小さな小さな音


シュタイナー体験記 No.3
[ シュタイナー体験 ]

昨日の続きです。幼稚園では木片やどんぐり、まつぼっくりなど手に優しい素材のみをおもちゃとしています。木や木の実、綿やシルクの布などは全て自然の素材であり、手触りもいいのですが、それ以上に自然のエネルギーを直に感じることができます。

松ぼっくりは濡らすと閉じます。乾くと開きます。また、栗やどんぐり、ムクロジ等は時間がたち、乾燥すると音がなります。子ども達はそんな小さな音も大喜びです。木も長く使っていると縮んだりします。木は香りもします。だんだん香りもしなくなりますが、それだけ風合いも増します。大切な木を使って作ってある・・・だから木のおもちゃは一代だけでなく、孫まで受け継がれるのでしょう。

シルクや綿はそれぞれ触り心地が違います。大人でもベッドカバーなど、自分の好みがあるように、子どもも触り心地の違いを感じて、それぞれの感触を学んでいるのだと思います。

私はプラスチックに囲まれた部屋でなく、自然のエネルギーを知らず知らずのうちに感じていけるような環境をつくってあげたいと思っています。
子ども達は環境を自分から選ぶことはできません。周りの環境を全身で吸い取っています。周りの大人が環境を整えてあげることはとても大切なことだと思います。
もちろん、すべてを排除するのではなく、できる限り、大人も気持ちよいと感じることからはじめると無理はないかもしれません。

静かな音を聴く・・・まず、自由遊びの後、ライゲンといって、輪になって歌と手遊びなど全身を使った歌遊びのようなものをやります。(わらべうたに似た音階です。)ピアノなどの大きな音の楽器は全く使いません。ただ、静かに歌いはじめます。子ども達はこの時はまだ元気にドタバタしていることもあります。でもだんだん輪がまとまってきます。そうして先生の語りにすぐに引き込まれ、子ども達の目は輝きます。じっとお話を聴きながら、やんちゃな子もいつの間にか静かに耳を傾けています。

お星様が降ってきたと、手遊びをしながら、ひとり一人がお星様(お手玉をお星様にみたてて)を渡されます。それを大切に胸の前で暖めます。すると光ってきて、お空に帰れるのです。子ども達は自分のお星様を大切に持って、口々に、”あ、ピンクに光ってきた””あ~青になった~”等と、それぞれのファンタジーの世界に入り込みます。お星様をお空に(先生に)返す時も自然と大切に扱うようになります。

この時、小さな小さな音で、美しい、小さな音のする鉄琴などの楽器を先生がさり気なく弾いています。耳をすまさないと聞こえないくらいの小さい音です。
こうしてファンタジーあふれるひとときを子ども達は体験するのです。静かな静かなひとときです。

家の中でも外でも音があふれる世の中で、こんなに静かなひとときを幼稚園で経験することができるというのは素晴らしいこと。もちろん、大騒ぎもするけれど、静かな音にも耳を傾けることのできる環境は大切だと思いました。
家でも心掛けたいな~☆



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