薬の国のありす

入院体験「腎う炎」

腎う炎



これはありすが16の誕生日をむかえたばかりの冬に経験した病気。

16の頃なんてもう 「ひどい」 の一言。
今の時代、高校生たちが家に帰らないとか当たり前のような変な時代になってしまったけど、あたしの時代はそれはそれは大変なことだった。

どうしようもなく荒れてて、親に 「ありすは精神的におかしいんじゃないのか」 とまで勝手に診断される始末w
この頃、 けん坊 (人物辞典参照) と付き合っていた頃だから、それこそ シンナー、タバコ、飲酒、不衛生な生活をピークに過ごしてきたとき。



「何か腰が痛いんだよな・・・」 が始まりだった。

しかも熱がある。でも、遊びたい盛りで家に寄り付かない生活をしていたから、38度の熱があっても遊びに行くバカっぷり。


それでもだんだんつらくなってくる。
おさまらない腰の痛み、激しく上がる体温。とうとう起き上がれなくなる。
これが不思議なことに、ありすも親も単に風邪だと思っていたから、汗をかけば治ると思い込んでいて、暖かくして汗をかこうとしても汗かかないんだよね。

母いわく、 「足なんてものすごく熱くて目玉焼きが焼けるんじゃないかと思ったわよ」 と、それぐらいあたしの体は熱かったらしい。


40度を越す熱が数日間続く 。実はこの頃の記憶が少し途切れている。
もう何年も昔のことだし、軽く健忘症おこしてるからかな?とも思うが、どうやらそうではなく、人間の限界体温ギリギリまできてたから、意識がもうろうとしていたことがうかがえる。


自分で確認できて覚えてる最高体温記録 「42.5度」
体温計が壊れてたことを祈る・・・。


いつまでも下がらない熱、衰弱していくありす。
ここでまた母話し。

「もうね、このままじゃありすは死んでしまうと思った」

何も食べない、何も飲みたがらない。もう死んでいく人を見ているようだったと。



そんななか、ありすは不思議な体験をする。
ここからは信じる信じないはあなた次第。

寝てるか起きてるかわからない意識の中、夢か現実かわからないけど、父方の祖父に会う。祖父はあたしが小学生の頃に癌で死んでいる。とても可愛がってくれたおじいちゃん。大好きだった。

真っ白な世界の中、真ん中に小川のような川が流れていて、川の向こう岸に真っ白な着物を着たおじいちゃんがいた。
あたしはうれしくて「おじいちゃん」って叫びながら川を渡ろうと足を入れるけど、生前あたしに対して怒ったりしなかったおじいちゃんがすごい怒りを表してる顔で「こっちに来るな!」と言うの。「なんで?おじいちゃん。そっちに行きたい」とさらに渡ろうとしたとき、母の「ありす、ありす」と名前を呼ぶ声が聞こえて来て、はっとどこにあったのかわからない意識が戻る。

実際に母はあたしの名前を呼んでいたわけだけど、母は、この時お仏壇にお線香を上げて「ありすを助けてください」とお祈りをしていたらしい。そしてふとよぎるものがあったらしく、あたしの部屋に来て名前を呼んだらしい。


「おじいちゃんに会ったよ」 と一言母に言ったのを覚えてるが、その後は覚えていない。


母は、この一言でやっと病院に連れて行く決意をする。
次の日、すぐ病院で診てもらったら「緊急入院」扱いになる。

ここで 腎う炎 というあまり聞きなれない病名をつげられる。
これは腎臓にウィルスが入り込み、そのウィルスは脳を目指して体をむしばんでいくらしく、そのウィルスが喉まできていたらしい。ウィルスが脳に入ると死んでしまうこともあるみたいで・・・。


って他界寸前だったんじゃん((;゚Д゚)ガクガクブルブル


すぐに点滴をうたれ、車椅子に乗せられ病室へ。8人部屋だったかな?
初めての入院。
あれほど遊び歩いて家に帰らなくても平気だったのに、母が帰ってしまい、うなされながら一人でベッドに横になっていたら、なんだかわからないけど、 涙が出てきた。 ひとしきり一人で泣いたんだよなぁ。
やっぱり心細かったんだろうな・・・。


入院食も思っていたよりは全然美味しくて、結構いける!とは思った。何よりも生活が規則正しすぎるってくらい早寝早起き。朝は起きられない、夜は眠れない。大変だったなぁ。
急な入院だったから、けん坊が心配していた。彼はお見舞いにも母と一緒に来てくれたりしていた。 ベッドの周りのカーテンを閉め切って当時好きで好きでたまらなかったけん坊と抱き合って交わしたキスの感触は今でも覚えてるよ。



そんなこんなで無事に1週間で退院。
治療は主に抗生物質の点滴。入院も退院間近になってくると退屈になってくるんだよね。ムダに元気になったりしてw

退院の日、 「現代医学ってすごいなぁ。あんな死にかけてたのにこんなに元気になっちゃって」 なんてとぼけた事をあの当時のありすはきっと思っていたに違いない。

退院したその日に夜遊びに出たことは言うまでもない。
親不孝な娘でしたw


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