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2010.07.13
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カテゴリ: Editor's Life




 出版社に入社し、 編集者になったばかりの頃というのは、 (至極当たり前のことですが) 自分が企画した本の原稿がないこともあって、先輩や上司の企画した本の編集作業を手伝うプロセスを通して、編集者としての仕事を一から学んでいくことになります。 そうして何冊かの編集作業を経験し、次第に独り立ちができるようになってきます。

 ただそれまでは、常に上の人の指示に従って仕事を進めなくてはならないこともあって、一日も早く独り立ちしたいという先走る気持ちと、(まだまだ独りでは不安な面があるという) 編集者としての自分の力不足に悩む日々が続くこともあると思います (自分もそうでした)。

 そうしたこともあって、自分の企画としての最初の1冊目には、“これまでになかったような何か新しいことをしてみたい” という思いが湧いてくることもあると思います。 でも、これまでのスタイルや手法を自ら経験する (真似る) ことなしに、新しい発想が生まれてくることはないと思います。

  1. まずは、先人たち (先輩や上司、他の編集者) のスタイルや手法を真似てみる。
  2. 一度自分の中で消化してから、それに自分なりの工夫を加えてみる。
  3. その経験を踏まえて、さらに新しいアイディアを加えてみる。
     ・・・
ということを繰り返す中で、次第に編集者としての自分のスタイルも確立してくるのではないかと思います。最初から新しいことを試みたいという前向きな姿勢はとても良いことだと思いますが、 それにはこれまでのスタイルや手法を経験してみる (真似てみる) ことがとても大切だと思います。 多くの人に、そして、多くの場面で取り入れられてきたスタイルや手法というのは、それなりに洗練されているからです。

 また、人は経験を積むほど知らず知らずのうちにそうした経験に縛られて、新しいことをしようという気持ちが薄れてしまうということが言われますが、この点は、自分も含め、ある程度の経験を積んだ人たちが注意しなければならない (そうならないように意識して努めなければならない) ことだと思っています。






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Last updated  2010.07.14 02:21:56
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