本読みのひとりごと

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読むこと、書くことが大好きなbiscuitです。
夫、元気すぎる2人の息子と4人暮らし。

新聞記者を経て、フリーランスライター/エディターに。

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biscuit5750 @ Re[1]:木々との対話(09/12) >micoさん こんにちは!すっかりご無沙汰…
mico@ Re:木々との対話(09/12) bisさん、こんにちは。まずは次男くんのご…
biscuit5750 @ Re[1]:さようなら、クウネルくん(01/27) >micoさん お久しぶりです! コメントを…
mico@ Re:さようなら、クウネルくん(01/27) クウネル。新装された表紙を見てお別れし…
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カテゴリ: 音楽日記
畠山美由紀さんのライブ「リフレクション」ツアーファイナルに行ってきました!


Bunkamuraオーチャードホールは、いい意味でフラットな場所です。
ものすごくいい気が満ちているというわけでもないけれど、きちんと調整されバランスのとれた空間。
どんな種類のコンサートにでも、これならさらっと馴染むだろうな。

畠山さんのライブは、今日が初めて。
CDで聴く透明な歌声と繊細な詞から、ストイックでまじめな感じの人なのかと思っていたら、真っ赤なドレスに身を包んだ、からっと明るいすてきな姉さんでした。
歌声も、CDで聴くよりうんとパワフルで、子守唄のように心地よく揺らぎ、お腹の底にずんずん響いてくる。

一曲目は大好きな「愛にメロディ」。

以降、鼻すすりながら、2時間あまり号泣しっぱなし。
のどがからからに乾くくらい泣きました。
隣のひとがびっくりしてちらちらこっちを見ているが、溢れてくるものは仕方ないじゃん!
畠山さんの声とともに、これまで生きてきた25年間で見た、うつくしい景色や純粋なきもちが、宝箱をひっくり返したようによみがえってくるのです。
音が。音が身体の中に入ってきて、全身の血管を流れていく。
一方で、歌詞は日本語フェチのわたしの脳髄を根っこから揺さぶる。

すごいなあ。歌うことが楽しくてたまらず、それが職業でもあり、しかもその歌が大勢の人を幸せにするんだもんなあ。
もちろん、楽しいことや華やかなことばかりではないだろうけれど。
わたしもいつか、誰かを、いえ、これを読んでくれているあなたを幸せにする物書きになりますよー。
いや、「いつか」はもうやめて、「今夜から」にしよう。
もう、いつか来るかもしれない、来ないかもしれない幸せのために今を犠牲にするのはやめ。


悲しくて、ではなく、本物に触れたときに溢れてくる浄化のなみだ。

ただいいことがつづいているだけなら幸せだけれど、「ひょっとして躁転したか?」という一抹の不安もある。
躁がA面ならB面は鬱。
必ずセットになっているので、どちらもあんまり好ましくない。
多幸感が強く、長いほど、鬱も重く、長引く。



そして今日は、もうひとつ、すばらしいギフトが!
大学時代に出会った大好きな、大切なお友達に、なんと畠山さんのコンサートで会ったのです。
約束していたわけでも、畠山さんの話をしたことさえないのに。
ふたりで手を取り合って再会(?)を喜び、彼女の紹介で松濤の小さな料理屋さんに行きました。
偶然にしては、ふたりともお互いに聞いてほしいことがありすぎて、向かい合って座ったとたん堰を切ったようにコトバがあふれ、お店が閉まるまでひたすら食べ、しゃべりつづける。
恋のこと。愛のこと。仕事のこと。女性であるということ。
これはどうやら偶然ではなく、いま必要だから、わたしたちはここで会ったのではないかと。
それくらいすてきな、中身のぎっしりつまった夜でした。

そして考えました。
わたしはいつも、人と本気で関わろうとすると、あっという間に服を脱いでしまう。
(あ、いえ、本物の洋服ではなく、感情のヴェールのことです。念のため)
文章を書いて、それを誰かに見せることに至っては、心情的には、自分のヌード写真を並べてみせることとほとんど変わりがない。

その生き方でいろいろ傷ついてきたし、これからも傷つくだろう。
そのこと自体には、まあ後悔もこだわりもない。
ただ、あまりにも傷つくと、寿命までしつこく生き、死ぬときに「まあわりと楽しい人生だったな」としわくちゃの顔でほほ笑んで死ぬ。という最終目標が達成できなくなってしまう。

しかし、このやり方はもうわたしという存在の中核なので、今さら変えられないし、変えたくもない。
だから、これからは、自分の周りの世界を、わたしの方法に合わせていこうと思う。
仕事や、遊びや、趣味や、暮らしや、付き合うひとや、受け入れる感情や。
わたしにとって不要なものは、それが世間でどんなに価値のある、立派だと言われているものでも、容赦なくシャットアウトしていく。
それは、わたしが本当にこの人生で見きわめるべきこと、やり遂げるべき宿題をきっちり終わらせるためにぜったい必要なので、誰がなんと言おうとそうしよう。


ああ。
彼女に会うと、今の自分の本当のきもち、本当の姿が、鏡に映したようにはっきりと見えるなあ。

今夜は本当にありがとう。
また、近いうちに会って、今度は、もう少しゆっくりごはんを食べよう!





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Last updated  2006.06.24 01:33:48
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