第2庭園を抜けて最初に見学したのは、屋根の上に煙突が幾つも並び立つかつての厨房棟。なんと、その煙突1つの下で1つの料理が作られていたのだとEさんが教えてくれた。Σ( ̄ ̄*) スルタンの食事は、いったい毎日幾つの料理が並べられたんだろう。
そしていよいよみきちゃんが何度も口にして楽しみにしていた宝物館の見学である。こちらもEさんの案内はない。そればかりか、宝物館見学はオプショナルのため見学しない人もいた。が、入場料は確かに高いけど見る価値は十二分である。
レストランを出るとまた第2庭園の表敬の門へと続く道を通って、バスへと向かった。
まず港越しに1663年に完成した“新しいモスク”という意味を持つ『イェニ・ジャミイ』が見え、左岸に新市街のシンボルである石の塔『ガラタ塔』がそびえているのが見えた。イスタンブールでは移動の度にどの建物よりも何度となく目にしている塔である。
そんなことを思いながら通り過ぎ、その5分後、『第2ボスフォラス大橋』の架かる手前にある『ルメリ・ヒサール』の傍までやってきた。
『ボスフォラス大橋』を超えるとマルマラ海と金角湾に合流している場所まで帰ってきて、アジア側寄りに『クズ塔』を望むことができた。クズとは“乙女”という意味で、愛娘が蛇にかまれて死ぬと預言者に告げられた王が海に囲まれた場所に塔を建て娘をかくまったが、結局差し入れの果物かごの中に潜んでいた毒蛇に噛まれて予言どおり娘は死んでしまい塔だけが残された、という伝説があるらしい。