ジャズの神様の思し召しのままに

ジャズの神様の思し召しのままに

2007年11月04日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ★★★☆
マイケル・ガーリックの名前は、恥ずかしながら "Moonscape" 復刻での大騒ぎで覚えたばかり。それ以前にも"A Lady in Waiting"を聴いていたはずなのに、全く名前を覚えていなかった。今回の"October Woman"がガーリック作品との3枚目の遭遇となるのだが、いまだにガーリック作品がよく分からない。3枚とも同じ人の作品とは思えないほど、それぞれの印象が異なる。

印象は異なるものの、毒々しくない点では共通しているのかもしれない。変拍子その他やや前衛的なアプローチも積極的に取り入れているのに、不思議とエネルギーは感じられず、ポップな感じすらある。同様に、スインギーな演奏はするものの、自然と体が揺れるような感じはせず、無声映画を眺めているような醒めた感じがする。ひょっとして、ガーリックにとって、ジャズとは音楽を作るためのひとつの素材に過ぎないのではないか、とすら感じてしまう。ジャズの神様が聴いたら、さぞやお嘆きのことだろう。

ジャズ的かどうか、という問題はさておき、音楽としては結構面白いと思う。メロディー・メーカーとしてのガーリックの腕は大したもので、アルトのジョー・ハリソンのために書かれた"Little Girl"とトランペットのシェイク・キーンのために書かれた"Ocober Woman"は、演奏者の美味しい音色を活かした美しい曲だと思う。

しかし、この作品の最大の聴き所は"Anthem"だろう。5拍子の曲というだけでもヒネくれているのに、更にスケール指定までしているらしい。このCDでは2テイクが収録されているが、12曲目の合唱入りのバージョンで聴くと、これが宗教曲として書かれたことが分かる。ガーリック自身の書いたライナーによれば、キリスト教の復活祭に関係する曲なのだそうだ。(ジャケ裏には英語の歌詞も書いてある。)パイプオルガンと合唱による厳かな雰囲気に続き、5/4のビートにのってアドリブで絡み合うハリソンとキーンがカッコイイ。ここまでやれば、ジャズの神様もお許し下さることだろう。

こういった音楽を聴いた後は、カウント・ベイシーでも聴いて、あられもなくスイングしたい気分になる。これもジャズの神様の思し召しだろうか・・・。

Michael Garrick / October Woman (Vocalion)
October Woman





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最終更新日  2007年11月04日 15時02分10秒
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