
モッコウバラの蕾が膨らみ始めた。

咲いてるのもある。

実は屋根までかけあがってきている。
モッコウバラは決して花期は長くないから、
花の時期以外は鬱蒼とした感じが広がってゆく。
それを快しとしない人もいるし、
家族もそうかもしれない。
褒めてくれた事はないからだ。
僕はほんとはこの古家を、
危険住宅ではあるけれど老いるままにしたいのだ。
だから、
蔦が家全体に巻きつくのも、
庭がツルニチニチソウだらけのジャングルになるのも
僕として望ましいイメージで、
ひとつの完成形なのだけど、
妻は蔦で壁がやられるからとってくれと言うし、
ツルニチニチソウは駆除撲滅して家周りをすっきりしたいのだ。
不満だけれど僕はそれに従ってきた。
だから、
だからせめてモッコウバラだけは守りたいと
ささやかな抵抗をしているわけなのだ。
僕は、
蔦だらけで家の壁が穴だらけになっていっても、
夏は断熱してくれるし、
冬は少しは断冷してくれて、
外観は緑で家の老いを隠してくれることを望んでいた。
足元がツルニチニチソウだらけになっても、
いいグランドカバーだし、
夏は少しは涼しげだし、
花は可憐で好きだし、
もう幸か不幸か僕が嫌いな蛇はとっくに居なくなったし、
緑滴る環境で自分も老いて行き、
ふと気がついたら息を引き取っていたということでいいと
そういうふうに思っているのだ。
珍しく愚痴を言ってしまった。
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