ジャズの神様の思し召しのままに

ジャズの神様の思し召しのままに

2007年09月16日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ★★★★
リバーサイドやプレスティジのビクター国内盤にはとてもお世話になった。今や販売権はユニバーサルに移り、このブログでも度々褒めちぎってきたK2リマスター盤も店頭から徐々に消えつつある。ビクターへの感謝の意を込め紙ジャケK2盤を何枚か買い込んでみた。今回の作品はその中からの1枚である。

ジュニア・マンスのピアノは、ホーン入りセッションでの伴奏として強烈な印象がある。特に、ロックジョー&グリフィンでの煽るようなリズムはマンスの貢献度が大であり、マンス不参加のロックジョー&グリフィンは今ひとつノリが悪いのである。そんなマンスのピアノトリオ作品だから、やっぱりアップテンポの"Playhouse"("Love for Sale"のコード進行)やブルースの"Mainstem", "Darling, Je Vous Aime Beaucoup"が面白い。オスピーやレッド・ガーランド、ウィントン・ケリーと同様の「イケイケ路線」でスイングしまくりなのである。ただし、オスピーのように華麗にスイングするのではなく、どことなく「土臭い」ところがマンスらしいところ。まさに"Soulful Piano"なのである。

反面で、"Soulful"というのがマンスのイメージを悪い意味で固定化しているのかもしれない。"Soulful Piano"と聴くと、ベタなブルースやブギウギでコテコテにやってると思われがちだが、マンスはベタ路線とは一線を画している。むしろ、オスピーやウィントン・ケリーのように、スローブルースはあくまでもサラっと弾き、テンポの良い曲では小気味よくスイングするスタイルなのである。だけど、オスピーやウィントン・ケリーと違って、どこか垢抜けないところがマンスの魅力であり、B級好きにはたまらないのである。

マンスの生演奏を二度見たことがある。一度はライオネル・ハンプトン・オールスターズ、もう一度は富士通コンコードの100ゴールドファンガーズでのステージだった。両方とも目立ちたがり屋が多いステージなので、マンスの印象はとても薄い。しかし、このCDを聴いていると、マンスの演奏はスルメみたいに噛めば噛むほど味が出てくると思う。ステージよりも録音された作品でオイシイ人なのかもしれない。

猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)
Junior Mance / The Soulful Piano of Junior Mance (Jazzland)
The Soulful Piano of Junior Mance





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最終更新日  2007年09月16日 15時36分05秒
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