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本日の午前中、東京では結構冷たい北風が吹いていました。「天気晴朗なれど北風強し」です。そんななか自転車で多摩川へ、マルタウグイを釣りにいってきました。マルタウグイはコイ目コイ科の魚です。高度成長期以前、多摩川にたくさん生息していましたが、高度成長期に多摩川の水質が極度に悪化。生命力の強かったさすがのマルタウグイも、姿を消してしまったのです。その後、多摩川漁協が産卵床を整備し、卵を孵化させて放流するなどの努力した結果、マルタウグイが羽田の喫水域から、産卵期に入ると群を成して遡上するようになりました。多摩川の河川整備もすすんで魚道が整備されたおかげて、狛江市付近までのぼってくることが出来るようになったのです。マルタウグイのサイズは40~60センチ。産卵をくり返し10年は生きるといわれます。太平洋側は神奈川県以北、日本海側は富山県以北の喫水域に生息し、小エビやゴカイなどを捕食する動物食です。多摩川では2月の真冬頃から、群をつくり産卵のために遡上を始めます。風が強い日や極端に水温が下がると、群は姿を消してしまいます。そうして、また別の群が遡上してきます。先に上った群が産卵を終わると、次の群が待っていて産卵するともいわれています。こうして、4月末ころまで産卵がつづきます。上の写真は多摩川の狛江付近。風が強いのでやや波だっていますが、障害物がないので、フライを思いっきりキャストできます。ときどき、魚の背中が見えたりします。フライは10~9番フックに巻いたニンフです。アイの方にレッドワイヤーを巻き込んで、沈みやすくしてあります。遡上してきたマルタウグイは、あまり餌を食べようとしません。喰い方も口先だけで確かめるような捕食の仕方をします。このへんは遡上したサケと似ています。したがって、ヒットしたと思ったら外れるということを何度か繰り返しました。マルタウグイは、ヒットして走り始めると、8フィート8インチ、ラインウエイト#8というハードなロッドを、満月のように曲げるパワーがあります。なかなか手強いです。なんとか遊ばせて寄せたマルタウグイの口先には、ほんのわずかにニンフが引っかかっている状態でした。しばらくキャストを繰り返しときにヒットしたのが、上の写真のメタボ・コイです。デブデブです。手応えに合わせたとた、ジャンプしたのでコイだとすぐにわかりました。こいつはヒットすると流心に走り、流れに乗って一気に下り始め、あっという間にバッキング・ラインまで引き出されてしまいました。34年間、フライフィッシングをやってきて、バッキング・ラインまで引き出されたのは初めてです。しかし、コイは走るのを止めると、あとは重いだけです。寄せてきて浅瀬に入ると、流心に走るを何度か繰り返し、およそ20分ほどやりとりした上げることができました。1・5号のティペットが切れずにもってくれたわけです。マルタウグイと川にいるウグイとの違いは、川のウグイは婚姻食が2本、マルタウグイは1本です。背中がまっ黒な甲冑をきたように黒光りし、腹は見事に真っ白です。よく見ると綺麗な魚です。本日、朝6時から10時まで4時間で、ティペット切れしてフライごともっていかれたのが2~3回、アイのところで切れたのが3回。久々に8番ロッドを振ったので、明日あたりから右腕が筋肉痛になりそうですが、十分に楽しませてもらいました。
2011年04月12日
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先週から今週にかけて岩手県に、6日ほど釣りに行ってきました。東京から片道550キロの遠出です。最初に出かけたのは気仙川です。気仙川は陸前高田で海に流れ込む流程の長い川で、中流域はアユ釣りで知られています。1992年に出かけたときは4月の下旬で、まだ非常に寒かった覚えがあります。今回は東北も梅雨入りしたのに、雨が降らず渇水気味でした。入渓したのは住田町地区で最源流に近く、もう少し上がれば滝観洞(ろうかんどう)という、鍾乳洞があります。気仙川は県道に沿った川ですから、どこでも入りやすい川です。関東方面から遠征する釣り師も多いようで、解禁してしばらくするとシビヤーな釣りを強いられるようです。ほぼ源流に近いのに、まるで里川のたたずまい。フライが振りやすいのは嬉しいのですが、なにせ渇水気味でアプローチが難しい。そこでもう少し下って大滝の案内板がある付近に入ってみました。岩盤底あり、落ち込みありで、なかなか渓相は良いのですが、やはり水は少なく魚はなかなか出くれません。ここからしばらく遡行し、平瀬で出たのがヤマメです。サイズは小さいのですが餌が多いのか、太っていました。その後、当たりはなく1時間ほどで川から上がってしまいました。1992年のときはイワナばかりでしたが、なぜかヤマメばかりになってしまったようです。放流のせいかもしれません。住田町は、のどかな田舎です。上の写真は県道沿いにあった「五葉小学校」という学校ですが、すでに廃校になっていました。どことなく、懐かしい感じのする建物だと思いませんか。まっ昼間でも県道をときどきクルマが通過するくらいで、人影の少ない(今、田舎はどこでもそうなのでしょうが)のどかな山里でしたが、気仙川に沿ってクルマを走らせていると、いたるところにこんな立て看板がありました。クルマが走っているような人里まで、熊が出てくるんですね。
2008年06月26日
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フライフィッシングというと、「マニアックな釣り」と思っている人は多いと思います。正解です。だからこそ、面白いわけですが、フライをやる人に凝り性な人が少なくありません。俳優の國村隼(じゅん)さんも、その一人です。國村さんは、昨年から放送されていたサントリーオールドのCMで、娘を訪ねて上京してくるお父さん役に扮し、その渋い演技で話題になりました。彼の渋めの相貌と声から、バイプレーヤーとしてリドリー・スコット監督の「ブラック・レイン」、クエンティン・タランティーノ監督の「キル・ビルVol1」、日本映画の「ローレライ」「交渉人・真下正義」「日本沈没」など、実に多くの映画に出演してきましたが、NHKの朝の連続ドラマ「芋たこなんきん」では、主人公の夫・かもかのおっちゃん役で、お茶の間の顔として定着しました。國村さんは時間が空くと、渓に飛んで行き、フライを楽しんでいます。ニュージーランドの南と北の両島にも、一人で出かけていくほど熱中しています。実は、今月の22日に発売になる「フライロッダーズ」のインタビューページに、國村さんに登場していただいたんですね。1時間にわたってフライの楽しさ、フライ・タイイングの面白さを伺いましたが、國村さんの言葉の端はしに、フライフィッシングに対する熱い思いが伝わってきます。書店で見かけましたら、是非、ご一読ください。
2008年03月15日
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