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1月14日(火)三連休の最終日、ポカポカの良い陽気でした。早朝は雲が広がっていましたが、気が付いたら晴天に・・・。陽気に誘われ船橋三番瀬に行ってきました。末っ子も珍しく行くというので一緒にお出かけ。偶には広い青空の下でボッとするのも良いでしょう。昨日の潮回りは中潮。深夜の干潮はバッチリ引きますが、昼間の干潮は中途半端。それにしても干潟が全く出現しないわけではなく・・・。干潮は12時過ぎなのでゆっくりと自宅を出発しました。1月の連休は皆さんお出かけ疲れか成人式か、以外と道はガラガラに空いていてあっという間に到着してしまいました。思ったよりも干潟にシギ・チドリは出てこなかったものの、ウミアイサの大群の追い込み漁や大きなボラを抱えたミサゴ、居眠りばかりのビロードキンクロや人気者オニアジサシの姿を見ることができました。その様子はまた後日。今日の日記は三連休の初日のこと。藤沢の名店「そば酒房 陽ざ志」さんに行ってきました。いつも通り、お蕎麦良し、お酒良し、肴良しの三拍子が揃っていました。いや、益々パワーアップしてきた感がありました。カウンターの上に大きな黒板。 年末に細工をされたそうです。この黒板には、グランドメニューにない、店主の渡邊 充寛さんが全国より厳選したお酒や肴が紹介されています。手書きの日本地図の上には、何処の県が産出したお酒か、肴かがプロットされていて実に分かり易いです。そのうちに全都道府県が埋め尽くされるのではないかと期待をしております。このお酒は毎年恒例のお正月の振舞い酒。今年は秋田県由利本荘市の天寿酒造が醸した「天寿 純米大吟醸生酒」でした。香が立ち程よい酸味が味を引き締める、スッキリとした美味しい日本酒でした。隣は滋賀県の竹内酒造の「日向へべすのおいしいお酒」。昨年末に訪問した時以来、奥様のお気に入りのお酒です。「へべす」とは聞き慣れないものですが、宮崎県特産の柑橘なのですね。漢字では「平兵衛酢」と書くようですが、江戸時代に平兵衛さんが発見したそうな。日向は「ひゅうが」と読みたくなりますが、「ひむか」と読ませるそうです。お料理では、すだちやかぼすと同じように使えるのだとか。へべすは酸味がまろやかで香りが強いのが特徴。この果汁を日本酒に加えた新しい感覚のリキュールです。奥様がチョイスした「珍味の三種盛り」。左奥は小田原産の干しほたるいか。真ん中は福岡産の醤明太(ひしおめんたい)。 右は静岡西伊豆産のしおかつお。醤明太は初めて食しましたが、ピリ辛で実に美味なるものでした。明太子の皮の佃煮だそうですがお酒が進みます。 御飯も進みそうです。これは「旬野菜のサラダ」だったかな。 早くも記憶があやふやです。写真撮る前に食べ始めてしまい、左右が少し痩せてしまっておりますな。美味しいものは取っておけない質なのです。記憶があやふやになっている原因はやはりこれですね。「飲み比べ三種」。 自分で指名もできますが、これは店主の渡邊さんにお任せ。左から「新政(秋田県)」、「里音(神奈川県・さとのおと)」、そして一番右は「庭のうぐいす(福岡県)」 というラインアップです。秋田県を代表する新政酒造の逸品。まるで洋酒のようなラベルが貼られていますが生粋の日本酒ですよ。毎年出される干支シリーズの2020年版。新年の元旦に出荷される「純米しぼりたて」です。とてもフルーティーなお酒でした。 インパクト大です。最近の日本酒のラベルは工夫されていてきれいな意匠が多いのですが、新政酒造のラベルも突き抜けているものが揃っていますね。奥様の二杯目は「はんなり柚子」。これもまた、竹内酒造が造ったリキュール酒。こちらも負けじと、更に「飲み比べ三種」。この辺で、店主のお父様もお店に顔を出されました。一緒に四方山話をしているうちに、すっかり呑み過ぎシールですな。更にお酒の追加。この日は電車に乗って藤沢まで行きましたから、何の心配もなく調子よく呑み過ぎてしまいました。 いや本当に・・・。最後のほうはお酒の味も良く分からず・・・。この間、「そばコロッケ」や「せいろそば」もいただきましたが、写真撮るのを忘れ、ムシャムシャと食してしまいました。我が家からは、一回乗り換えの1時間45分ほどのショートトリップですが、通勤のことを思えばそれほど苦でもありませんね。本音を言えば我が家の隣にあると嬉しいのですがね。冒頭に三拍子揃ったと書きましたが、店主・渡邊 充寛さんのお人柄も素晴らしく、端々に丁寧なお仕事振り、お客さんに対する気配りが感じられ、静かなジャズが流れるお店の雰囲気も合わせ、何拍子も良しの素敵なお店です。あまり間を開けずに、また訪問したくなりました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2020.01.14
4月13日(土)今日は昨日とは打って変わって、お陽様が大活躍の暖かい一日となりました。 絶好のお花見日和となりましたね。4月11日に神奈川県藤沢市の「そば酒房 陽ざ志」さんに伺いました。このお店は2017年4月11日に開店しましたから、一昨日はきっかり2周年記念の日、3年目に突入の日でした。店主の渡邊充寛さんとは、彼のお父上と浅からぬご縁がありまして、それはそれは我が息子のことのように嬉しいわけです。ところが予約した時点では、迂闊にもこのことに思いが至らず・・・。渡邊さんのfbを見て気が付いたわけです。従いまして、2周年記念日を狙ってお邪魔したわけではないのですが・・・。何やら因縁生起めいたものを感じております。何はともあれ、美味しいお料理と美味しいお酒をたんまりといただきました。因みにお店の website はこちら。 ご参考まで。https://www.facebook.com/sobashubou.hizashi/横浜の大学に通う末っ子とも合流し、奥様と三人でお食事会スタートです。親爺がお酒を物色している間に、奥様がお料理をチョイス。 さくさくと注文しています。 お料理の紹介からしていきましょうか。まずはポテトサラダ。 多くの居酒屋さんではある意味看板メニュー。ポテトサラダの出来栄えでお店の良し悪しを決める人もいるそうな。 否、本当のお話。もちろん「陽ざ志」さんのポテトサラダが外れのわけはありません。三人であっという間に平らげました。 速 お代わりしても良かったですな鮮魚のカルパッチョ。この日のお魚はカレイ。 何カレイかは聞き忘れました。バルサミコのソースが良い香り。お刺身をわさび醤油で食しても美味しかったと思います。だし巻き玉子。このような基本的なお料理は、作る人の腕前が如実に表れます。フワ・トロ・ジューシー。 言うことなし。 KOされました。残念ながらこの味は家では作れません。鳥のキジ焼き。 これは日本酒と会いますよ。お皿も素敵ですね。 確かお店のお客さんの手作りだとか・・・。きなしょうがの天ぷら。佃煮の天ぷらですが、丁度良い塩梅です。お酒がグイグイ進みます。最後の〆はやはり手打ちそば。せいろそばに天せいろ。 きなしょうがもご一緒に。 一つ減っていますがね。お蕎麦も美味しいのですが、いつも感激するのがそばつゆ。甘からず辛からず、ふわっと良い香りがします。出汁は鰹節のみで取るのだそうですが、この他は砂糖、醤油、味醂のみで作る返しと合わせます。鍋や入れ物の材質まで吟味して作るのだそうですよ。次はいただいた日本酒のラインナップ。いつも旬のお酒を全国から集めています。 全て純米酒以上。最初のお酒は、富山県砺波市の若鶴酒造の「苗加屋マイスターズブレンド」これは山田錦の純米吟醸と雄山錦の純米吟醸をブレンドしたお酒。若鶴酒造は北陸地方唯一のウィスキー製造所でもあります。そこでの経験や知識・技術が、ユニークなブレンド純米吟醸酒に結びついているのかもしれません。「苗加屋」は「のうかや」と読みます。創業家が砺波郡苗加(のうか)という地で旅籠を営んでいて、「苗加屋」という屋号であったことからブランド名にしているそうです。 詳細はこちらをどうぞ。アッサンブラージュとは、フランス語で「寄せ集め」の意味なのだそうです。続いて宮城県一ノ蔵の「特別純米素濾過生原酒」です。一ノ蔵は、以前から全国に名を馳せた有名な酒蔵ですね。白幡さんという契約農家が栽培したササニシキが酒造米。素濾過とありますが、一般的な活性炭を使用した濾過は行わず、いわゆるフィルターを通しての濾過を行ったとの意味のようです。活性炭は臭いや雑味を取り除く効果が期待できますが、それだけにそのお酒の個性も取り除くことになりかねませんね。素濾過にすることで、ササニシキの香りや甘い味がそのまま出ています。お次は、三重県森喜酒造場の「妙の華 challenge90 30BY 第15章」です。このお酒はある意味、酒造の常識を覆すような意味があります。店主の渡邊さんも、昨年第14章を飲んで一番衝撃を受けたお酒としています。親爺も一口いただいて、思わず「美味しい」と声を発してしまいました。酸味と甘みと旨味のバランスが非常に良く感じられました。精米歩合が90%と聞きますと、なまじ日本酒のことを少し知っている人は軽く勘違いを起こします。えぇ~90%も磨いちゃうのかと。 ちゃうちゃう違いまんがな。ちゃんとラベルに純米酒とありますから、そんな有りえないことなのですが・・・。日本酒神話の一つに精米歩合のことがあります。即ち、お米の周辺部分を削り、磨けば磨くほどすっきりとした香りが良い高級な良いお酒になると・・・。いわゆる大吟醸と名乗れるお酒は、精米歩合50%以下なのです。半分捨てちゃうということです。 それだけ多くのお米を使いますから贅沢な造りですね。その発想の延長線上で考えると勘違いをしてしまいます。このお酒はその真逆で、ほとんど磨かず残しているということなのです。だから名前に「challenge90」とあるのですね。これは確かに衝撃級の試みです。 いや本当に美味しゅうございました。さてさてお次はと、順番が逆だったかな。少しアルコール度数が高い生原酒ばかり飲みましたから、酔いが回ってきましたか、記憶が定かではなくなりました。鳥取県の太田酒造所の「辨天娘 青ラベル」です。2周年記念の振舞い酒でいただきました。いや~。 ラベルが渋いっすね。 これぞ日本酒という意匠。こういうデザイン、昭和の若かりし頃を思い出して良いですね。で、またこれがなかなか訳ありのお酒です。純米酒なのに純米酒とは名乗っていない。 何故でしょう。詳細は「陽ざ志」さんの website を見てください。 こちらです。https://www.facebook.com/sobashubou.hizashi/熱燗で美味しくいただきました。最後はこれ。遂に奥様と末っ子を放り出して、店主のお父上と始めちゃいました。新潟県佐渡島の逸見酒造の純米酒です。とても小さな酒蔵で、小さなタンクで丁寧に醸されている模様。「嵐にしやがれ」という日テレの番組で紹介され、現在入手困難なお酒のようです。いわゆる新潟系の端麗辛口ではなく、フルーティーな香りとコクを感じました。少々飲み過ぎてしまいましたが、お話も弾み楽しい一時でした。最後は奥様の手により、首に縄を付けられ泣く泣く我が家に帰りました。湘南にお住まいの方は、湘南にお住まいでない方も、是非一度「陽ざ志」さんにお出かけになられてはどうでしょうか。美味しい、居心地良い、リーズナブル、三拍子揃った名店です。毎回伺うたびに、様々な日本酒とも出会えます。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2019.04.13
1月25日(金)今日夕方から深夜にかけて、やや気圧配置が不安定になるようですが、雨が降ることはないようです。七十二候では、今日から1月29日までの期間を、「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」としています。七十ニ候は二十四節気を約5日毎、3期間に区切っていまして、それぞれを、初候、次候、末候と呼んでいます。水沢腹堅は大寒の次候・真ん中ですから、大寒の中の大寒。 The 大寒 ですか。沢水さえも凍る厳冬の時期という意味です。北関東の山地では大きな滝さえも凍ってしまいます。寒さ厳しい折ですから、体の調子には気を付けましょう。 寒川神社を後にして、奥様と親爺は湘南地方を南下します。藤沢にあるお蕎麦屋さん、「そば酒房 陽ざ志」さんに寄るためです。開店してから2年弱。 すっかり湘南の名店に仲間入りしていますね。一昨年の「藤沢・辻堂本」に始まり、昨年は「蕎麦春秋」という雑誌に掲載されました。「蕎麦春秋」は聞き慣れない雑誌名ですが、年4回発行される日本蕎麦の専門誌です。今年は2月に発行される「藤沢食本」という雑誌に掲載される予定だとか。更に大化けが予感されるこの頃ですな。奥様と親爺は開店当初からお世話になっております。しかし地理的ハンディがありますので、半年に一度位しかお邪魔できませんな。そうはいっても、暫く経ちますと禁断症状が出てきます。お墓参りの後は遠回りしてでも必ず寄っています。お墓参りのついでにお店に寄るのか、お店に伺うついでにお墓参りに行くのか、と陰口まで出てくる始末です。とにもかくにも「そば酒房 陽ざ志」さんに突撃です。新年は4日までお休みで、この5日が口開けの日。どうせなら新年最初の客になろうと、渋滞を避けながらひたすら先を急ぎました。途中で一度道を間違えましたがたいしたロスにはならず、開店時間の11時30分近くには、藤沢駅南口周辺に到着しました。お店の近くの駐車場に車を置き、開店時間ジャストに滑り込み。目論見通り、今年一番の客になることができました。店主の渡邊 充寛さんと新年のご挨拶もそこそこ、さっそく注文です。今考えますと随分とがっついていましたな。そう言いましてもお店の微細な変化には気が付きましたよ。まずエレベータ前の立て看板。 写真付きでイメージしやすくなりました。そしてこの箸袋。 篆書でお店の名前が書かれ判を押したような素敵なデザインです。先ず出てきましたのが「旬野菜のサラダ」。上には揚げたお蕎麦がのっていて、パリパリ感が絶妙なアクセント。写真を見るとプチトマトの数が半端で位置が変。既に奥様に食べられてしまっていたかな。これはそば焼味噌。奥様はすかさず胡桃が入っていることに気が付きました。揚げたお蕎麦も入っていますよ。ネギや鰹節で旨味を足して、最後はバーナーで炙って芳ばしさを引き出しています。しゃもじに乗っています。 味は勿論、見た目もナイスですな。さて、このお店に来て日本酒をいただかないわけにはいきません。真昼間ですけどね。 奥様公認です。日本酒の品揃えも、研究熱心な渡邊さんが吟味しています。実は渡邊さんのお父上も日本酒などお酒ににはうるさくてね。親子でああでもないこうでもないとやっていますから、とても充実したコレクションです。ただし、下のような黒板に書かれている銘柄は、醸造量が少ない季節限定品ばかりで、入荷したら早い者勝ちです。この日の黒板でも寫楽は既にアウトでした。それでも、次から次へと新しい地酒を揃えますので、呑み損ねても次に期待ができます。何れも此れも美味しそうですが、勧められるまま、一番上の岡山の御前酒を注文しました。最近歳と共にお酒はめっきり弱くなってきました。1合を頼んでしまいますと、いろいろ呑めなくなってしまいます。その点、こちらではグラス一杯から楽しめます。 だいたい5~6勺位でしょうか。呑んだことがないお酒ばかりです。 利き酒をしながら味わうには丁度良い量ですね。この御前酒は、菩提酛(ぼだいもと)という醸し方で仕込まれています。この菩提酛は日本で一番古い、室町時代には確立されていた酒造法なのでそうです。酒蔵に棲み付く天然の乳酸菌を利用します。時間と手間が掛かりますから手掛ける酒蔵は極僅か。とても貴重なお酒です。しかも中取りという贅沢な絞り方で、無濾過火入無しの生酒。アルコール度数は少し高めの17度。 原料は全て岡山県産とのことです。飲んでみますと、甘味、酸味、旨味などのバランスが非常に良く、ほのかにフルーティ。いきなり美味しいお酒をいただいてしまいました。岡山県の辻本店の逸品でした。この通り、1月5日が新年最初の営業です。下の写真はきなしょうがの天ぷら。正確に言いますときなしょうがの佃煮の天ぷら。ずっと前から定番メニューになっていて、気にはなっていたのですが食したのは初めてです。きなしょうがは熊本県小川町海東地区でのみ栽培される希少な生姜なのです。漢字で書くと黄生姜。 何故栽培されているのがここだけなのか。この地区は元々生姜の栽培が盛んなのだそうです。20年近く前のある日のこと、生産者さんのお一人が、偶然にも普通の生姜よりも色が黄色い生姜を発見したのだそうです。自然に生まれた突然変異種なのでしょう。変色せずに美しい黄色を保ち、香り高く、辛みのある上質な生姜だったのです。これが「きなしょうが」の元です。元株を毎年株分けしながら、次第に栽培面積を増やしていったそうなのです。今ではきなしょうが生産者組合が作られ、ブランド生姜に育てようという動きもあります。といいましても、栽培農家さんの数はおそらく現在でも一桁台でしょう。それ故、入手困難であり、幻とも言われる希少な生姜なのです。店主・渡邊さんの料理・食材に対する造詣の深さ、研究熱心さが窺えます。これお勧めです。 素直に美味しいです。元が佃煮ですから辛みはあまり感じられず、逆に甘さを感じました。しょっぱくはありません。触感はシャキリとネットリの中間ぐらいかな。生姜は身体を温めますから寒い季節には持って来いです。この他、酒の肴は全国から選りすぐりの珍味を揃えています。小田原産の干しホタルイカ、福岡の醤明太や、秋田産のぎばさ海苔、石川産のからせんじゅ等、知っているもの知らないもの様々です。ホタルイカは富山湾が有名ですが、相模湾や駿河湾でも捕れるのですよ。秋田のぎばさ海苔は知りませんなぁ。 石川のからせんじゅも同じく。ぎばさ海苔はホンダワラ科の海藻、標準和名アカモクのことでした。現在赤丸上昇中。他の海藻同様に、健康に良い機能性の高い食品です。からせんじゅとは何でしょうか。漢字で書くと唐千寿。唐墨のようで唐墨ではない、しかし見た目も味も食感も唐墨擬きなものだそうです。原料はボラの卵ではなくて、卵黄やタラなどの魚卵から作られています。唐墨は高いからねぇ。 代替食品ですな。 これを知っている人は少ないでしょう。渡邊さん、本当に面白いものを探してきますね。今度伺った時には食してみましょう。続いてのお酒は残草蓬莱純米しぼりたて。神奈川県は愛甲郡愛甲町の大矢孝酒造が醸した純米酒です。この地は神奈川県でも比較的山がちなところです。丹沢山系の伏流水を使っています。これまた絞ったままの生原酒ですね。残草は「ざるそう」と読みますが、蔵がある地域の小字(古地名)が残草なのだそうです。蓬莱は、元々古代中国で東海上にあり仙人が住む仙境のことです。従って残草蓬莱は残草の地の理想郷のイメージでしょうかね。新酒にも関わらず、かなり濃厚な飲み口に感じました。これは自家製そば豆腐。蕎麦粉と葛粉で作られています。 クルミの粒々がアクセントとなります。鶏モツの山椒煮です。山椒ときなしょうがの香りが鶏モツの旨味とジャストマッチ。下手な評論は無用です。奥様が注文の鴨南蛮です。寒い時期は人気のメニューなのだそうです。このようにメニューが増えているとともに、お品書きも新しくなりました。指モデルは我が家の奥様。写真入り、解説付きで分かり易くなりました。それぞれのお料理にお勧めの日本酒も付いています。ここに載っているお酒は、常に常備しているラインナップです。レギュラーメンバーは11種。黒板に書かれた季節ものも含めて、20種ほどの全てが吟味された純米酒以上のお酒です。他のお店では見られないような蔵もものもありますから、日本酒党には垂涎ものですな。指モデルの大役が終了した奥様も梅酒を注文しました。純米酒を使用した梅酒です。忍者の里、三重県伊賀市の森喜酒造場がつけた梅酒。「かる~い」の文字通り、爽やかで軽口の梅酒でした。親爺は千葉県夷隅郡御宿町の岩瀬酒造が醸した岩の井純米吟醸生酒を注文。ラベルに玉栄(たまさかえ)とありますが、これは酒米の銘柄ですね。岩瀬酒造は山廃仕込(やまはいしこみ)が得意な酒蔵です。仕込み量の2/3は山廃仕込なのだそうです。山廃仕込は、山卸(やまおろし)という工程をやめた醸造法で、明治末期から始まりました。 山卸廃止であり省略すると山廃仕込となります。裏のラベルの写真を撮り忘れたので、このお酒が山廃仕込かどうか詳細は不明です。無濾過の生酒であることは間違いありません。飲み口はズシンと来る男酒の印象です。飲み終わるころにはかなりいい気分になってきましたよ。〆にはやはりせいろ蕎麦をいただかないと。冷水でよくしめられ、しっかりと水切りされた二八蕎麦。親爺好みの硬めに仕上げられています。これが秀逸の蕎麦汁と絡み合い、えも言われぬ美味なのです。蕎麦汁は鰹節のみで出汁をとり、きりっとしながらも甘みも感じしょっぱくない、何とも優しいお味です。そろそろお暇しようかという段になって、藤沢のとちぎやさんという酒屋さんが、新たなお酒を配達してきました。このうちの一本は、渡邊さん曰く、真ん中の純米樽酒はお正月の振舞酒だということです。奥様の梅酒で記しました、伊賀上野の森喜酒造の純米酒をとちぎやさんが樽酒に仕立てました。新年らしく杉樽の香りがほのかに薫る祝酒であります。遠慮しつつ、否、遠慮なくご馳走になってしまいました。「そば酒房 陽ざ志」の店主・渡邊さんは、まだお若いながら、謹厳実直、温厚篤実、優しくて何事も丁寧です。蕎麦文化、食文化を広め継承していこうと、種々の活動もされています。お店の雰囲気はそのお人柄を映し、誠に居心地が良いのです。厨房の物音はほとんど聞こえてきません。 いつの間にかお料理ができています。ほぼお一人で切り盛りされていますから話し声もありません。出されるお料理の順番、お酒のタイミング、全てに気を使われています。聞こえるのは、BGMのジャズとお客さんの静かな話し声。美味しいお酒に美味しいお料理。 そして集まるお客さんも上質。このようなお店が我が家のご近所にもあったら良いなと常々思います。既に人気店ではありますが、2019年は大ブレークの予感がします。それはそれで複雑な心境です。予約も取れないようなことになっては、気軽に伺えなくなってしまいますからね。湘南にお住まいの方々が羨ましいですな。気になる方はお店のFacebookをご覧ください。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2019.01.25
9月30日(日)台風24号は強い勢力を保ったまま、今日から明日にかけて日本列島を横断する見込みです。関東地方は今晩遅くから明日未明にかけて風雨が強くなりそうです。厳重な注意が必要ですね。茨城県下妻市で、ソバのお花を観賞しましたら、やはり猛烈に美味しいお蕎麦を食べたくなりました。お彼岸の三連休の初日、お墓参りの予定を組んでいました。お墓は八王子。 行って帰るだけでは、時間とガソリンの無駄ですね。それではそのついでに、藤沢駅前の「そば酒房 陽ざ志」さんに寄ろうとなるのは当然の展開ですね。いやいや、「陽ざ志」さんを訪問するついでにお墓参りこれでは主客転倒、天罰が当たりそうです。まぁ、今年のお正月と同じパターンですけれど・・・。久しぶりのことなので、お店の地図を貼っておきます。朝の6時過ぎに我が家を出発。ちょいとアクシデントがありまして、出かける時間が何時もより遅くなってしまいました。高速道路は渋滞必至と思われ下道を走ります。なんたって三連休の初日ですからね。しかしね、下道もけっこう混んでいました。お墓に着いたのが10時過ぎ。 急いでお掃除してお線香をあげて。はい、藤沢に向けて出発。やはりお墓参りがついでになってしまいました。 罰当たりな夫婦ですな。12時にはお店に到着したかったので、圏央道から新湘南バイパスを繋いで時間を稼ぎます。藤沢インターから国道1号線に出ますが、当然車の列が繋がっています。ええいままよと脇道に入り、ナビを頼りに細い道を進みます。小田急江の島線の本鵠沼駅の脇を通り、江ノ電の石上駅の近くにひょっこり出ました。ここまで来ればあと少し。 車を駐車場に入れて無事「陽ざ志」さんに到着です。マスターの渡邊充寛さんとご無沙汰のご挨拶もそこそこに早速注文します。急ぐ旅でもあるまいしと、真っ昼間からお酒もいただいちゃいました。最初は海老名市にある泉橋酒造の「いづみ橋 秋とんぼ」。アキアカネが里を乱舞するこの時期にふさわしい、冷卸(ひやおろし)の季節感あふれる極上の一杯ですね。ラベルを見ますと、秋とんぼの中でも「楽風舞」という新しい酒造好適米を使用した純米吟醸酒です。精米歩合:55%、日本酒度:+3、酸度:1.9。以前の日記でも登場している泉橋酒造は、「栽培醸造蔵」と自ら名乗る、原料の酒米から一貫して製造を手掛ける全国でも珍しい酒蔵です。自社酒蔵の周辺や相模川沿いの座間市、相模原市にある田圃を耕すのは、社員さんと契約農家さんからなる「さがみ酒米研究会」のメンバーです。ほぼ全ての原材料の出所が分かっていますので、究極のトレーサビリティ体制を確立しているわけで、ここの酒蔵のお酒は、飲む側としても安心して飲めるわけですな。しかもですね、醸造するお酒は全てが純米酒。醸造用アルコールなどで薄めない、本物しか作らない拘りようです。そのような「いづみ橋」を、「陽ざ志」さんは創業以来飲ませてくれるわけです。楽風米は、「国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構」が開発し、2014年に品種登録したばかりの酒造米のニューカマーです。この楽風米を使用した「秋とんぼ」ですが、淡麗で柔らかい香りのなかにもしっかりとした味わいがありました。同じ「秋とんぼ」でも使用している酒米は、楽風米を始め、山田錦、雄町などがあります。それぞれ独特の味わいがあるようですが、楽風米しかいただいていないので全貌は不明です。とにかく話題満載の泉橋酒造ですが、これ以上はまたの機会に譲りましょう。下の写真はトマトジュレ。丁寧に湯剥きされたトマトに、お出汁ベースのジュレがかかっている一品。イタリアンの趣ですが、しっかりと和風です。ポテトサラダ。何気ない風貌ですが、とても丁寧に作られています。親爺の友人には、居酒屋の値打ちはポテトサラダで決まる、というほどのポテサラ中毒がいますが、きっとお気に召すことでしょう。ランチタイムのセットメニューの店内表示。奥様はこれが目当てであったようです。1Fエレベータ前の看板でも、しばらく確認しておりました。そして注文した組み合わせは、せいろそばととりのタレ焼丼の組み合わせ。親爺はもう少し日本酒をいただきます。今度は若波酒造の純米吟醸です。 福岡県大川市の酒蔵ですね。蔵の酒造りのコンセプトは、「味の押し波、余韻の引き波」だとか。親爺にはとろりと感じた余韻がとても印象的でした。最近、女性杜氏が活躍する酒蔵が増えましたが、この若波酒造も当主の姉さんが製造統括を務めています。女性ならではの繊細な嗜好が、日本酒の進化を推し進めています。今日頂いた日本酒、どちらも一升瓶のラベルが非常にシンプルで字が小さいですね。その代り、中央を占めるイラストはその蔵のコンセプトを強烈に表現しています。何時来ても「陽ざ志」さんのせいろそばは絶品ですね。お蕎麦も美味いが、そばつゆも極上。先日、渡邊充寛さんのお父上と都内某所で昼食を共にしました。お蕎麦をいただいたのですが、何ともそばつゆが物足りなくて駄目出ししていたのですが・・・。手打ちの十割蕎麦を売りにしていますが、やたらと麺線が細いのです。素麺かと見間違うような細さです。しかし、何ともそばつゆの味に濃い旨味を感じないのです。鰹の良い香りはしていますのにでした。そのお話を渡邊さんにしたら、それは和食で使う出汁をベースにしているからでしょう、と即座に種明かしをしてくれました。和食の出汁とお蕎麦の出汁は、基本的に取り方が違います。なるほど、そのお店は確かに和食全般を手掛けていましたよ。渡邊さんはお若いのに、料理全般良く研究されていて造詣が深いですね。とにかく、お蕎麦はお蕎麦屋さんでいただきましょうということになりました。梅酒の品揃えも増えていますね。山田十郎とかざみ草は、「いづみ橋 秋とんぼ」の泉橋酒造が手掛けた梅酒なんだそうです。酒米にも拘っていますが、梅酒の梅にも拘っていそうです。ベースのアルコールは当然日本酒です。次回は飲んでみましょう。ナスの煮びたし。このようにシンプルなお料理は誤魔化しが効かないものです。「陽ざ志」さんの煮びたし、美味しいですよ。意地汚くも、お出汁まで飲み干したくなってしまいます。当日の日本酒のラインナップ①。ラインナップ②他のお客さんが皆お帰りになったので、席を離れて撮影させていただきました。吟味された地酒が揃っています。デザートです。 上に乗ったソバの実がアクセント。香ばしくてカリカリしていて、お腹一杯なのに美味しくいただけます。店内の壁には、古いジャズのアルバムジャケットが飾られています。何故かは、次回の訪問日記に取っておきましょう。こちらは夜の営業用の看板です。今回も美味しいお料理とお酒をいただくことができました。ご馳走さまでした。昼間からほろ酔いの親爺の酔い覚ましに、このあと江の島方面に向かいます。このことは明日の日記で記しましょう。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2018.09.30
1月8日(月)今日は三連休の最後の日。 成人の日です。新成人の皆さん、社会の良き市民とならんことを祈念いたしますよ。朝は陽が差していますが、お天気は次第に下り坂のようです。意地悪なお天気ですね。 晴れ着の女性は大変です。上層の白い薄い雲は西から東へ、低層の少し黒い雲は南から北にと、それぞれかなりの速さで流れています。先週の土曜日、1月6日に奥様とお墓参りに行って来ました。お墓は東京都は多摩地区の八王子にあります。以前そちらの方に住んでいたことがありまして、親爺の母親のお墓は、そんな遠い処にあるのですよ。朝の5時過ぎに我が家を出発。高速道路を使わずに、下道をゆっくり走っていきます。お墓に到着したのは8時半頃。お墓参りを済ませた後、国道16号線を南下して橋本五差路にでます。そこから国道129号線に入り、相模川に沿って更に南へ向かいました。何処に行こうとしていたのかって。行先は藤沢なんですよ。 「そば酒房 陽ざ志」さんで、お昼御飯をいただこうという趣向なのです。お墓参りの後は、横浜中華街に寄ることが多いのですが、今回は行先変更です。奥様も親爺も、もう3か月以上「そば酒房 陽ざ志」さんのお蕎麦を食べていません。禁断症状ですかね。 「行きますか」、「行こう行こう」となったわけです。途中で、相模国一宮の寒川神社に寄りましたが、12時過ぎには藤沢に到着しました。お店の扉の向こうは食べて良し、飲んで良しの桃源郷です。お久し振りとご挨拶の後、お酒とお料理を注文します。車で来たのですが、「そば酒房 陽ざ志」を訪って飲まないわけには参りません。またまた、新しい日本酒がラインナップされています。マスターのお父上お薦めの「寫楽」注文しちゃいました。 ハンドル大丈夫なんですか。大丈夫なんですよ。 お食事の後は江ノ電で江の島観光行きますから。戻ってくるまでに酔いは醒めちゃいますよ。お料理のほうは、まだ食したことのないものをいただくことに決めていました。どれもこれも美味しそうですからね。奥様はランチタイムセットメニューから、「せいろそば+とりタレ焼き丼」をチョイスします。お薦めの酒肴からは、そばコロッケを選びます。これは「トマトジュレ薬味のせ」という、グランドメニューにある酒の肴の逸品。和洋の見事なコンビネーション。 トマトは一つ丸ごと湯剥きしてあります。上には貝割れ菜と、大葉と茗荷の千切りが添えられています。下のジュレが浸っているのは、ポン酢をもっと美味しくしようなお味でした。ウ~ン。 美味しすぎる。さて、これが「寫楽 純米吟醸 おりがらみ 生酒」の四合瓶です。福島県は、会津若松の宮泉銘醸株式会社が醸した、師走・睦月の限定品。酒米は五百万石。とても良い吟醸香が漂いますし、口に含めば果実のようなとても良い香りを感じます。お鼻もお口も大満足の、如何にも吟醸らしいお酒でした。奥様のセットメニューの片割れ、「とりタレ焼き丼」です。奥様が少し分けてくれます。香ばしく焼かれた鶏肉も然ることながら、タレが滲み込んだご飯の美味しいこと。お店の看板、せいろ蕎麦です。艶と張りがあって如何にも美味しそう。 見た目のポイントも高いです。一口噛めばソバの香が広がります。 歯応えがあって喉越しも爽快です。いつも感心するのは蕎麦汁です。辛くなく甘くもなく、上品な旨味は濃厚です。これも奥様のを少し分けていただきましたが、もっと食したい衝動に駆られました。カルパッチョ。 これもグランドメニューの酒の肴から。この日はサケのお刺身です。たぶん、バルサミコとオリーブオイルがベースのドレッシングが掛かっています。ブラックペッパーもかけられていますよ。貝割れ菜のピリ辛と黄色のパプリカの甘みが加わって、気分は最高イタリアンです。「Buono、Buono」お酒ももう一杯だけいただきました。1665年(寛文5年)創業、信州上田の岡崎酒造株式会社が醸しました、「信州亀齢 ひとごこち 純米酒 無濾過生原酒」です。「ひとごこち」とは長野県産酒造好適米の品種のことです。この酒蔵は女性杜氏さんだそうです。 透明感のあるすっきり辛口。幾らでも飲めそうな、危険な装いです。 度を過ぎると手痛いしっぺ返しをくらいそう。この信州亀齢をいただくと、微炭酸を感じるのですが、決してそうではないようですね。何でだろう。 とにかくお蕎麦にとても合うお酒です。そばコロッケ。 揚げ物なのに油を感じないあっさり感。 とても美味しいですよ。微妙に感じるお蕎麦の麺線が、普通のコロッケには無い食感を出します。親爺は「サラダそば」をお願いしました。 見た目も鮮やかな一品です。偶には、このような変わったものも良いですね。そういえば、以前いただいた「すずしろぶっかけそば」も美味しかったですね。すっかりご馳走になったところで、最後にランチタイム限定のデザートが出てきます。「そば茶のミルクティーゼリー」だったかな。すっかり良い気分になってしまい、記憶が曖昧になっています。この日も大満足の、「そば酒房 陽ざ志」さん訪問となりました。本当に我が家のご近所に欲しいお店です。湘南にお住いの方、湘南を訪れる予定の方、是非お寄りになっては如何でしょうか。我が家も何か用事を作っては、また訪いたいと思っております。ご馳走さまでした。この後、酔い覚ましを兼ねて江の島へぶらりと行きました。また、後日の日記でご紹介しましょう。 にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2018.01.08
8月13日(日)今日は、お陽様が照り付けましたけれど、湿度が低かったせいか、思ったより過ごしやすい一日でした。さて、今日は「そば酒房 陽ざ志さん」訪問の続き。昨日の日記でも書きましたが、今回の日帰り旅行の一番の目的は、藤沢の「そば酒房 陽ざ志」さん訪問です。久しぶりに美味しいお料理、美味しいお蕎麦、美味しいお酒を堪能することができました。お料理の続きは7月からの新メニュー、そばコロッケです。「オススメの酒肴」からの一品。写真を撮り忘れましたので、お店の facebook の写真をお借りしました。一番下のお料理です。お店の facebook の記事から引用しますと、「じゃがいもを使わずそばを使って作りました。...鶏挽肉と玉ねぎを炒め、塩胡椒、更に隠し味にそばつゆで煮ました。そして、茹でたそばとからめて形を整えてコロッケに!サックサクの食感と中はしっとり。味もしっかりついてます!コロッケそばはよくありますが、そばコロッケはなかなか無いですよ〜! 是非食べに来てください。」 です。熱っつ熱で、サックサクで、中はしっとり。 全くもってその通りですな微妙に感じるお蕎麦の麺線が新食感。 これもイケてますね純粋にコロッケとして食しても、レベル高いですよ。 ボォ~ノですここらで、新しいお酒をオーダーします。もう、「オススメのお酒」という黒板に書かれた銘柄を、上から順番に、全て制覇する気持ちになっていますからね。下の写真は、やはりお店の facebook の写真です。上から2番目のお酒は、地元、神奈川県の厚木市にあります蔵元、泉橋酒造の「いづみ橋 夏ヤゴ MOMO13(THIRTEEN) 純米酒生酛仕込」です。この蔵元、5月4日の日記にも書きましたが、田作りからやっているという、たいへんなごだわりをお持ちです。環境問題にも気を使い、トンボが育つ、トンボが飛び交う地域を目指していて、トンボのイラストが、蔵のコンセプトを表すイメージキャラクターとなっています。このお酒は夏限定なので、ラベルのイラストはトンボの幼虫、ヤゴです。トップや下の写真では少し見難いのですが・・・。使用米は座間市産の神力という種類です。このお米は、芒(のぎ又はのげ)がピンク色なので、お酒の名前にMOMOとあります。13(THIRTEEN)とは、ヤゴがトンボになるまでに13回脱皮することからきているとのこと。芒は、籾の先端に付いているひげのようなものですね。今時分、田圃の稲穂を見ますとどれだか直ぐに分かると思います。「いづみ橋 夏ヤゴ MOMO13(THIRTEEN) 純米酒生酛仕込」は、夏らしい、フルーティで爽やかな味わいでした。明治時代には、主として西日本の田圃は神力で埋め尽くされていたそうです。幻の米となっていましたが、平成以降、酒米として徐々に復活し始めているようです。続いて、群馬県は渋川市に酒蔵があります、聖酒造の「聖 純米吟醸」です。ラベルには、「酒の名を 聖と負ほせし いにしへの 大き聖の 言の宣しさ」とあります。奈良時代の歌人・大伴旅人が、酒を讃える歌として詠んだ十三首のうちの一首。万葉集の339番目の歌です。大伴旅人は万葉歌人の中で、とりわけお酒を愛された御仁のようです。「聖 純米吟醸」の使用米は、山田錦ですね。香、酸度、コク、キレのバランスのとれたお酒だった印象です。このお酒も夏季限定だったかな だいぶん良い気持ちになって記憶が曖昧に・・・。あまりお酒を飲めない奥様、酔っ払いの話についてこれず、お蕎麦を注文します。 シンプルなせいろそば美味しそうですな。 写真見ていましたらまた食したくなってきました。こちらは、すずしろぶっかけそば。大根の千切りと貝割れ大根と大葉と茗荷とのコンビネーションが冴えています。蕎麦汁をぶっかけずに、浸けて食べてみました。やっぱりぶっかけたほうがよかったかなぁ とにかく蕎麦汁も美味しいさて、「オススメのお酒」は2銘柄残っています。ちょっと心配顔な奥様を尻目に、次にいっちゃいます。鳥取県は鳥取市の山根酒造場が醸しました、「日置桜 特別純米生酒 山滴る」です。このお酒はフルーティーながら、なかなかの辛口。 やはり夏季限定です。甘味はあまり感じられず、爽やかな酸味が口の中で広がります。このお酒も美味しいですね。山滴るとは面白いネーミングですね、とマスターとお話ししながら、ついついぐいぐいと飲んでしまいます。夏山の奥地の岩から垂れる滴のイメージでしょうか。使用している酒米は山田錦です。酒米は全量鳥取県産。お米の生産者さん毎にタンクを分けているそうですが、こちらも相当な拘り具合を感じますね。楽しい宴もお開きの時間が迫ってきました。最後に残されましたのは、「あたごのまつ ひと夏の恋」。宮城県は大崎市の新澤醸造店が醸造しました純米吟醸酒です。使用米は、宮城県がほこる食米の “ひとめぼれ” 。新澤酒造店のコンセプトは、お食事の邪魔をしない「究極の食中酒」だそうです。マスターから大崎市と聞いた途端、6年前の東日本大震災の記憶が蘇ります。宮城県や岩手県では、多くの酒蔵が倒壊し、津波で流失しています。確か、新澤醸造店も壊滅的な打撃を受けたはず・・・。この蔵は相当な根性があります。全壊した蔵で、この年の5月1日から酒造りを再開しています。更に同じ年に、同時並行して別の地に新たな蔵を建て、とにもかくにも欠品を出すことなく、美味しいお酒を造り続けたそうですよお客様のこと、取引先のことを最優先にされたそうです。ラベルの可愛らしさからは想像が付かない、無骨な酒蔵でした。お味の方は、尖った角が無いバランスがとれた丸い感じ。この辺りは、相当良い気持ちになっていますので、いい加減な印象かもしれません。ほら、写真の一升瓶もちょっと傾いているでしょこれは、お店ではなくて、自分が傾いているのですよ。 危ない、家に帰れるかさて、オススメも全て制覇し、そろそろ切り上げることにしました。美味しいお蕎麦、美味しい酒肴、美味しいお酒、三拍子揃った藤沢の「そば酒房 陽ざ志さん」。 ゆっくりと堪能できました。今回は、特に夏酒シリーズが良かったですね。それぞれ拘りを持ち、地域密着で事業をされている蔵元ばかり。仕込水、酒米、製法、酵母、全てに哲学を持って酒造を営まれています。単なる酒造りではなく、それ以前にお米作りから始め、お酒創りをされています。陽ざ志さんでも、マスターとお父様が、十分吟味し厳選された 逸品 ぞろいです。おかげ様で、兵庫県、青森県、神奈川県、群馬県、鳥取県、宮城県と日本全国を旅した気分ですよ。今思えば、6銘柄をずらりと横に並べて、同時に飲み比べてみれば良かった。そうすれば、もう少しそれぞれの特徴を把握できたかもしれません。それはさておき、ハズレはありません。季節限定のお酒ばかりですから、伺うならお早めに何れも生産量が少ないですから、おそらく、蔵元、卸、ともに品薄のものばかりですよ最後に、「そば酒房 陽ざ志さん」の地図。藤沢駅南口から徒歩5分程度。 S119ビルの3Fです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2017.08.13
8月12日(土)早朝まで降っていました雨もあがったようです。昨日は、一日しょぼしょぼと降り続いてしまいました。その雨の中、奥様と鎌倉のお寺巡りに行きました。当然、藤沢の “そば酒房 陽ざ志” さんへの訪問もお目当ての一つ。といいますか、それは逆かな計画が決まった順から言いますと、鎌倉のお寺巡りの方が後なのです。即ち、こちらが時間潰しのための後付けのようなものです。奥様は、“そば酒房 陽ざ志” さんのお蕎麦の味が忘れられないようで・・・。夏休みに連れて行ってとおねだりされ、肯んじない理由は全く無く、「行こう行こう」となったわけです。もちろん美味しいお酒もお目当てですから、夜の時間帯に訪うことにしました。前回、家族で訪問しましたのが5月3日でした。 この時の様子は5月4日の日記に書きました。それからずいぶんと間が空いてしまったものです。訪れた鎌倉のお寺は、円覚寺、建長寺、報国寺、長谷寺です。この様子は後回しにして、まず “そば酒房 陽ざ志” さん の日記です。夜の営業が始まる午後5時ごろに、お店の入っているビルの1階に着きました。「陽ざ志」さんの看板の表側。 夜のメニューが幾つか紹介されています。日本酒の新しい銘柄も載っていますね。 期待に胸が膨らみます。看板の裏側はお昼のメニューです。エレベーターに乗って3階へ。シンプルなデザインの入口です。陽ざ志さんのロゴのデザインは、マスターの姉上様がされたと聞いています。良いセンスですね。 モダンな扉に良くマッチしています。生憎な天候のため、とりあえずお客さんは我々一組だけ。お好きな席にどうぞということで、カウンターの席に座らせていただきました。ご挨拶もそこそこ、奥様が食べたいものを注文しています。実は、親爺はトラブルを抱えておりました。鎌倉のお寺で写真を撮り過ぎて、α65の電池残量がほぼゼロ。お店のコンセントをお借りして、電池の充電から始まります。したがって、最初の1枚以降、しばらくはスマホで写真を撮っています。まず、「旬野菜のサラダ」。揚げたお蕎麦のパリパリの食感がアクセントです。振りかけられた粉チーズとの相性も良好。 真っ赤なプチトマトも食欲をそそる色合いです。最初のお飲み物。 奥様は梅酒。 「鶴梅」と「梅の宿」とどっちだったんだろう。親爺は、「龍力 純米酒 夏純米」です。 兵庫県は姫路市の蔵元、本田商店の逸品です。マスターのお父上に勧めていただきました。 メニューにはない特別な物。夏物らしく、爽やかで涼しげなブルーの瓶に入っています。やや軽めでサラリとしていますが、軽い酸味といい香りがたまりませんね。いきなり、たいへん美味しいお酒です。下の写真はスマホで撮ったもの。 機種はSHARPのSH-01G。こちらの写真は、α65で撮ったもの。やはりこちらのほうが、細かい解像度は格段に上ですね。 当たり前か「揚げナスの煮びたし」です。 たいへん優しいお味です。塩味は薄いのですが、しっかりと旨味を感じます。上にかけられた鰹節の香もたまりません。掛かり付けのお医者様から、塩分摂取に関して、厳重に注意喚起されている身としては、嬉しい限りです。「だし巻玉子」。 お出汁の旨味を味わえます。家庭ではなかなかできません。といいますか、家庭では再現不可能ではないでしょうかまさにプロフェッショナルな「だし巻玉子」です。 毎日でも食べたい。「オススメの酒肴」の黒板で面白いものを見つけました。「エタリの塩辛」です。 エタリって何だろうマスターにエタリとは何でしょうかと尋ねますと・・・。長崎ではシコイワシをエタリとよんでいるんだそうです。つまり、「エタリの塩辛」とは鯷(ヒシコ)のようなものでしょうか。洋風にいいますとアンチョビかな。シコイワシは標準和名ではカタクチイワシ、千葉県ではセグロイワシなどともよばれています。九十九里浜では、イワシのごま漬けという郷土料理があります。シコイワシを使った身近な食品では、いりこ、生シラス、田作り、畳鰯などがありますね。上述の如く塩分控えめの厳命が出ていますが、今日は汗をいっぱいかいたから、と勝手な理由をつけて思わずいただいちゃいました。お酒の肴には最高です。 お好きな方はこれだけで一升いけちゃうかも・・・。次のお酒は、お勧めボードの一番上にありました、青森県は青森市の西田酒造店が醸しました、「田酒 純米吟醸 古城乃錦」です。「古城乃錦」とは、使用された酒米「古城錦」からきています。「古城錦」は、「五百万石」と「青系50号」を掛け合わせて作られた酒造好適米です。しかし、近年はほとんど生産されていらず、幻のお米となっていました。西田酒造店が種籾を見つけ出し、地元農家に栽培委託しているとか。従いまして、「田酒 純米吟醸 古城乃錦」は生産量も少なく、入手困難なお酒です。しかも夏季限定。 「陽ざ志」さんでも早い者勝ちでしょう。興味のある方は、お早めにどうぞ一口目はサラリと感じましたが、二口目以降は田酒らしい、雑味の無い旨味を十分味わうことができました。 「そば酒房 陽ざ志」さんには、三時間ほどおじゃましていましたが、今日一日では書き切れませんね。日本酒も、このあと四銘柄ほどいただきました。どれもこれも夏向きの逸品揃い。 明日の日記で順にご紹介します。もちろんお蕎麦もねなお、今月の休業日は、14日(月)、21日(月)と27日(日)~30日(水)となっていました。ご訪問の際はご注意くださいにほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2017.08.12
5月4日(木)ということで、前の日記に記した通り、雨女奥様大明神へのお供物とお祓いを済ませ、いよいよ鎌倉・藤沢・江の島を目指し、珍道中の始まりです。今回のプチ旅行は、お目当てのお店があるんですよ。親爺が週1~2回は顔を出している、ある団体の常務理事さんの息子さんが、4月13日にご自分のお店をオープンさせたのです。場所は藤沢駅の近く。「オープンおめでとうございます。」ということで、そのお店でお昼ご飯をいただこうという趣向です。鎌倉やら江の島も訪れましたが、話がてんこ盛りで書き切れません。その話は後日にゆずるとしまして、今日はこのお店の話を書きますね。お店の名前は、「そば酒房陽ざ志」。藤沢駅南口から、江ノ電沿いの路を3分程歩いた右側のビルの3階に在ります。この写真は、お店のFacebookのページから転載です。 シンプルで良い雰囲気です。カウンターの一枚板がすばらしい。鎌倉を歩き疲れてお腹を減らし、江ノ電で藤沢に戻り、12時過ぎにお店に到着です。藤沢の街は初めての訪問で、お店探しに少し手間取りました。なかなか繁盛していました。 到着した時は満席です。親爺の仕事関係のお偉いさんも、息子さんとご一緒に厨房の中で働いていらっしゃいます。普段の仕事ぶりからは、想像が付かないお姿。 でも、なかなかお似合いの様子でもありました。この方、たいへんハンサムな方なのですが、洋食系のシェフといった雰囲気を漂わせています。少し待って、カウンターに席をつくっていただき注文です。これは、メニューの一部。 良心的なお値段の設定です。親爺と三男はせいろそばの大盛り、奥様はすずしろぶっかけそばの大盛りです。別にそばの実チャーハンを注文し、3人でシェアしました。これは、親爺と三男が注文したせいろそばの大盛りの写真。 ボリュームあります。お蕎麦は細身の本格派。 毎日、午前と午後に息子さんが打っているとのことでした。我が家好みの腰があって咽喉越しが良い、たいへん美味しいお蕎麦です。麺つゆはコクがありながら、塩気は控えめの上品な良い感じです。この写真は、奥様の注文したすずしろぶっかけそばの大盛りです。すずしろとは、ダイコンのことです。細く千切りにされたダイコンとミョウガに、カイワレ大根も散らしてあります。 千切りのダイコンは、もちろんカツラムキして千切りにしています。 手間かかっています。これが、そばの実チャーハン。 はっきり言って美味しいです。粒々しているのがそばの実です。これ、他所のお店ではなかなか見掛けません。味良し、量良し、お値段良し。 3拍子揃って大満足です。親爺のお酒も目当てで、夜も再度お邪魔することにし、一旦お店を出て江ノ電で江の島へ向かいます。江の島からは小田急で藤沢に戻り、再度訪問します。三男は天せいろの大盛り。 本当にお蕎麦が好きなんですね。天せいろの天ぷら。 家ではできない華やかさが漂ってきます。親爺と奥様は、酒の肴にポテトサラダ、そば衣のからあげ、だし巻き玉子を注文します。お蕎麦を衣にまとった鶏のからあげ。 揚げられたお蕎麦のパリパリ感がたまりません。だし巻き玉子はお出汁が効いた一品。 どのお料理も薄味ながらしっかりと旨味を感じます。親爺のお酒は、まずお勧めの「いづみ橋」。 神奈川県は海老名市の地酒。酸味、甘味のバランスが絶妙です。 これぞ地元でなければ飲めない良いお酒です。お次は「すっぴんるみ子の酒」。 生原酒。 アルコール度数17度と飲み応えのあるお酒です。最後は「五凛」。 金沢の天狗舞の別ブランドとのことでした。奥様は、奈良県の梅酒、「梅の宿 あらごし梅酒」を飲んでいました。甘さ控えめの飲みやすい梅酒です。美味しいお酒に酔いしれていますと、お客さんが次々と入ってきます。息子さんのお知り合い、友人の方が多いとのお話でしたが、なかなか良い客層が付いているようです。 まずは身近な人に支持してもらわないと。お蕎麦大好き三男も、非常に満足した様子。 良かった良かった。お昼と夜の2回にわたり、本当にお世話になりました。お父様と息子さんの仲の良さもほのぼのしたものを感じました。お蕎麦、肴、お酒と3拍子揃った、「そば酒房陽ざ志」さん。藤沢在住の方、近隣の方、藤沢にお寄りの方、皆様、一度足を運ばれてはどうでしょうか。満足してお帰りになられること、請け合いです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2017.05.04
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