AYSA'S DAYS

MY MOM


ママっ子だった私。あの日、いつまでも帰らない母を待って、父と姉と
夜中までマンションのベランダから下を覗き込んでた時を今でもわすれ
られません。

きっと、彼女は彼女なりに、とても辛かったんだと思う。
それは、幼いながらも理解出来たんだ。
だって、わずか9歳の女の子だった私から見ても、あの頃の母は幸せそうじゃ
なかったから。母が、いつか何処か遠い所に行ってしまうのじゃないか・・・
幼い私の不安は、見事的中してしまった。

母は、職場の人と不倫関係になって、でもその人の奥さんが離婚に同意して
くれず、どうしようもなくなってしまったらしい。
私の父は全てを知った上で、それでも許すから帰って来て欲しいと母に頼んだ
けど、彼女の離婚への意思は固かった。何もかもが、遅かったんだね。
父は、いつも母が夢見ていたマイホームまで買って母が戻って来てくれるのを
待ってたけど。
母は、二度と私達の元には帰って来なかった・・・。

離婚する時、母は父にいったそうだ。「AYSAは、いらない」って。
お姉ちゃんは、私の気持を解ってくれるけど、あの子はおばあちゃん子だから、って。すごく、ショックだったなぁ。だって当時の私はまだ9歳。彼女の
何もかもを理解するなんて無理だったし、でも私なりに母をとても愛してたのに。

彼女はある意味、少女の心を持ったまま大人になってしまった人。
だから自分では意識がないけど、時に人を深く深く傷つける。私はそんな彼女
にいつも期待して、そしてやっぱりいつも裏切られてきた。
自分の幸せしか考えられない人・・・
でもね、そんなママだけど、私はあなたを本当に愛していたんだよ。

今、彼女はすごく年下の旦那さんと一緒に遠くで暮らしてる。
でも、やっぱり色々あるらしく、繊細な彼女の心は年を重ねるごとに少しずつ
壊れていって、今はうつ病を患っている・・・
幸せじゃ、ないのかな・・・?
彼女は時々は私達の事を思い出してくれる日も、あるのかな?
ねぇ、ママ、私は決してよい子ではなかったけれど、あなたをとっても、愛して
いました。
あなたは、私を愛してくれていましたか?

教えて下さい・・・・。


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