自分自身のなかへの旅

自分自身のなかへの旅

東洋のセルフコントロール 1

西洋流のセルフコントロール法は ストレスに満ちた現代社会の合間に
さまざまなリラックス法をうまく取り入れることである

たとえばバーデン・バーデン(西ドイツにある世界一の健康センター)は
温泉・森林浴・スポーツ施設などを統合している
ここで強調されることは「リラックス=健康」といった
単純明快な原則であり それはそれなりに効果をあげていると思う

しかし 緊張とリラックスをくり返すだけではなく
ストレス多き日常態のなかにあって
つねにストレスをやわらかに受け止められるような
セルフコントロール法を身につけることの方が重要なのでは…

これは武道で言うところの「動にして静、静にして動」の呼吸である
つまり 外界からの刺激や情報だけにふりまわされず
自分の内界(シーア)からの声(自己観察・感情・身体的欲求など)に
耳を傾けられる「心の余裕」をもてるように
セルフコントロール;自己を整えることではないだろうか

剣聖 柳生石舟斎師は言われた

   心が何かにとらわれれば
   剣は出ない
   見るともなく全体を見る
   それが見るということ
   この満天から見れば
   何もかもすべて同じ
   剣に一心になればなるほど
   錯覚していくもの
   ただ一人で生きているのではない

驚くべきことではあるが ヨガや座禅にはこの工夫がなされている
たとえば 座禅の状態は単なるリラックスではなく
緊張とリラックスの能率的な統合(静中の動)が保たれており
ヨガの体操ではダイナミックな動きを通して
瞑想(動中の静)に入るように工夫されている

このような状態は
「必要な反応はたえず適切におこなわれながらのリラックス状態」
「賦活を失わない弛緩」などと表現される

谷川岳


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