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「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。謎の答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界へ扉を開けてしまつた孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短篇集。
短編集です。
そして 傑作
です。
どれも甲乙つけがたいけれど不思議な読感が残る
”ニライカナイ”
が印象的。
どこかで聞いたことがあると思ったら沖縄・奄美諸島の
理想郷神話のようです。
この小説では神話は直接関係なくそして
舞台はそんなに南のほうではないのですが
不思議な現象と主人公の一生懸命らしいんだけど
冷めた生き方が絶妙なハーモニー(なんのこっちゃ)
をかもしだしていて苦味残る後味です。
紹介文にもある“死んだ後腕を1本ニューギニアに埋めてくれ“
と遺言を残された姪の話も 短くまとまっているけれど
内容の深い
お話。
生きるために現地人を殺して食べてしまった元兵隊たちの
話は現実味があってぞっとするけれど悲しい。
でも、そんな状況でも死んだ同僚は食べられなかった、って
そういうものでしょうか。
生き残るために死んだ同僚を食べるのと生きている人間を
殺して食べるのとどちらかしか選択が無かったら
もう死んでいるほうを選びたいな、ワタシは。(同僚、ごめんよ)
ハズレの無い短編集でした。
めずらしく ワタシ絶賛
です。
オススメ。
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