アオイネイロ
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たまにはいいだろう、と心の中で呟いて、私は食器棚に目を向けた。たまには、たまにはなんて言いながら、結局私は私を甘やかす。でもまあ、いいじゃないか。誰だって自分は大切だし、自分が大好きだ。誰かが私を甘やかしてくれる訳でもないのなら、自分が自分を甘やかしたっていいじゃないか。どうせ、なんて言葉を使って、私は心の奥にあるもやもやを片付ける。先刻言われた言葉が頭をよぎる「お前は自分のことしか考えてない」と。どうしてそんなことが分かるのだろう? 私の頭を覗きでもしたのだろうか? 私が普段どんな風に考えて生活しているのか知りもしないくせに、自分のことしか考えてないヤツ、だなんて勝手なレッテルを張り付けられても困る。でもまあ、どうせ私は他人から見たらそうなのだろう。と、やっぱり私はそれをそうやって片付ける。誰かを思っての行動だって、「当たり前」と片されてしまったり、逆にそれが迷惑になる場合もある。やったって、やらなくたって怒られるなら、やらない方がいいにきまってる。その方が、自分も納得できる。だから私が、他人にそんな風に認識されてしまっても、仕方のないことなのだ。実際私は、どうせ何もしていないのだろうから。それでも私は私を嫌いにはなれないので、今日もまたこうしてありきたりな日常を歩む。歩み続けるしかない。だから、たまにはいいだろう、と考えてお気に入りの真っ白なティーカップに手を伸ばすのもいつものこと。その陶器の冷たさにそっと唇を寄せて、お湯が沸くまでの時間を楽しんで先日買ったチョコレートの箱を開けて、私はそっと微睡んだ。このささやかな夢が続くように祈りながらこの小さな幸せが壊されないように願いながら崩れたガラスの音に耳を塞いでつつけば崩れてしまいそうなせかいから目を逸らして。
November 26, 2013
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