ぼくの細道・つれづれ草

ぼくの細道・つれづれ草

2006.09.27
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         見えた 見えたよ
         松原越しに
         丸に十の字の
         オハラハー 帆が見えた
         ハ ヨイヨイ ヨイヤサ

         花は霧島
         たばこは国分
         燃えてあがるは
         オハラハー 桜島
         ハ ヨイヨイ ヨイヤサ   (鹿児島おはら節)

         葉たばこの栽培は江戸の昔からわが国の大切な産業だった。
         民謡にでてくる国分は鹿児島の霧島火山地帯である。
         たばこの産地として知られるところは、似たような条件の地が
         多い。水利に乏しく、米がつくれなかった。畑作は実りの秋を
         迎えると、鹿や猪に荒らされ、人々は貧しい生活を強いられて
         きた。当時の地域の知識人であった寺の和尚や神主は、常々
         そのことに胸をいためていたが、修行の旅を通して情報通でも
         あった彼らが、たばこの種子をその地にもたらしたのは、各地
         の由来記によれば、ほぼ共通して慶長のころであるという。
         乾燥地でも耕作できて、利益が見込まれ、獣害のおそれがない。
         さっそく種子を手に入れ、試作して領民にすすめたのだった。
         それを出発点として日本のたばこ産業、たばこ文化が歴史を
         重ねてきたのだった。

         ・・・・ 子供のころ
             隣村の丘陵地帯にたばこ畑があった
             近所の女の子とお使いに行っての帰り道
             「おにいちゃん あの花とってエー」
             女の子がせがんだのはたばこの花
             直立した茎に巨大な葉っぱが互生し
             先端に淡い紅色の花が咲いている
             でもそれはとても背丈があって
             手が届きそうにもない
             とれないというのも癪
            『たばこはね 葉っぱ一枚だって
             きちんと数えてあって
             盗むとすぐにわかるんだよ
             花だってそうだよ』
             女の子が泣きべそをかいた
             ほんとにたばこ畑には子供にはわからない
             秘密めいた雰囲気があった
            『うちにもっときれいなのがあるからあげるよ』
             と女の子をなだめた
             うちに帰って るりやなぎの花を折って
             女の子との約束を果たした

             るりやなぎはブラジル原産
             たばこは南アメリカ原産
             花の形や色は少し違うが
             同じ「なす科」の植物と知ったのは
             何十年も経ってからのことだった・・・・

                   (つづく)









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Last updated  2006.09.27 14:45:17
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