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旧制中学の札付きが集まった同窓会はいやがうえにも盛り上がり、男はひとり立ち上がり軍歌を歌いだした。ところが誰もその歌を覚えていない。それどころかかの大戦すら知らないと言うのだ・・!?(戦争はなかった)
同じ課の新入社員にある日召集令状が届いた。“たちの悪いいたずらだ”と気にも止めずにいたのだが、次々と男子社員に令状が届きだした。そして彼らはそろって無断欠勤をはじめて・・!?(収集令状)
戦争体験者の著者が、大胆な発想と独自の構成でコミカルにシニカルに綴る名作8編。
大分前に読んだものを再読。
一番お気に入りはわずか4.5ページの短編、
「コップ一杯の戦争」
こんなに短くすっきり日常と戦争をブラックユーモアで書いた
奇跡のような1編。
短すぎて説明するとそれで終わってしまうので割愛。
ぜひ一読をオススメ。
他の7編もちゃんと起承転結がありすっきりと無駄の無い構成で
ぐんぐん読めます。
テーマは重いのにどこかコミカルな日常と
庶民の「戦争」「戦後」は体験者じゃなければ書けないもの
かもしれません。
どれもSFチック(というかジャンルはSF)なのに
フィクション以外の部分がものすごくリアルなので
SFの部分すらリアルに感じてしまう。
流石です。
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