巨頭星団クラブ

巨頭星団クラブ

白い侵略者

白 い 侵 略 者



 「だいぶ仲間が増えているようね」
 「はは、ここの住民は制御が容易で、繁殖は楽だわ」
 「いずれ、この地域はすべて私達の種族で置き換えられそうね」
 数人の主婦らがテーブルを囲んでいる。
 テーブルの上には、プラスチックの容器に入った白いどろりとした液体。

      * * * * * * *

 十数世紀以前、今にも地球の引力に取り込まれそうな小さな岩石状の物体があった。
 「進入軌道に入りますが、本船がこの惑星の濃密な大気との摩擦に耐えられるかどうか不明です」
 「止むを得ない。そのことは既に分析済みだ。
 後はこの環境で我々が生きていくことができるかどうかだな」
 「それは十分かと思われます。ただ、現状の形態では、すでにこの惑星に生息している生物との摩擦が生じる恐れがあります」
 「あまり情報は得られていないようだな」
 「いえ、多少はデータは得られていますが、相当に兇暴で貪欲な生物であると考えられます」
 「そうか・・それならば目立たない形態に姿を変えるということか」
 「そうですね。もともと我々自身は不定形ですし、住人が気にも留めない大きさであればなんら問題は起こらないでしょう」
  岩石状の物質はやがて地球の引力圏に取り込まれ、ゆるやかに放物線を描きながら惑星表面に向かって落ちていった。
  そして、最も大きな陸地の中央部、大きな湖の中へ落下した。

   * * * * * * *

 「でも油断は禁物よ。制御しやすいけど飽きっぽいところもあるから」
 「そうね、熱しやすく覚めやすいのは今までの住民の中では一番だもの」
 「さあ、お隣さんが欲しがっているから、お分けしに行きましょ。カスピ海ヨーグルト」


                   ☆ ☆ ☆

挿絵:武蔵野唐変木様



© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: