ヴェネツィアの獅子たち

ヴェネツィアの獅子たち

PR

Profile

Reiko Fujiwara Marini

Reiko Fujiwara Marini

Archives

2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07
2008/10/17
XML
カテゴリ: 歴 史

 現在の首都であるというよりも、ヨーロッパ文化の源である古代ギリシャ文明の後を継ぐ、栄光のローマ帝国発祥の地であること。そしてもっと大きな要因は、ローマカトリック教会の総本山の地であること、です。

 初代教皇とされる聖ペテロ(紀元60年頃)から数えて、現在の265代目のベネディクト16世まで、そのほとんどがイタリア人である教皇の2000年の歴史は、今日もなおイタリア社会に、目には見えないほど透明で、しかし強靭な影響力を与え続けています。
 先代のヨハネ・パウロ2世も現教皇も、好々爺的な微笑みをたたえ、こじんまりとしたヴァチカン市国から、世界の平和を願う、というイメージが強いのですが、良くも悪くもそれだけではないでしょう。

 何も、その微笑みの後に、陰謀が隠されている、ということではありません。ただ、ヴァチカンの国自体は小さくとも、ローマ教会の組織は巨大であり、特にイタリアでは、あらゆる場所の草の根まで浸透しているため、尊厳死問題や家族のあり方等に関する教皇の発言や姿勢は、直接人々の、宗教というよりモラルの基準として、無意識のレベルにまで影響を与えているからです。
 とはいえ、歴史観の統一という立場に立てば、どこかに照準を合わさなければ収拾がつかないので、大きな権威を持つ「ローマ」からの視点になることも、仕方のないことかもしれません。


 人物の評価はもちろん、ヴェネツィア人が始めた先進的な政治的機構や社会制度、経済政策等も過小評価もしくは、まったく言及すらされないことが、理不尽なほど多々あります。
(その3に続く)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008/10/17 11:35:48 PM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: