蒼い森の備忘録

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2009.06.26
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カテゴリ: 映画・外国

妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家 アンディ(ティム・ロビンス) 。初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を掴んでゆく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむのだが……。
(allcinemaより)


あれ…、目から水が…。


「イイヨ、イイヨ~」と言われている有名な映画であることは知っていましたが、詳しい内容は知りませんでした。
刑務所の話ということでもあるし、軽い内容紹介などを見た限りでは刑務所の待遇改善とかの社会派映画なのかな?と思っていました。
観終わったあとの印象では「ファンタジー」とか「寓話」みたいな感じで、そのカタチのなかから、「生きていくことの素晴らしさ」「希望を持つことの大切さ」「友情とは」みたいなものを感じ取ることができたように思います。
なんか、書いてみたら軽くなっちゃった感じですが…^^;


刑務所の中という一つの「世界」の中で、搾取され虐げられ続けても、塀に「守られている」現状から抜け出すのが怖い。
塀の中でも、作業中の休憩にビールを飲んだりすることで開放感を味わえたりする。
仲間もいる。

50年も中にいた ブルックス(ジェームズ・ホイットモア) が仮釈放を恐れ、実際世間に出て孤独に耐えられず自殺してしまう。
初めて町を歩く ブルックス の脚の曲がった後ろ姿、公園で カラスのジェイク を思う姿、切ないです。
「私などが死んでも迷惑はかからんだろう」 と言いながらも自分の生きた痕跡を残したい、という気持ちは解る気がします。だから、 「BROOKS WAS HERE(ブルックス ここにありき)」 という言葉を刻み込まずにはいられなかったのでしょう。


正しいことを行おうとしても、その「世界」の中で不都合なことであれば握りつぶされてしまう。
トミー(ギル・ベローズ) はまともに生きていこうと高校卒業資格試験に臨み合格する。
それなのに、 アンディ(ティム・ロビンス) が冤罪である可能性を訴えたところ、上層部に殺されてしまう。その「世界」では不都合なことだったから。
トミー はあんなに頑張ったのに、未来があったのに、真実を言ったのに…(T_T)


自由を求める権利があったのは アンディ だけだったかもしれない。
それでも アンディ が行ったこと―屋上でみんなでビールを飲んだり、美しい音楽を流したり、本を読める環境を作ったり、勉強を教えたりしたこと。

だから レッド(モーガン・フリーマン) は40年目の仮釈放審査で、本当の意味での「更正」とは何かとか、罪を償うとはどういうことかとか、後悔する気持ちを自分の言葉で話すことができ、その結果仮釈放が許可されたのだと思います。


レッド も外に出て ブルックス と同じ道を歩みそうになったとき、それを止めたのは アンディ との約束でした。
レッド は一人じゃない、孤独じゃない。友がいるということはなんと人間の力になるのだろう。
ブルックス の刻んだ銘の隣に 「SO WAS RED (レッドもここにありき)」 と加えることで、 ブルックス の孤独も癒されたことでしょう。


あんまりまとまりがなくなってしまいました。
もう少し面白かったところを書いてみると、 所長 の金への執着の醜さ、それを逆手に取った アンディ の脱出劇の爽快感。(原作原題の 「刑務所のリタ・ヘイワース」 というのが、粋ですね。)
あの聖書の細工も予想はできたけど、実際観ると「あーっ」と声をあげたくなるほど見事でした。
細かい伏線がいろいろ張ってあって、あとから唸らされたり。
それと、 所長 の不正が暴かれて、きっと刑務所内の処遇もいろいろ変わったんでしょうね。 レッド の最後の仮釈放審査の時だけ、 「座れ」 と声を掛けるときに 「Please」 が付いてたのが、何か面白かったです。
出演者の中では、特に モーガン・フリーマン ジェームズ・ホイットモア がとても心に残りました。


なんにせよ、最後の方の レッド の独白、碧い碧い海のもとで再会する二人のシーンには泣きました。
自由・希望・友…。
どれも素晴らしい。それらを得るためには資格が必要かもしれない。その資格を手にするまでは厳しい道のりかもしれない。
でも、追い求める姿に美しさがあるということも言えるのではないでしょうか。

二人が幸福であるように祈りたくなりました。




『ショーシャンクの空に』1994年(米)
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:「刑務所のリタ・ヘイワース」 スティーヴン・キング
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ウィリアム・サドラー、ボブ・ガントン、ジェームズ・ホイットモア、クランシー・ブラウン、ギル・ベロウズ、他


1995年度第19回日本アカデミー賞 外国語映画賞受賞
1995年度 キネマ旬報ベストテン 外国映画作品賞第1位
他、受賞多数





※参考
『恐怖の四季』スティーヴン・キング
発行:1982年

文庫本
「恐怖の四季 - 春夏編 ゴールデンボーイ」スティーヴン・キング
恐怖の四季 - 春夏編 ゴールデンボーイ
スティーヴン・キング

新潮文庫(税込\820)





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Last updated  2009.07.27 23:33:50
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