B.C.B.G.な暮らし
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お華の道に「虚実等分」という言葉があります。自然のままの花を使うという「実」混み合った枝葉を落とすという「虚」草木の出生である「実」に従う一方で、不要の花・葉を取り、枝をためて、姿を整えて、「虚」を備えて花瓶にうつします。花の姿に「虚」と「実」の両極を備えるということ。外見の美と実質が調和しているところに、美の本質を求めます。きっと、美しいと感じるものは、この「虚実」の微妙なバランスによって調和がとれているのでしょうね。10代の頃は、日焼けも気にせず、素肌でテニスをしたりなんかして、真っ黒になっていました。素肌の美しさのみで、十分勝負?できたからでしょうか。が、今は、そういうわけにはいきません。(ここは、笑うところです)若さは、美しいと思います。すべての若い女性は、美しさを備えていますね。けれども、20代後半を過ぎると、私たちは与えられた美しさを少しずつ失いがちです。だからこそ、自らの美しさに無関心にならないようにすることは大切だと思います。そして、その外見上の問題が行きつくところは、精神と心のゆとりにあるということを忘れず、心の優雅さや、優しさを大切に育てることですね。話がそれました。お花の話をしているのでしたわ。かきつばた を生けました。虚実等分の難しさを十分に感じることができます。昔は、こうした技巧的な生け方は、とても苦手でしたけれど、歳を重ねるにつれて、好きになってきました。不思議ですね。ただ単に、欲張りになっただけかしらん?いいえ。より美を追求してしたくなったからですね。おほほ。いろいろな花態をお稽古してみました。まずは、景色生け。自然の趣を大切にしています。そして、お生花。三才格。体、用、留。3つの役枝のバランスが難しいです。美しい弓張りの姿に。。。そして、葉組をします。(二花十九葉)自然の株から、葉をはずし、組み直します。お次は、曲生けです。植物は、自然環境によって、さまざまな形をとりながら、枝を伸ばしますね。そういった姿を生け表します。体、後添流し体の後の添えに変化をつけてあります。内用用の枝が、体の裏の中央あたりで、なびいています。これは、”内に入る”ということで、結納の花と言われます。かきつばたのお花が短くなり、体の葉の裏側に奥ゆかしく、寄り添っています。いつまでも、このような姿を忘れたくないものです。(時々、忘れてしまいそうになることもありますが。。。)虚と実のバランスをとることの難しさ。時には、左右に揺れ動くこともありますが、転ばなければいいかしら。2008年5月 Mitti甫
2008.05.30
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