かごにいれられた鳥

かごにいれられた鳥

March 13, 2009
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カテゴリ: 小説
五年前。その頃私は10歳で、当たり前だが小四。
小四の私はいじめという問題で友を失った。友からの最後の言葉は…。
『あなたと一緒にいるとろくなことが無い。もう……近寄らないで』
それだけならまだいい。無視されるのも、名前の最後に『さん』が付いたって構わない。愚痴を言われようが気にしない。
けど……。

「……なぁ、お前…俺のことが好きなんだって?」
「え……?」
何故知っているのか。しかし、その時は緊張と嬉しさ、疑問で頭が真っ白になっていた。
が、すぐに黒い染みが落とされた。

絶望した。
まさかこんな器の小さい奴だとは思わなかった。
告白する前に振られた。ものすごく恨んだ。けど、すぐに諦めた。
告った所でどうせ振られる。恨んだって何も変わりはしない。
でも、そう思ったと同時に私は決断をした。
『身内以外は信用しない』と。父は私が産まれる前に病で亡くなったらしい。
私は、父親の愛情というものを知らないで育った。
母の手一つで育てられ、祖父母からの協力はあったが生活費を稼ぐために遅くまで仕事に出かけてしまい、私は昼は保育園に預けられ、六時半からは祖父母の家に卒園するまではいさせてもらっていた。
小学にあがってからは身の回りのことは自分でやることにした。母も学費の分を稼ぐために深夜のパートを初め、会う機会は朝くらい。私は少しでも自分のために尽くしてくれてる母を休ませて上げたかった。母は忙しいのに私を気遣って甘えていいんだよ?と、言ってくれた。
いじめが始まってからも心配させてしまうので、学校の話はあまり持ち出さなかった。大丈夫?と聞かれたときには胸が痛くなったときがあったが笑顔で切り抜けていた。



























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Last updated  March 14, 2009 03:04:44 AM
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