ジャズの神様の思し召しのままに

ジャズの神様の思し召しのままに

2008年02月23日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: ★★★★
イリノイ・ジャケー!(思わず叫んでみました)と言えば、元祖コテコテ・テナーであり、サックスに「吼える」という機能があることを大衆に知らしめた偉大なる男である。また、JATPを下品なブロー大会に落としいれた下手人1号としても悪名が高く、ジャケーと言えばブローというイメージもある。この作品のジャケ写真だって「これでもか!」とばかりのブローによる波状攻撃なのである。(猫麻呂はジャケ写真にひかれて買ってしまったのだが・・・。)

イリノイ・ジャケーは、名前からイリノイ州か広島県出身と思われがちだが(そんな人はいない?)、テキサス州ヒューストンの生まれ。だから、本場モノの「テキサス・テナー」なのだが、実は折り目正しい正統派スイング派テナーマンでもある。下品なブローを期待して買ったのだが、この作品は「ホンカー」ものではなく正統派スイングジャズ作品としてじっくり聴き込むべき作品だったのだ。

この作品を有名にしているのは2曲目の"Harlem Nocturne"だろう。スケベ度No.1の曲なのだが、ジャケーの演奏は意外なことに端正そのもの。変なスケベ心は一切なく、心を込めてメロディーを歌い上げている。実はジャケーはジェントルマンだったのだ。ベン・ウェブスターは、いい意味でエロさを目指していたと思うが、コールマン・ホーキンスにはエロさはなく、常に音楽に対して直球勝負だった。そんなホーキンスの潔さが猫麻呂は好きなのだが、この作品のジャケーにホーキンス流の潔さを感じるのだ。レスターのように粋を求めるでもなく、ベン・ウェブスターのように甘さを求めるでもなく、観客を意識してブローで盛り上げる必要もなく、ただひたすら「ジャズの神様の思し召しのままに」スイングするジャケーの姿がそこにある。うーん、今までジャケーに対して抱いていたイメージとは随分違うなぁ。

ジャケーのジェントルマンぶりは、ミディアムテンポの曲に強く現れている。"Can't We Be Friends"や"Have You Met Miss Jones"での節回しは、飾りの少ないフレーズだが素直にスイングしている。これがジャケーのスインガーとしての真の実力なのだろう。これほどまでにジャケーをありがたがって聴きてしまっていいのだろうか・・・。(ちょっと褒めすぎかも。)

この作品、ジャケーは比較的オトナ風の演奏を聴かせるが、その代わりにロイ・エルドリッジが炸裂している。さすがに30年代の火の玉プレーとはいかないが、当時を彷彿とさせるようなお得意フレーズてんこ盛りで頑張っているのだ。そんなロイをジョー・ジョーンズがうれしそうに煽り立てているのも微笑ましい。

猫麻呂は国内盤の紙ジャケで購入したが、最近はLONEHILLがこのCDを再発しているらしい。LONEHILL盤はワイルド・ビル・デイヴィスとのセッションがカップリングされているらしい。(ちょっと気になっている。)

猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)
Illnois Jaquet / Swing's The Thing (Verve)
Jacquet





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最終更新日  2008年02月23日 22時49分46秒
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猫麻呂さんへ  
rollins1581 さん
 こんばんは。お久し振りです。

 ttp://rollins1581.blog18.fc2.com/blog-entry-112.html
 その後LONEHILLから出ているジャケーのシリーズを全て(といっても5枚)揃えたのですが、悪い癖で何枚かは封も開けていない状態でした。そんな訳でこの "Swing's the Thing" も猫麻呂さんの記事を読んで初めて開封した次第です。
 ジャケットとは裏腹にリラックスできるアルバムですね。反面、猫麻呂さんのおっしゃる通りロイ・エルドリッジが張り切っていて、知らずに聴いたらエルドリッジのリーダーアルバムと勘違いしそうです(笑)。
 Wild Bill Davis さんとのセッションは4曲収録されています。もともと "The Cool Rage" というアルバムに収録されていたようですね。
 ttp://www.jazzdisco.org/verve/2500-cat/a/index.ja.html#ve2-2544
 他の曲は(55年以前のセッションのため) "The Complete 1956-1966 Recordings" と銘打ったプロジェクトから外れるからこの4曲しか入れなかった、みたいなことがライナーに書いてありました。まあ、Wild Bill Davis さんとのセッションは "The Cool Rage" の中でもこの4曲だけのようですから彼目当てだったら満足いくかもしれません。音質も良好です。粘っこい雰囲気とジャケーの南部テナーが堪能できます(笑)ジャケーはやっぱりオルガン入りだと張り切りますね。
 ご無沙汰しているうちにブログのタイトルを変更なさっていたんですね。リンクのタイトル変更しておきます。長文すみません。またお邪魔します。
(2008年02月27日 01時10分58秒)

Re:猫麻呂さんへ(02/23)  
rollins1581さん、お久しぶりです。

"Go,Power"は持っていないのですが、以前から気になる1枚だったんですよ。ミルト・バックナーというだけでヨダレたれたれです。それと比べれば、"Swing's The Thing"なんて可愛いもんでしょうね。イケイケのジャケーは聴いてて「燃え」ますからね。 (2008年02月28日 23時33分13秒)

はじめまして  
アマデウスレコード さん
イリノイの鮭と常套句とも言えますが、トラックバックいたします。 (2008年03月26日 04時23分51秒)

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