮き上がり効果」もその時々で違うそうですから
 正確に高さを表現できているわけではないのだそうですが、
 少なくともアケルナルの高度が上がりつつある傾向、は間違いないですね。
 2004年のアケルナルは2019年のガクルックスよりも高度が低かった
 ということに関しては、その「大気による浮き上がり効果」なるものの影響もあるので
 一概には言えないそうです。
 (私はまだその「大気による浮き上がり効果」の理屈がわかっていません)

 さて、歳差によってアケルナルの高度が上がってきていることは
 このYさんの報告で知ってはいたのですが
 問題なのはそこで大きな誤解をしていたことです。
 恒星同士の位置関係は恒星の固有運動による変化はあるものの
 10年や20年という単位では、70mmの焦点距離でわかるほど大きくはありません。
 この際その固有運動のことは無視して考えることにします。

 アケルナルの高度が上がってきているということは
 恒星間の位置関係は変わらないはずだから
 ガクルックスの高度も上がってきている、と思いこんでしまったのです。

 (ハレー彗星で有名なエドモンド・ハレーさんが、アルクトゥルスの位置を観測したところ
 1800年前の記録とはずいぶん違う{1°違ったそうです}ということに気付き
 恒星の固有運動が発見されました。
 銀河の中で恒星はお互いに位置関係を変えずに存在しているのではなく
 銀河面に対しての上下動や、銀河内を移動してゆく方向などが
 それぞれの恒星で違っている、というのが恒星の固有運動です。
 生まれた年代がほぼ同じで、スペクトル分析も同じ、の場合、
 その恒星間の距離が離れていても、同じ場所で生まれた星
 元は星団だったのが少しずつ離れて行ったのでは?と考えられる条件として
 固有運動が全く同じ、ということが必要になったりします。
 またプラネタリウムに行くと今見えている星座は10万年後にはこんなに形が変わる
 とか紹介されるのは、この固有運動があるためです。
 しかし、あれほど他の星とは大きく違う高速で移動が確認されている
 アルクトゥルスでさえ、1800年で1°ですから
 アケルナルも結構位置が変わっていることが記録に残っている星とは言え
 わずか15年では、70mmレンズ程度では違いはわからないですよね(^^ゞ)



 そこに 天文リフレクションズ編集長さん の、
 ガクルックスはより高度が低い方向に、
 アケルナルはより高度が高い方向に移動している、との情報で
 (?。?)となってしまったのです。

 天文リフレクションズにアップされているグラフを
 心の広い編集長さんのお許しを得て拝借しました。
 注釈は私が書き加えています。





 ガクルックスとアケルナル、なぜ違う方向に動くのでしょう??
 考えてみたら当たり前でした(^^ゞ
 アケルナル の赤経は01h 37m 42.8S
 ガクルックスの赤経は12h 31m 10.0S (いずれも2000年時点)
 経度は一周24時間であらわされていますので、
 地球を挟んでほぼ真反対の方角にある、ということを意味しています。
 地球の自転軸は約23.4°傾いていますが
 歳差というのは独楽が首を振るようにその回転軸がふらふらとぶれること、
 だいたい円を描いてぶれますね。
 地表に対して自転軸は超巨大地震でも起きなければその軸がぶれることはないので
 南極点・北極点の位置はずっと同じですが
 その軸が指す方向は歳差(首振り運動)により変わってしまいます。
 今は北極星が北極方向に見えていますが
 これから1万年もたつと、ベガが北極の位置にくる
 というのが歳差による変化です。
 その歳差の1周は、2万5千8百年、とされています。

 そのふらつきにより高度が変わってくるわけですが、
 軸が倒れて行く方向の星はだんだん上に見えるようになっていき
 倒れて行く方向の反対側は下にさがってくる、
 そういうわけでしたね(^^ゞ





 もっと単純に考えたら、
 同じ緯度の星で経度が90度ずつ違う星を地球上から観測したとします
 地球の自転によって
 西側の星はどんどん高度が下がるのに
 東側の星はどんどん高度が上がる、
 そして南中している星の高度はほとんど変わらない、
 ということと同じですね。
 西側にあるのがアケルナル、東側にあるのがガクルックス
 南中しているのがカノープス、
 と考えたらぴったりですよね・・・
 あ、余計わからなくなった??(^^ゞ

 今回の画像、
 2004年のアケルナルの方が、2019年のガクルックスより下方に見えています。
 グラフ通りならほぼ同じ高さになるはずなのですが
 撮影機材の違いによるレンズの球面収差の違いや
 大気による浮き上がり効果の違い、が原因なのかもしれません。
 なので、5年ほど後に同じカメラ同じレンズで撮影し
 この二つの天体の移動方向の違いを可視化するように
 と、Y師匠から宿題をいただきました。

 ガクルックスを撮って満足して燃え尽きている場合ではない、
 というわけですな(*≧m≦*)





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最終更新日  2019年01月07日 22時04分20秒
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15年ぶりに趣味の世界に帰ってまいりました。はたして天体写真の腕が上達するのか?その足跡を残しておきたいと思ってはじめたブログです。
最近は、DeepSkyStackerというフリーソフトを使えるようになり、画像が格段によくなってきましたが、その分庭からでなくなってしまいました。暗いとはいえ住宅地からどれくらい星が写せるのか、も見ていただけたら、と思います。
なお、梅雨など、星が写せないときには遠景や花など、節操無くアップしますのでご容赦を。
(^^ゞ

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