岩山に穴を開けて造られた岩窟住居跡のすぐ横を通り抜け、10分もせずにこの日最初の写真スポットである『三人美人岩(エセンテペ)』に到着。カッパドキア独特の奇岩を初めて目にした瞬間である。形といい色といい、どうしてもしめじを想像してしまう。が、『妖精の煙突』というかわいい呼ばれ方が一般的である。そういう呼び方をすると、とてもファンタジックな光景に見えてくる。
三人美人岩から20分で『鳩の谷(ビジョンバレー)』に着いた。
しばらくするとラクダを1頭引いたおじさんがやってきて、1人1ドルでラクダに乗って写真を撮らないかと言ってきた。乗りやすいように踏み台も用意されている。おじさんはこれを生業にしているようだ。1ドルは少し高いように思ったが、みきちゃんは乗馬ならぬ乗ラクダに挑戦した。私はその下に立って綱を引いているフリをし、傍にいたおばさんに頼んで撮ってもらう。
またまた5分ほどで下車となり、『ギョレメの谷』に到着。
彼方には霞むように雲ひとつない空の下エルジェス山が富士山のような美しい姿を見せていて、ギョレメの谷には上部をスパッと切り取ったように平らな山がその存在を主張していた。ビュースポットからその山の間には、たくさんのきのこ岩がトゲトゲと密集している。それらの中に、岩窟教会や修道院跡がたくさんあるらしかった。そのまま博物館になっているそうだ。4世紀頃からキリスト教の修道士たちが迫害から逃れるため洞窟を掘って生活を始め、信仰を貫いていったのだ。聖書の教えを描いた美しいフレスコ画が壁一面に残っているとか。
今度は織り子さんたちが実際に絨毯を織っているところを見せてもらう。ミニログハウスのような小屋のような建物の中に、10代から40、50代くらいの織り子さんたちが5人、それぞれ絨毯製作をしていた。カッパドキアの女性は自分の織った絨毯を花嫁道具の1つとして嫁ぎ先に必ず持参するらしい。絨毯が織れなければ一人前と認めてもらえないとか。
続いて、いよいよ絨毯販売の開始である。