飼ってはいけないマンションのほうで
猫のチャタローは住んでいるのだけど、
もちろん出たがって困るときがある。
玄関の手前の内扉を開けようとするので注意するとすぐやめる。
不承不承という感じだ。
従う代わりに、
部屋の真ん中で仰向けになって柔軟体操?して見せる。
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猫にも気持ちはあるのだ。
まして、
人間は気持ちの塊みたいな生き物だ。
気持ちでよくもなればわるくもなる。
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いつだったか
星野ジャパンが期待を裏切って脆い負け方をした。
あの時チームの空気が負けそうな空気に見えた。
この夏阪神タイガースがリーグ優勝を逃す敗戦をした日も、
勝てなさそうな空気感があった。
僕はどちらも監督の選手起用に背景があったと感じている。
勝つ能力があっても、
気持ちで能力を発揮できない結果になるのだ。
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実は僕は政権交代でもそれを感じている。
それはほとんど想像ではあるけれど、
人はそういうものだからだ。
政権交代は、
あまりの長期政権から権力をはがす必要があったからだけど、
中身としては官僚機構への戦いだった。
自民党をぶっ壊すと言った異端政治家小泉さんのときに、
すでにそれは始まっていたけれど、
十二分に根を張った官僚機構は賢くて強かった。
改革はまやかしで迷走してしまったし、
政権交代しても十分足腰が鍛えられても居たと思う。
長い長期政権で出来上がっていた人事の秩序や、
実権をもっている要人たちの人間関係は多岐にわたり強かったと思う。
そして、
何よりもやれるならやってみろ、という気持ちが、
目に見えないところで充満したように思う。
新政府は迷走する。
当然なのだ。
実質的に仕事するのは官僚機構だし、
適切な助言で政策を具現化するのも官僚たちだから、
そのモチベーションはどこか萎えているはずだ。
最近の対中国外交のまずさもそのせいだと思う。
領土問題のようなどうしようもないデリケートなことは、
政権同士、国同士の奥深く極めてきわどい意思疎通で保たれている。
お役人のサポートのモチベーションが十分じゃない状態では、
初動にも新政権らしいまずさがあったと思う。
菅さんが人が変わったように精彩がないのは、
副総理のとき財務相になって消費税増税派にシフトした時からだと思う。
僕はびっくりしたけれど、
菅さんは中枢官僚たちとの融和に舵を切ったと思う。
それはひとことで言えば、
人間の集団の気持ちのせいだと
僕は思っている。
会社でも何でもそうだ。
管理者は部下たちの気持ちの大事さと怖さを知っている。
特別の資質のある管理者だけが、
そういう状況を克服して、
気持ちのベクトルを牽引することが出来る。
I' waiting a new leader.

秋の夜の灯り 11