その都市の中心部を底が井戸になっている通気孔が垂直に貫いていて常に新鮮な空気が流れるようになっており、各階層は傾斜した狭い通路や階段でつながり、通路と部屋の境目の随所に敵の侵入から身を守るため通路を塞ぐ円形の石扉も設置されていた。炊事場には汚水処理設備や調理の際に出た煙などを通気孔へ誘導する換気装置も備えられ、1枚岩の大きなテーブルには調味料などを入れる窪みが幾つも開いていた。
カイマクル地下都市の前は、両脇に土産物店が並んでいる。私たちとOさんは写真を撮っていて地下都市を出るのが最後になり、Eさんが心配してOさんの名前を大声で呼んだ頃地上に戻った。土産物店ではすでに他の人たちがお土産探しをしていて、私もあるお店の前を通りかかったときふと目に止まったものがあった。
『トゥズ湖』のトゥズとはトルコ語で塩を意味し、琵琶湖の3倍の面積を誇るトルコ第2の湖である。紀元前1500年頃までは内海だったらしい。トゥズ湖には川はほとんど流れ込んでおらず降雨量も少なく、塩分濃度はあの死海よりも濃く世界一だとか。当然魚は住めない。しかも塩の結晶で足を切ったりしてしまうほど高い塩分濃度のため、泳ぐこともできないとか。

