ぼくの細道・つれづれ草

ぼくの細道・つれづれ草

2011.05.12
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   能の世界に取り入れたのは
   世阿弥元清であった
   謡曲「善知鳥」の冒頭は

    『これは諸国一見の僧にて候。
     我れいまだ陸奥外の浜を見ず候程に、
     この度思い立ち
     外の浜一見と志して候。
     又よき序にて候程に

     急ぎ候程に、これははや立山に着きて候。
     心静かに一見せばやと思い候。
     さても我この立山に来て見れば
     目のあたりなる地獄の有様。
     見ても恐れぬ人の心は。
     鬼神よりなほ恐ろしや。
     山路に分かつ巷の数多くは
     悪趣の険路ぞと涙も更に止め得ぬ
     慙愧の心時過ぎて
     山下にこそは下りけれ
     山下にこそは下りけれ』

    『何事にて候ぞ』
     ・・・・・
   越中の立山で禅定をした旅僧が
   山を下りてくると
   一人の老人が現れて

   去年の秋に死んだ
   外の浜の猟師の家を訪れて
   蓑笠を手向けるように伝えて下さいと懇願する
   そして証拠のためにと
   着ていた麻衣の袖を解いて渡すのだった
   旅僧はそれを引き受けて別れた

   旅僧は猟師の遺族を訪ねて
   妻子に亡者の伝言を語り
   蓑笠を手向けて回向をしていると
   猟師の亡霊が現れ
   娑婆で猟師を渡世とし
   善知鳥を殺した報いで
   今は化鳥となった善知鳥に
   苦しめられている地獄の様子を示し
   僧の助けを求めて消え失せた





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Last updated  2011.05.12 15:09:22
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