入った途端何よりも真っ先に目に入ったのは、右手奥に見えた壁面を金細工で飾られたメブラーナのお墓のある場所。黄金色の照明が拍車をかけて豪奢に見せていて、口々の感嘆の言葉が洩れた。その近辺でもいろいろとEさんの説明があったが、私たちのいた場所からは少し遠巻き過ぎて声が聞き取りにくく、説明を聞くのは諦めて目で見ることに専念した。
そんな出来事のあと建物の入口付近へ移動したとき、先刻中で会ったかっこいいパパと可愛い男の子に再び出会った。やさしいパパが男の子を自分の正面に立たせて両手を広げるように持ち、写真を撮らせてくれた。まだちょっとご機嫌斜めな顔だったけど、やっぱり可愛い。(*^^*)
蛇足ながら、『メブラーナ博物館』は独特な旋回舞踏で世界的に有名らしいメブラーナ教団の総本山だった所だとか。メブラーナとは“我が師”という意味があり、教団創始者ジェラルディン・ルーミーのことを指すそうだ。
バスは、360℃見回しても平原が続く場所をずいぶんと長い間走った。まるで海原のように地平線が見えるのだ。1度、交差する道路を走ってきた自動車に会ったが、その自動車がやってきた彼方に目を向けても鉄塔が幾つか遠ざかって見えているだけで、建物らしいものが一切見当たらなかった。みきちゃんと2人で何度も「すっご~い」を連発し、身を乗り出すようにして車窓を眺めていた。
かつてシルクロードには40kmごとに隊商宿『キャラバンサライ』があったらしいが、今も残されているのは極僅かだとか。イスタンブールから中国の西安までぶどう酒や陶器類、絹や宝石などを積んだラクダの隊商が往来していた頃には、シルクロードにいったい幾つのキャラバンサライがあったのだろうか。気の遠くなりそうな遥かなる道のりを、いったい何日かけて旅したのだろう。……ほんとに気が遠くなりそう。f^_^;)
食事が始まった頃、突然照明が落とされてロウソクの灯されたバースデーケーキが運ばれてきた。オルガンの生演奏も行われていたのだが、その演奏もバースデーソングに変わる。
