オフィスびわこのテープ起こし・文字起こし生活

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MLの活用とその失敗談



人が会って話をして伝える情報の内訳は、話している言葉自体は2割しかなく、あとの8割は話している表情や仕草や声のトーンなどで伝えるといわれています。私はMLでは伝わらないその残りの8割をメールで少しでも補おうと、ちょっと感じたことも何気なく投稿した。

そして、月1回しか会わないのだからと、広報部が担当するHP、新聞、パンフレットの企画に関しても、どんどん投稿していった。ただ、それが私だけならそれほど問題にもなかったのだが、そこに意外な相方がいた。1分おきにメールチェックをする高速入力者(本人は否定していますが)がいた。その人は私のメール及び他の人のメールに対しても、素早く反応し的確な返答をしていた。その人の名は……。

合田温さん。広報・情報処理グループのリーダーであり、PCアプリケーションソフトの企画・開発・販売などその他いろいろなことを手がけている会社の社長さんだ。要はパソコンの前にいつもいるのだ、私同様に。だから、誰かが投稿すると即レスがくる。最短レス記録は「電光石火のレスです」という書き出しのレスで2分以内。

合田さんと私のレスのやりとりは「機関銃のようなメール合戦」と言われた。そして、広報MLはたちまちメールの大洪水と化した。そうなると、投稿することはおろか、読むことさえもできない人が続出した。そしてとうとうおぼれる者が出てきた。

「申しわけありませんが、私はパソコンに不慣れなため、しばらくこのMLから外してください」という投稿が広報MLに流れた。ショックだった。その人こそが、集改センターのコミュニケーションを何とかしようと頑張っている人だった。その人の憂いに共感し、始めたことがかえって迷惑だったのだ。

しかし、落ち込んでいる私を尻目に合田さんはすぐ次の手を考えた。その投稿の2、3時間後に掲示板を立ち上げた。「プッシュ型のMLは、人によっては苦痛かもしれません。掲示板なら自分の都合のいいときにいつでも参加できます」そうして、広報MLの機関銃のような投稿は掲示板に移り、他の会員はその難を逃れた。

7月の理事会では、MLの投稿規定が決められた。しばらくの間、投稿内容は連絡事項だけと定められた。今ではもとの静かな平和なMLに戻っている。そして、溺死しかかって、かろうじて生きながらえた人は、また広報MLに戻ってきてくれた。

何がいけなかったんだろうと考えた。要は集改センターの場合は、プロの異業種集団である。一人ひとりがあまりにも違いすぎるのだ。1日中パソコンの前にいる人間もいれば、ほとんど外にいて、メールチェックを1日1回するのがやっとという人もいる。また、仕事でメールは全然使わないという人もいる。通信環境も、ブロードバンドもいれば、ISDMの人もいる。だが、それぞれがその道のプロである。異業種ならではの連係で他にまねのできない活動の仕方というものが必ずあるはずである。

ふと、2人3脚のクラスバージョンを思い出した。小学生の1クラス全員が足をくくり、全員でゴールを目指す競技だ。一人ひとり、それぞれ得意な分野も違う個性豊かな子どもたちが、自分の持てる力を出し合うことにより相乗効果を生み、一生懸命ゴールを目指して走る競技だ。

集改センターも、会員がお互いに切磋琢磨しあい、それぞれが自分の分野で仕事を極めているが、目に見えないひもでつながっていて目指すゴールは同じ。誰一人としてそのひもをほどくことなく、一緒にゴールを目指せたらと密かに思っている。


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