月の旅人

月の旅人

バンコク市内ワット巡り編

バンコク市内ワット巡り編


朝、しっかり寝坊した。(笑)
部屋のドアをノックされ、その音で目覚めたのである。
あわてて出てみると、すっかり朝食に行く準備ができた友達が2人、ドアの前に。
「用意できた?」
……出来ているはずがない。更にあわてて部屋にとって返し、自分でも驚くほど早く着替えを済ませて寝ぼけ眼のまま朝食へ。
エレベーターは14階から1階までノンストップで辿り着き、貴重品をセキュリティー・ルームへ預けてレストランに入った。
パンも料理もデザートも飲み物も豊富なバイキングで、いつもなら朝は食パン1枚でも多いと思うくらいなのにたくさん食べてしまった。
だって、おいしかったし。(←また言い訳(笑))
特に炒めたベーコンが気に入った。(←これを料理というのかは定かではない…)


ほぼ時間どおりにガイドさんが迎えに現れ、観光バスに乗ってチャオプラヤ川へ向かった。この旅2度目のクルーズの始まりである。
が、そのスピードはメコン川クルーズとは全く違った。猛スピードといった感じである。
前に乗っていた友達の髪が、激しく後方へとなびいていた。帽子なんて被っていようものなら確実に飛ばされたことだろう。ゆえに私も帽子を被らず、おデコ全開で跳ねるように上下して疾走する船に乗っていた。
メコン川でのようにチャオプラヤ川での写真も撮りたいと思ったけれど、とてもではないけれど撮れる状況ではなく、仕方なく断念。


バンコク最初の観光場所は、船が船着き場に着く前に見えた。
『ワット・アルン~暁の寺~』である。その象徴的存在である大仏塔が見えたのだ。長い間修復されていたそうで白く美しい仏塔に復活したらしく、青い空に見事に映えて聳えていた。その形はアンコールワットの仏塔に似ている。
模様が陶器で作られている塔
傍で見てみると、色鮮やかな陶器片のモザイクで飾られていて実に見事な仏塔だった。
ヤック(鬼)とモック(猿)の像が土台で塔を支えるように踏ん張っているユニークな仏塔でもあった。
ただ、仏塔に上る階段の急なこと急なこと。ちょっと怖かった。
上ることのできる中段のテラスまで上ってみたものの、問題は下りるときである。友達に手を支えてもらいながらこわごわと下りた。
昔の人って、バリアフリーがなってないなぁ。……なんて。
さて、大仏塔を見終えてその前に集合し、ガイドさんに連れられて本堂へと移動。
その道中に、大蛇を肩にかけた男の人がいた。観光客の肩にその蛇を乗せるらしい。
実は船着き場の近くにもその人が居たのだけれど、仏塔を見ている間に本堂のほうへ移動してきたらしい。友達の1人が大変な蛇嫌いで、恐れおののいて人の影に隠れ、彼と蛇が視界に入らないように避けて通った。もちろん私も含め、みんな蛇なんて嫌いである。私から見れば、虫よりマシ、という程度でしかない。非常に嫌いである。
でも十人十色とは良く言ったもので、中には肩に大蛇を絡ませて喜んでいる人もいたりした。
蜜蜂の巣に手を出す人と、どっちがすごいだろう。
などと考えた私も、変だろうか……?
無事に大蛇の傍をすり抜けることに成功し、屋根よりも高いヤックが門番として建っている本堂の前に出た。このヤックの衣装も、細かいタイルで見事に装飾されている。そんなヤックが護っているとはいえ、奥まった場所にあるため、知らなければ本堂とは気づかないかもしれない。


再び船に乗り、対岸に渡って屋台を通り抜け、『ワット・ポー~涅槃寺~』へ。
その名のとおり、黄金の大寝釈迦仏が専用の御堂に身を横たえている。列を成す人々に続いて靴を脱ぎ堂内に入ると、寝釈迦仏の頭部である。見上げれば右の肘を立てて頭を乗せている姿がドーンと目に入る……はずだった。
はずだった、というのは、悲しいことになんと修復中だったのである。足場が頭の先からつま先まで組まれ、その透き間から見る羽目に……。足組がなくても、全身をいっきに見ることは叶わないほどの大きさだというのに、である。寝釈迦仏の腹部の前に“全体像はこんな感じです”とばかりに、額に入れて図が置かれていた。なんか虚しい。(笑)
でも幸いなことに、幸福がもたらされるという足の裏はしっかり見ることができた。幅5m、高さ3mというその巨大な足の裏は、真珠貝を使って螺鈿細工で描かれた108の絵が並んでいる。バラモン教から発した仏教の宇宙観を表現した『モンコイロンペート』といわれるものらしい。
幸福な人生を送れるといいなぁ。
他にも4つの仏塔や礼拝堂、本堂も見たかったけれど、ワット・ポーでの観光時間が30分しかなかったため、王家ゆかりの人々の墓標であるという3m程の小さな仏塔の傍まで行っただけで終わった。
しかし、とにかく暑い。ホーチミンでのショッピングのときと同じく、私の顔は茹で蛸状態だった。(*~~~*;あづいぃ…


次は『ワット・プラケオ~エメラルド寺院~』である。
ここは王宮内にあり、王室専用の寺院であるらしい。
タイでは王室に対して強い敬愛の念を持っているそうで、王室への批判や侮辱は不敬罪に問われるほどで、国王讃歌や国旗、国王が掲載された紙幣にまで敬意を払うほどの徹底ぶりだとか。
それを知っても実感が湧かなかった。国が違えば文化も意識も相当違うものである。
エメラルド寺院と呼ばれるゆえんとなったのは、エメラルド色の翡翠で作られた仏が本堂中央の高座に鎮座しているためである。金色の衣装を身につけてライティングされているこの仏像、暑季、雨季、乾季の年3回、衣替えをするらしい。さすがは門外不出の王朝の宝である。
王室専用の寺院というだけあって、本堂以外の仏塔や御堂、回廊の壁画も素晴らしい。まばゆいばかりに輝く金色の仏塔、当初はエメラルド仏を安置する予定だったという十字型の典型的なタイ寺院様式の建造物、金と青ガラスで装飾された柱がめぐり屋根に細長い尖塔が立つ仏教の経典が収められた書庫。どれを取っても、その華やかな美しさに圧倒される。

仏塔書庫
↑エメラルド寺院の『金の仏塔』と
 ラーマ1世が著したという仏教の経典「金の法典」を収めた書庫

でもあまりにも暑くて寺院を巡っている途中でバテてしまい、見事な壁画が描かれた回廊の前の段差に腰掛け、ガイドさんが言った集合時間まで日蔭で陽光を避けた。
タイは常夏の国で年中30度を越す日が続くのだ。
タイ人ってすごい。生まれたときからだから、暑さも平気なんだろうか。
集合した後、現在も迎賓館として使われている宮殿の前を通り、ガイドさんに記念写真を撮ってもらって王宮を出た。
このとき撮ってもらった写真を現像してびっくり。パノラマサイズにして撮ってあった……。
普通サイズでいいよ!




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