逆襲のtransit

逆襲のtransit

2013/02/16
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恥ずかしながら現在、彼女と大絶賛ケンカ中である。

今までの恋愛がそうであったように、一時の感情に任せてお別れしてしまうのは至極簡単だ。

しかし一度壊れてしまった関係は

二度と壊れる前のカタチに、戻す事は出来ない

だからこそ今一度、大切にしなければならない

なぜならば俺たちはまだ

壊れてしまう、前なのだ







俺が門司港から去る事を決意した背景には、梶田氏とのボタンのかけ違いがあった。

ただ俺がかつて確かに抱いていた彼へ対する一方的な尊敬であったり憧れであったりする感情はこの一事を以って完全に砕け散り、俺の心の底で今も鋭利な切れ口を晒している。
触れれば容易に心傷つけてしまうこの思い出の栞を引く事は、今しばらくできない。

しかし胸中吹き荒ぶ苛烈な暴雨風に堪え忍ぶ術を、今回の旅で再会を果たした『ひむかの郷』の吉田先生は

「起こった事をあるがままに受け入れること」

と教えてくれた。
そしてこの旅に出る数日前、女手一つで子供二人を育てた日々を振り返りながらお袋は

「幸せじゃなかったら、辛かった事を笑って思い出せない」

と語った。
前述した通り、一度壊れてしまった関係が壊れてしまう前の姿に戻る事など決して無い。
彼が以前の様に憧れや尊敬の対象になる未来は、俺の人生に於いてもう二度と訪れないだろう。
梶田氏本人もまた、別段それを望んではいまい。



しかし人生の師とも呼べる吉田先生やお袋が、この決定的な局面に於いてピンポイントに授けてくれたそれぞれの言葉を、旅という名のか細い糸で不器用に縫合すれば、結局は

「全ては時が解決する」

という、もはや初等哲学と呼ぶことすら躊躇ってしまう普遍的な格言へと収斂されてゆく。

触れれば傷ついてしまう心の破片の冷たく鋭利な切れ口は
人生の四季に遅々たる風化を受けて丸くなり

キラキラと美しい、記憶の宝石となるだろう

俺と梶田氏が以前の様な関係に戻ることは無くとも
いつの日かその宝石の物悲しい輝きと
お互いの若い過ちを苦い肴に
酒の一杯も酌み交わす日はやってくる



門司港の親友大ちゃんは、この旅を

「門司港にケリをつける旅」

と、半ば残念そうに評した。

漏らす吐息に幸せを小さく逃がしながら語られる

彼の物憂げな感慨に誤謬を差し挟むつもりは毛頭ない

彼の言うとおり今回の旅で、俺の門司港にケリはついた
そして門司港で俺と梶田氏との間に起こった出来事を通し
俺の人生は結果的によりよく、そして確実に加速した
あのドロドロとしたクソッタレの過去へ戻って
もう一度あそこから人生をやり直したいなどとは
今は毛程も思わない

「大阪…こんか?」

今回の旅の終わりを決意した門司のマクドナルドで
小倉社長から突然頂いた電話とその驚くべき提案は
運命論者である俺をそう納得させるに、大いに力ある内容であった

ー 間違いない ー

如何な喜びも悲しみも
全てはイメージする最良の未来へと
美しく、繋がっている
大阪を拠点に向こう一年
志を果たすため日本全国をドサ回りするのもまた
…旅人中林あきおの、生き方だろう









いよいよ訪れる俺の人生のクライマックスには

今別離の分岐に立つ彼女が必要だ

ならば俺は今までの流儀を捨て

投げ出すのではなく

呑み込むのではなく

もう一度、彼女とやり直す努力をしてみよう



短く長い間、俺の兄貴分だった梶田氏は

最後の最後に身を持って

愚かな弟に教えてくれたのかもしれない



いいかあきお

俺たちがそうだったように

本当に大切な人との関係を

一時の感情で簡単に




…壊して、しまうなよ



ってね












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Last updated  2013/02/16 11:03:53 PM
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