『ギリシャ劇場』と名づけられた中央広場はぐるりと囲むようにベンチが設けられていて、破砕タイルを用いたモザイクが美しく、人体にそうようにして作られた流れるような曲線を描くユニークなベンチは座り心地も抜群である。
緑に囲まれた園内を歩き出してすぐに、高架橋になっている道が見えてきた。斜面にあるため、その勾配をゆるめようとガウディが設計したものらしい。椰子の木をイメージしたという支柱に支えられたその石の造詣はとても見事だ。
壁から柱と共に突き出した感じで作りつけの巨大な植木鉢のようになっている場所があり、植わっている黄色い花が溢れんばかりに垂れ下がっていて、その下にはオープンカフェのようにアイボリーのパラソルが広げられ椅子が置かれてくつろぎのスペースとなっていた。そこを通過して左にカーブしているゆるやかな坂を下ると階段があり、中央広場へと出た。
そんな百本柱のプロムナードの入口のすぐ傍にまた下っていく階段があり、あわただしくそれを下りる。すると今度は整然と直立の柱が立ち並んでいる『百本柱』と名づけられた場所があった。実際には100本もなく86本だそうだけど。
愛嬌のある顔が可愛く、口からは涼しげに水が絶え間なく流れ出ている。大半の人がそこで記念撮影をしたくなり、カメレオンの周りは人だかりになっていてシャッターチャンスを掴むのが難しい。
エントランスの正面にグエル公園の正門があり、その両脇に可愛い家が建っている。守衛館と住宅管理事務所となる予定だったそうで、こんなに可愛い家に住めるなら喜んで働くよ、なんて思ってしまった。現在はお土産を販売しているお店として使われている。それこそ喜んで売り子さんやります、って感じ。でもその前に、カタルーニャ語と英語を覚えねば……。( -_-)フッ ←そこですでに諦めた人(笑)
せっかくだからチラッとでもぐるりと回りたいと思い、プロムナードに足を踏み入れる。そこを進むと柱の様子が変わり、二重になっている列があったりねじった柱になっていたり、とにかく飽きない。ちょっと違う世界に迷い込んだかのようである。
『カサ・ミラ』もガウディの作品でありグエル公園と共に1984年に世界遺産に登録され、『ラ・ペドレラ(石切り場)』という別名を持つ集合住宅である。切り出した石を磨かずに使用したことからついた名だとも、積み上げた石から壁や天井を刻んで切り出していく様が石切り場に見えたから、とも言われている。石でできた山をテーマにしたといわれているが、バルコニーが海草を絡めたように見えることから波打つ海の岩場をテーマにしたと説明しているガイドブックもあるそうだ。確かに海草に見える。ワカメのようだ。
カサ・ミラを通過し「あ~あ……」と落胆していると、その2分後に『カサ・バトリョ』を“通過”した。Σ( ̄□ ̄∥)あ゛

