
秋の夜の灯り 22
今見ているテレビ番組で、
学校の席替えのことを楽しそうに話している。
ある学校の先生が席替えソフトを作って利用しているのだ。
生徒に参加させているから、
すごい盛り上がって楽しそう。
希望とずれても諦めがつく。
生徒の希望を優先しすぎると、
生徒たちの間の力関係が働いて、
むしろ問題ありの席配置になるそうだ。
そこで、
生徒たちのほうに席替えの仕方について考えさせて、
つまりソフトの機能自体の検討に参加させて、
それぞれの仕方の結果の問題点も話し合ったりして、
改善を図ってゆく。
自分たちで決めたんだから、
納得性があるというのだ。
改善方法が行き詰って、
机の配置自体を少し不規則にして解決したりもしている。
僕の頃は確か名簿順か身長順か、
担任が決めるかだった。
中学のとき、結構いい生徒だったらしくて、
担任は僕の隣にある特定の生徒を配置した。
病気じゃないけど何かと鈍い、いじめられそうな生徒だった。
僕は担任の期待を感じていたので、
なにかと世話をやいていたのだけど、
あるとき、
隣から顔だけ近づけてきて、
おまえおれをぶじょくするのか?
と呟くように言った。
ヒヤッとして、ショックだった。
どこかいい気になっていたのかもしれないのだけど、
夢に出てくるほど長い間それは尾を引いていた。
2、30年後、
同窓会で会ったとき、
彼はなにももう意識していなかった。
自転車やさんになっていて、
とても嬉しかった。
僕は18の時までは、
クラスでいちばん小さかった。
18のとき年間18センチ伸びて、
いつのまにか平均ぐらいになっていたけど、
学校時代は席はいつも一番前だった。
黒板を消すときのチョークの粉は飛んでくるし、
先生のつばしぶきも飛んできた。
前の子の背中に話しかけたりも出来ないし、
授業以外のものを見たりも出来なかった。
それなのに、
決して優等生になれなかったから、
なんだか割に合わないよ。
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I had been always in the front seat
in the class duaring my scoolhood.