うたたねの詩

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2014/11/03
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カテゴリ: 今日のシメイ
関羽の死後、劉備は悲しみの中にいたが、
ついに仇を取るため諸葛亮らの反対を押し切り、孫権領へ突入。
私怨に駆られる劉備軍の勢いはすさまじく、誰にも止めることができない。
子明の後任にあたった武将も
「孫権様、申し訳ありません」
「よい。今は敵に勢いがある。これを止めるのは難しいことぐらいわかる」
「しかし、私には荷が重すぎます。どうか代わりの者を立ててください」
「簡単に言うが、他に誰がいるというのだ?」
「呂蒙殿の右腕として働いていた、陸遜がいいかと」

孫権は気がかりに思うところがあった。
「経験値、ですか。ですが、こんな時は例外があってしかるべきかと」
その言葉に孫権はうなずく。
「わかった。この窮地、陸遜に託す」

陸遜は任を受け、前線に赴くと、空気が重苦しかった。
「陸遜、来てそうそう悪いが軍議を開く」
「はっ」
「陸遜、策を聞かせてくれ」
「今対抗することは得策ではありません。
 このまま下がり続けます」
「それでは敵の士気は上がり、我々の士気が下がる一方ではないか。

「状況が打開できないから私が呼ばれたのではないのですか?」
「・・・じゃぁ、その先の策があるというのか?」
陸遜は衣を正して答える。
「敵の陣形が長く伸びた時、数か所に火をつけ分断させます」
「・・・本当にうまくいくのか?」

「これは荊州を攻めると決めた時から呂蒙様が考えていたことです。
 皆が力を合わせれば間違いなく勝てます」
「わかった。退却の準備を」

数日後、劉備軍の侵攻は続き、その陣形は長蛇を成した。
「時は来た、火を放て!」
風に舞う火は瞬く間に劉備軍を散り散りにさせる。
状況は一転、孫権軍は今までの抑圧を解放。
劉備軍はただただ劉備を守るため、
多くの犠牲を払っていった。
劉備が逃げ切ったことで、陸遜たちも退却を決めた。
「陸遜、よくやってくれた」
「いえ、呂蒙様から授かった策のおかげです」
「その呂蒙も言っておったぞ。
 そなたの才は呂蒙を越えている。
 あとは将たちを率いる経験値だけだ、と。
 これで皆もそなたのことを認めざるを得なくなったな。
 今後は心置きなく都督としての使命を果たしてもらうぞ」
「はっ、ご期待に添えられるよう精進いたします」
「そんなに気負うな。呂蒙にはずいぶん無理をさせてしまった。
 早死にさせてしまった一因は私にある・・・」
孫権は子明に勉学をするように勧めたことを思い出していた。
「そんなことはありません。
 呂蒙様はそのことを常に感謝していました。
 あの言葉が無ければ、今が存在していないのだから、と」
二人は改めて子明を思い、涙に暮れた。





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Last updated  2014/11/04 12:10:21 AM
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