何が手抜きかって、デジタル・リマスタリングはOJCのものなのである。今回のマクリーンのCDでは、Fantasy社のPhil De Lancieの1993年ものと書いてあるではないか。このオジサンのリマスターしたOJCは音が素晴らしかったので何も文句は言わないが、ビクターがK2で20bitで出していたのと比較すると、今どき16bitの音源からCDを作るのは如何なものか?と思う。音質はK2の重い音とは反対に明るく抜けた音であり、どっちが好きかは音の好みの問題だが、24bitに慣れた耳には16bitの音はやっぱり粗い。
このCDの内容についても触れておかねばならない。このCD、半分は聴く価値なしと言って良いだろう。"A Long Drink of The Blues"というタイトル曲が2テイク収録されているが、これがどうにもダメなマクリーンのテナーサックス(アルトではないのが問題)なのだ。今どき、こんなヘタクソでCDを出したら2ちゃんねるの格好の餌食になるだろう。その他3曲はマル・ウォルドロンとのカルテット演奏だが、全てバラード演奏となっている。こちらはお馴染みのマクリーン節炸裂で文句なしに素晴らしい。