月の旅人

月の旅人

観光のない初日 後編

観光のない初日 後編




休憩所から1時間20分ほど走った頃、右の車窓にエーゲ海が見えてきた。雲ひとつない空を映してまさに紺碧の色を湛えるエーゲ海に、陽光が鏡のように眩しく反射していた。
エーゲ海が見られるとは思ってもいなかった私たちは思わずEさんの言葉に反応して「エーゲ海!?Σ( ̄ ̄*)」と反芻し、身を乗り出すようにして車窓に広がる青い光景を眺めやった。
これは是非とも写真に収めておかねばと思い、車窓にへばりついてデジカメを構える。撮り過ぎるぐらい枚数を重ね、20分ほどしてエーゲ海が見えなくなった。
ドイツ旅行で妹が日の出写真や飛行機内から空の写真を撮り過ぎてセレクトするのに苦戦していたが、今度はトルコで私が同じ自体に陥ってしまった。似た者姉妹である。(笑)
“数打ちゃ当たる”という言葉があるように数を撮ればいい写真が撮れているだろうかと思ったが、車道からエーゲ海まで少し距離があったために大したことはなかった……。
パステルカラーの家その大したことのない写真を少し色付けしてくれたのが、海岸へ向かって等間隔に建てられた同じ形のパステルカラーの家々だ。まるで「前に習え」と言われて整列しているかのように綺麗に1列に並んでいた。なんか好きだなぁ、こういうの。(*^^*)


途中でEさんから1人に1つずつピンクと白の小さな麻布に入れられたポプリをプレゼントしてもらって感激し、相変わらず光り輝くアスファルトの道を進んだ。左の車窓にトルコの陸地に囲まれているマルマラ海と先刻眺めたエーゲ海を結んでいるダーダネルス海峡が見え始め、しばらくすると長方形の石造りの建物の駐車場に入ってバスを降りた。14時半を過ぎていたが、そこは昼食を取るレストランだった。
レストランのすぐ前がもう海峡になっていて、潮の香りが鼻をくすぐる。レンガ造り風のシンプルな外観だったが、中はピンクの壁と天井に球体の照明が下がっていて、その天井の半分は黒く、海峡側の窓のある壁は自然に石壁になっているという、お洒落なのかそうでないのか判断に悩む内装だった。
白い布のかけられた長いテーブルに3列に分かれてクリーム色の椅子に座り、それぞれがEさんとOさんを介してドリンクを注文する。Eさんにトルコの飲み物といえば『エルマチャイ』というリンゴ風味の紅茶と『アイラン』という塩味のする飲むヨーグルト、そして強烈に濃厚なトルココーヒーだと聞いていたので、私はエルマチャイを、友達はアイランを注文した。
席につく前からすでに各自に1皿置かれていた赤キャベツとにんじんの千切りのサラダは食中りを少し警戒してあまり手をつけられず、運ばれてきたトマトスープから味わった。
さっぱりしていてほのかに酸味があり、おいしくてすぐに飲み干してしまった。トマトスープは、トルコ料理のスープとしてとても定番であるらしい。そして注文したエルマチャイをソーサー付きのぽってりとした円錐形のティーカップでもらい、ドイツの葡萄ジュースと同じくそのおいしさにすっかりハマった。
実は日本でリンゴの紅茶を飲んだことがあるが、そのときの印象が「紅茶にリンゴは合わへんな」だったため1度きりしか飲んだことがなくエルマチャイにも少し不安を抱いていたのだが、そんな心配は無用だった。さすがに“トルコといえば”という飲み物に現地ガイドさんが挙げるだけのことはある。
半生ボラスープ皿と引き換えに、メインディッシュが運ばれてきた。ダーダネルス海峡で捕れたらしいボラという魚が、添えられた菜っ葉やトマトを押しのけるように丸1尾ド~ンと乗っていた。私たちは最後のほうにそれをテーブルに置かれたのだが、他の人のお皿からもぷんぷんと生臭さが漂っていた。Σ( ̄- ̄;)クサッ
見た目が、そもそも半生状態である。
「……これは………いらんかも……(-_-;)」
臭いに敏感な私はその生臭さに嫌悪し、試しに2、3口食べてみたがやっぱり受けつけず、もったいないとは思ったものの残してしまった。だがそれは大半の人が同じ意見で、顔をしかめながらフォークでつついたり、「これ食べて大丈夫なん?」と食中りや寄生虫の心配をしている人もいたりで、半分も食べればいいほうだった。
食べ残しだらけのそのお皿を無言で片づけ始めた店主らしき初老のおじさんがEさんに何事かを訊いているのを目にし、ちょっと申し訳ない気分になった。
後で聞いたところによると、日本人は魚が好きだと聞いたから魚をメインにしたらしく、それなのにほとんどの人が残したため怪訝に思ったらしい。
そんな半生ボラだったが、みきちゃんはなんと綺麗に完食した。
同じテーブルについていた人たちみんなが驚いて彼女に注目する中、骨の間についていた身まできっちり取って食べていた。Σ( ̄ ̄ )おそるべし…
デザートはどうなんだろうと期待と不安の中待っていると、平皿にまだ青いみかん(?)と輪切りにした洋梨が2切れ乗せられているだけの味気ないものが出てきた。しかもみかんは皮が硬くて剥けず洋梨はスカスカしていて、がっかりといった感じである。
それもみきちゃんは完食し、結局自分の分はサラダからデザートまでを残さず食べ切った。
えらいなぁ。


レストランからも見えるくらいすぐの所にあるフェリー乗り場からバスごとフェリーに乗船し、船内でバスを降りて甲板に上がる。すでに西洋人らしき人たちが十数人ほど乗船していて、サングラスをかけて思い思いに椅子に腰を降ろしていた。
ふと見上げると、上の階の甲板には誰もいない。登ってはいけないのだろうかと少し躊躇したが、駄目なら何か言ってくれるだろうとあっさり登ることを決め、カンカンと音のする金属製の階段を上がった。そこには操舵室があり見晴らしも最高だったため、みきちゃんと互いの写真を撮り合った。
そのうち次々とツアーの半数くらいの人たちが上がってきて賑やかになり、喋っているうちにいつの間にか出航していた。
操舵室しばらくしてMさんの奥さんが操舵室に入り、舵を取っている船長さんと並んでだんなさんに写真を撮ってもらっているのを見つけ、
「私らも撮ってほしい~っ」
とMさんと入れ替わりで操舵室に入り、船長さんだけでなく室内にいた体格のいいおじさんと若くて背の高いなかなかかっこいいお兄さんにも私たちと一緒に写真に入ってもらった。そしてそれを撮ってくれた添乗員のOさんを、入れ替わりに撮る。最初は「私はいいよ」と遠慮していたOさんだったけど、「いいからいいから」と操舵室に押しやるとその気になってくれたらしく、しっかり舵を握って満面の笑顔で写真に収まった。(^o^)
それから操舵室の前でMさんの奥さんとOさんと私たちで写真を撮ってもらい、あとは一番前に陣取って風で額を全開にしながらのんびりと航海を楽しんだ。


30分ほどの短い船旅でガリポリ半島からダーダルネス海峡を渡り終え、チャナッカレのラプセキ港に到着。
ヨーロッパ側とアジア側に分けているダーダルネス海峡のアジア側に属するチャナッカレは人口5万人ほどの小さな港町で、観光地も少なく、イスタンブールへ向かう旅行者やトロイの遺跡を訊ねる旅行者たちが中継地としてよく利用するらしい。
それゆえか語学の専門学校など観光関係の職につくために役立つ学校が集まっているようで、このツアーのガイドを務めてくれているEさんもこのチャナッカレの語学専門学校を卒業したそうだ。
人気のある語学はフランス語、英語で、最近は日本語も人気が出てきているもののまだまだ珍しい言語には違いないとか。
トルコの人は母国語以外に自然にフランス語やドイツ語、英語を身につける人が多いらしく、Eさんも日本語と英語の他にフランス語も少しできるようだった。観光客が多いため語学は観光客との会話や聞こえてくる話の中で自然に覚えていくものだと言われ頷いている人たちもいたが、お店やホテルなど観光客と接する職業じゃないと、とても自然にとはいえない難しいことにように思ったのは私だけだろうか。

ラプセキ港に面したホテル『ビュック・トゥルバ』に入って食堂の前の螺旋階段の下で部屋の鍵を渡され、明日のスケジュールについての説明を受けて部屋へ向かった。
トルコで初の宿泊となるホテルは三ツ星で、ちょっと日本のビジネスホテルっぽい雰囲気のこじんまりとした部屋だった。残念ながら港に面した部屋ではなく窓の外は殺風景なビルだったためカーテンを開けることもなく部屋の写真だけを撮り、夕食までまだ時間があるため散策に出てみることにした。
「Oさんも誘ってみよっか」
提案した私に迷惑なんじゃないかと返したみきちゃんだったが、それなら断られるだろうととりあえず訊ねてみることにした。
さっそく電話の受話器を取り、Oさんの部屋番号をダイヤルする。結果、
「今ちょっと来客中なので、あとですぐ伺います」
という返答だった。つまり、これは了解ということだろう。
デジカメにミニ三脚をつけて出かける用意をしながら待っていると、まもなくOさんがやってきた。鞄もちゃんと持っていて、出かける準備は万端の様子である。
「じゃあ行こっか(^-^)」
チャナッカレのラプセキ港
3人で連れ立ってホテルを出ると辺りはもう夕暮れだった。時計を見ると、17時半を過ぎたところだ。やはり10月も末になると日暮れも早い。
ホテルの前で早くも港から戻ってきたMさん夫妻に会い、車道を渡って港沿いの少し広場になっている場所で、港をバックに何枚か写真を撮った。
残照のオレンジと宵闇の紺色が空と海を染め、とても綺麗な風景だった。
しばらく歩を進めると、まるで『世にも奇妙な物語』にでも登場しそうな不気味な青い照明に照らされた公衆電話BOXを見つけた。三方を囲んであるだけでドアはないそれが2つ並んでいて、その不気味さがおもしろくて電話をかけているフリをしながら写した。Oさんは気味悪がって拒否したため、改めて違うスポットを探し求めて歩く。その途中、
「1つ、訊いてもいいですか?」
と訊ねた私に、並んで歩いていたOさんが笑顔で「何?」と訊き返す。
「おいくつなんですか?」
私たちの年齢は参加者名簿などを見て知っていた童顔のOさんは、ニヤリとして言った。
「訊かれると思った。2人よりも1つお姉さんやで」
言われて、みきちゃんと顔を見合わせる。
「私らと変わらんように見えるし、もしかして年下やったりするかもって言うててん」
「1こ上かぁ」
「ま、大して変わらんな」
歳が近いとわかった途端にタメ口で、すっかりずっと前からの友達気分だ。(笑)
でも、こういう風にすぐに意気投合できる人とはなかなか出会えないものだから、とっても嬉しい瞬間でもあった。このツアーに参加できて良かった♪
2、3分ほど歩くと綿菓子の屋台がいくつも出ている場所があり、その屋台と後ろの並木や建物を入れながら写真を撮っていると、綿菓子売りらしいおじさんたち5人がわらわらと近づいてきた。
安全な町だとEさんから聞いていたものの少し警戒していた私たちに、愛想のいい笑顔で何かを言い、私の持っているデジカメの液晶の部分を覗き込んで互いに指差したり驚いてみせたりするおじさんたち。どうやらデジカメがとても珍しいらしい。
そういえばEさんが携帯の普及率は高いけど、デジカメはまだないって言ってたなぁ。
バスの中での話を思い出す。
自分にもシャッターを押させてほしいとジェスチャーで訴えてくるおじさんもいたが、Oさんが危ないからやめたほうがいいと言ったので自分も不安があったため断り、その代わりと言っては何だけど一緒に写ってもらうことにした。
私がシャッターを押したが、ミニ三脚をつけているにもかかわらず地面において無理やり角度をつけて写したためか、2枚、3枚撮ってもブレてしまってうまく撮れなかった……。...(;__)/|私って…
Oさんに代わってもらい、何度かまたトライしてようやくブレずに撮ることに成功。液晶画面をおじさんたちも一緒に輪になって覗き込み、そこに写っている自分たちを確認して「OH~!」と一様に言い、ガハハと笑った。

それからすぐに互いに手を振り合って別れ、さらに少し進んだ所で、こちらに向かって歩いてくる女の子2人を見つけた。同じツアーに卒業旅行で参加している大学生の2人だった。
「向こう何かあった?」
「ずっとこんな感じですよ」
私たちの質問にそう返答しつつ、可愛い壁飾りを売っているお店があったと指差し、私たちも一緒に行ってみることになった。が、Oさんはホテルの様子が気になるから戻ると一足先に帰っていった。ホテルについてからも息を抜けないなんて、添乗員というのは本当に大変な仕事だ。
お店へ行く途中、猫を見つけた。黒斑(くろぶち)のその猫はとっても人懐っこくて、猫好きの友達が屈むとその足に擦り寄って来て甘え、大学生の1人Yちゃんも屈んで手を伸ばすと、今度は彼女の膝の上に乗っかった。
「可愛い~♪」
異口同音にそう言って、すかさずそれを写真に撮った。私は相変わらずブレブレだったけど……。(_ _。)…シュン

ちょっとした商店街のようになっているアーケードのある通路の一番港側に、彼女たちの言う可愛い壁飾りのあるお店があった。陶器のようなプラスチックのような変わった素材で作られていたそれらはトロイの木馬が数種類と船や花などが山と積んであり、Kちゃんという大学生が気に入ったのはトロイの木馬の壁飾りだった。買おうかどうしようかと悩んだ末、結局やめてアーケードの奥に向かった。
その少し前、みきちゃんが毛糸の靴下売りのお兄さんに掴まり、「3足1000円!」と言ってお店の前にいる間中ずっとついてこられていた。みきちゃんも「5足で1000円にして」と、買う気なのか相手にしているとすっかり気に入られたようだったが、決して3足で1000円を譲ろうとはしなかった。(^-^;
言い合っているのか会話(?)を楽しんでいるのかわからない2人がおもしろくて思わずデジカメを構えたら、それにお兄さんが気づき、みきちゃんの肩をガシッと抱き寄せて思いっきり笑顔を向けてきた。
いや……話している2人を撮りたかったんだけど……。( ̄- ̄;)
それでもポーズをつけているのに撮らないのは気の毒なので、しっかり写してあげると、液晶画面を見て「オー、ハンサムッ」とおもしろそうに笑う。悪い人ではないようだ。それでもいらないものはいらないので、ひらひらと手を振ってその場を去った。
他のお店も似たり寄ったりな商品や雑貨、食べ物屋さんなどで、特に買いたいものもなく、私はそもそもお金を持って出ていなかったので素通りし、さらに散策するには疲れていたため、ホテルに戻ることにした。
帰り道でまた先刻の猫に出会い、縄張り争いでもしているのか他の二匹と睨み合っていた。それでも、たまに私たちに擦り寄ってみたりして愛嬌を振りまくことも忘れていなかった。(^o^;


トルコ料理ホテルでの夕食は、朝と同じくバイキングだった。が、料理はしっかりトルコ料理だ。初めて、世界三大料理の1つであるトルコ料理を味わうことができ、そのおいしさに大満足♪
トルコ料理は野菜や豆などを煮込んだ料理の種類がそれはそれはたくさんあるらしく、その数の多さから三大料理の1つに加えられたとも言われているくらいだそうだ。
このときの夕食では肉系はなく、野菜、豆、ライスを煮込んだ料理十数種を少量ずつ平皿に山盛りにし、デザートにプチサイズに切られたケーキを4、5種類取った。
残念ながらデザートは口に合わず……というより甘過ぎて食べられず、トルコでは一般的な飲み物だという赤ワインのような色をしたチェリージュースで後味を消した。f(^^;)
みきちゃんは私の2倍は軽く食べた後トルココーヒーに初挑戦していたが、挽いた豆もそのまま入っているんじゃないかと思うほどドロリとしていて濃く、ブラックでも飲める友達でさえ「にがっ!」と言っていた。コーヒーの苦手な私には到底飲めそうにない代物だった。

食後、自分たちの部屋へ引き上げていく人たちの中、他のテーブルで話をしているEさんとOさんを見つけ、私たちも仲間に入れてもらった。
Oさんは私たちと別れて戻った後、電話がたくさん入って大変だったそうだ。出かけている間も何度も電話していた人がいるとか。たった30分ほどだったのに、そんなことになっていたとは……。誘った手前、ものすご~く申し訳ない気分になった。...(;__)/| はぁ
どうやら部屋に入ってすぐに入浴した人が多かったようで、お湯の出が悪いという苦情の電話だったようだ。日本人はバスタブにお湯を張るため使用量が多くて供給量が足りなくなり、海外旅行ではとても多い苦情の1つだそうだ。
それにしても、大学生の2人とMさん夫妻と私たち以外は誰も外に出なかったっぽくて、何だかとてももったいない気がした。綺麗な夕焼けだったのになぁ。
話しているうちにEさんのお友達が男女2人で現れてEさんの隣に座り、Eさんが紹介してくれた。
とっても優しそうな笑顔のs男の人はEさんと同じくガイドの仕事をしていて、同じように今廻っている最中であるらしい。その隣少し金髪混じりの女の人は臨月も近い妊婦さんだったが、2人ともEさんと同じ語学専門学校に通っていた友達なのだそうだ。
Eさんがこのホテルに泊まることを知って待ち合わせ、これから3人で飲みに行くという。とても仲の良さそうな3人だった。


まだ9時過ぎだったため私たちも再度夜の港町を歩いてみようということになり外へ出ると、かなり冷え込んで寒くなっていた。息も白い。
外に出たのにはもう1つ理由があり、Eさんが『共和国の日』を記念したパレードがあるかもしれないとチャナッカレの説明の中で言っていたので、それを見るためでもあった。
ちょうどホテル前の道がコースになっているらしい。ただしトルコ西端部を襲った大地震以来パレードも中止されているそうで、今年も行われない可能性もあるそうだ。
歩いているうちに暖かくなるだろう思って先刻とは逆方向に歩き出した私たちだったが、あまりに寒くて瞬く間に手は氷のように冷たくなり震えてしまったため、1度部屋戻って防寒の準備してから出直すことにした。そのときホテルの前で、Eさんたち3人に出会った。飲みに行くらしい。
Eさんがもう部屋に戻るのかと訊いてきたので事情を話すと、右に行くと坂の手前に海沿いで景色も綺麗でおいしくてお洒落なカフェがあると教えてくれた。安全な町だから是非行ってみてと言われ、「ありがとうございます♪」と嬉しくなって手を振りながら別れた。それは、ちょうど私たちが行こうとしていた方角だった。異国のカフェでのんびり、なんて光景を思い描きながら部屋に戻る。
友達はハーフコートにマフラーに手袋、私は着ていたジャケットの上に毛糸のストールを巻き手袋をして、いざ再出発。目指すは、お洒落なカフェだ。
ところが、見つからなかった……。
海沿いにそれらしきお店が見あたらず、念のため小さなモスク(イスラム寺院)の横の坂を上がってみたが、銃を持った警察官が立っている交番を過ぎるとマンションの立ち並ぶ住宅街に入ってしまって電灯も少ないため暗くなり、とてもカフェがあるとは思えなかった。しかも海が見えない。やはりもう一度海沿いを探そうと戻ってみたが、やっぱり見つからなかった。(_ _。)がっくり
パレードが行われる気配も全くなく、30分ちょっと散策しただけでホテルに戻った。
日本時間だともう午前5時前である。疲れて眠くもなってきたためすぐにみきちゃんからお風呂に入ってもらい、爆睡した。ホテルに戻ってからの記憶がほとんどないため、自分が感じていた以上に疲れていたのかもしれない。そのため、瞬く間に朝になった。
寝足りない……。


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