ジャズの神様の思し召しのままに

ジャズの神様の思し召しのままに

2007年03月04日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ★★★☆
今回の1000円CDシリーズではプレスティッジのソウルジャズ・シリーズが再リリースされている。ラインナップを改めて眺めてみると、もの凄く「濃ゆい」ものばかり。国内盤でここまで「ゲテモノ」を並べてくれたビクター・エンターテインメントの担当者殿はエラい。こういう、一見「ムダ」なものが市場に出てくるのが文化として大切なのであり、文部科学省は日本のオタク文化への貢献度の高いこうした会社を褒めてあげたり補助金出したりして、もっと大切にしてあげて欲しい。

ところで、コテコテが売りのソウルジャズ・シリーズの中で凛とした上品さを保っているのがシャーリー・スコットの作品なんじゃないかなー、と思うのである。もっと言うと、シャーリー・スコットを「ジャズ・オルガン」というだけでソウル・ジャズの範疇に整理してしまっていることに異議ありなのだ。シャーリー・スコットがソウルジャズならカウントベイシーだってソウルジャズなんじゃないの?

確かにシャーリー・スコットの演奏はオルガンならではの"ビャー"とが"ギョェー"なんていう音は使っているけど、フレーズは端正だし、ベースの入っていることを前提とした音作りは他のオルガン奏者とは一線を画している。「だからオルガン奏者としては中途半端だ」と言われたらその通りかもしれないが、楽器の違いはあっても比較する相手はハンク・ジョーンズやトミー・フラナガンなんじゃないの?と思うのである。ホンカー系テナーサックス奏者の伴奏者としてのシャーリー・スコットは本当に素晴らしい伴奏者なのだ。

しかし、この作品はホーンなしのオルガントリオ作品。そういう意味では確かに物足りない。スタンリー・タレンタインやエディー・ロックジョーが当然出てきてしかるべき・・・なんて思ってしまう。だからこの作品は消化不良を伴う「イマイチ」な作品ではあるけれども、BGMとしては結構気持ちよく聴けてしまうのだ。だって、ハンク・ジョーンズのリーダー作だってそんな感じじゃない?

という訳で、この作品は取り立てて褒めるべき作品ではないけど、所有してニンマリの作品だと思っている。何となくオルガンが聴きたい時のローテーションとして持っているには悪くない。

猫麻呂ポイント:★★★☆(3.5)
Shirley Scott / Soul Searching (Prestige)
Soul Searching





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最終更新日  2007年03月04日 23時55分51秒
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