朝、着替えるとすぐにベランダに出てみた。6時過ぎではまだ朝陽は昇っておらず、稜線に沿ってわずかに空が桃色に染まり始めていた。それを真似るように海岸線も夜明けの色を見せている。
さらに階下へと降りる階段を見つけ、下ってみる。途中、階段を登ってくる中国人らしき男性2人とすれ違いエレベーターを見つけて降りると、ホテルのプライベートビーチらしき海岸とL字型の人口の堤防に出た。見た目よりかなり距離のあった堤防をみきちゃんがL字の端まで行き、かろうじて見えるくらいの大きさになったみきちゃんを写した。液晶画面で確認してが、イマイチよくわからなかった。(笑)
が、皮のジャケットやコートにはあまり興味のない私は、他の人のショッピングに顔をのぞかせたり、奥の段差で仕切られた部屋を覗いてその壁一面に掛けられていたヴェネツィアの仮面のようなデザインの革でできた顔を見たりしていた。そこにおじさんが1人、アクセサリーを並べた机を前にして俯いて座っていたのだが、手元が見えないため何かの作業の途中だろうかと興味を引かれて除いてみると、ただ携帯電話でメールを打っていただけだった……。( ̄- ̄;)おい…
その間も何度も私に「5万円にします。それ以上は無理」とか言ってきていた店員さんだったが、終いにはおばさんと私が一緒に購入すれば「2人で10万円にします」と、1人5万円と何ら変化のない値段を提示して「じゃあ4万5千円」とつい言ってしまった私に、ちょっと思案げに間を置いて「5万以下は無理」と返した。が、しばらくして再度やってきた彼は「4万5千円でいいです。それ以上はもう無理」と諦めたように耳の傍で言った。

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