父が仕事をやめた75歳という年齢を
僕は通過中である。
仕事をやめてからの父は、
囲碁・ゴルフ・レコード鑑賞の日々を過ごした。
ある頃から、
時間をもてあますような感じが出てきた。
まだ**時かあ・・・
という嘆息が出るようになった。
現代人は忙しくなるばかりで、
およそみんな時間がない時間がないと思っているのに、
それは不可思議なことであった。
今思えば、
後年寿命を決めてしまった病が
すこしづつ育っていたのかも知れなし、
そのせいで、好きなことへの気力が
徐々に損なわれ始めていたのかもしれない。
そういえば、
80越えてからだけれど、
ゴルフをやめている。
囲碁クラブで救急患者になったこともあった。
病に加えて、そのような後ろ向きな事態が
父の心情に影を落としていたのかもしれない。
まだ++時かあ・・・
と自分が嘆息するようになるとは想像できないけれど、
そんなことにはなりたくないと、
どこかで怖れている自分がいる。
通勤する仕事は僕は57でやめたから、
職業欄には最初は輸入業としていたが、
種々雑多なことを少しづつするようになってからは、
自営とだけ書いていた。
ひと様に言うほどの収入もない今でも
自営と書いている。
lapdesk.jpは仕事じゃなくアクティヴィティだけれど、
まだ++時かあ・・・
と呟くことを恐れているゆえの、
長い長いフェードアウトのエンディングロールが
僕なりの演出手法なのだと思う。
