私の居場所

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南伊で過ごしたクリスマス



【いきなりタクシーでひともめ】
 2002年12月25日は南イタリアの港町バーリで一泊することになった。クリスマス・シーズンの交通事情の読みが甘かったのだ。アルベロベッロ宿泊中に、予定どおりに移動できないことが判明し、急遽、すぐ近くの街バーリで一旦泊まる事になった。
 午前中にバーリ駅に到着。客待ちのタクシーに、ホテルの住所を見せて乗り込む。あっという間にホテルについてしまった。200mぐらい?歩いても良かったなー、と思いつつメーターを見ると5ユーロぐらいだった。荷物代とチップ入れて7ユーロほど渡そうとしたら、10ユーロ程の金額を言うではないか。

 またもボッタクリか?と疑心暗鬼に陥り、押し問答となる。しかし、こちらは英語のみ、あちらはイタリア語のみで、埒があかない。「ホテルの人に適正な値段かどうか聞いてみる。もし適正だと言われたら、払います」と言ったところ、運転手のおじちゃん、怒り出して、半ば独り言のごとく悪態をつきつつ(たぶん)、車に乗り込み走り去ってしまった。

 訳の分からない展開に、興奮冷め遣らぬままホテルにチェックイン。さすがに三ツ星ホテルのベテランフロントマンは英語流暢。たった今のタクシー運転手とのやり取りを説明した。
 どうも、クリスマスは祝日料金で、適正な値段だったらしい。フロントマンから「彼(運転手)はきっと英語がわからないだろう。ホテルで聞くと言ったら、彼はどうしたんだい?」と尋ねられたので「怒って行ってしまった」と答えた。あっはっはっは、と笑い飛ばされた。

 「悪い事してしまった」というと、「もう終わったことだ」と一蹴された。今更考えて何になる、とでも思ってそう。これがイタリア人の現実主義というものなのか?と思った瞬間であった。
 それにしても、海外でぼられたことは数々あれど、ぼった(?)ことはこれが最初で最後である。気の毒なことをしてしまった。


【静まり返る街】
 12時ごろ、お腹も減ったので、昼食がてら街の見物に出かけることにした。クリスマスは閉まっている店が多いとは思うが、とりあえず駅に向かって歩き出した。

バーリという街は、思ったより都会だ。ナポリのサンタルチアやベベレッロは坂の街だが、それを平らな街にしたかんじ。しかし、道は碁盤の目のように整っている。道幅も広い。決して観光都市ではないはずだけど、美しい街並み。さすがイタリア、と感心しながら歩いていたら、さっきの駅前広場に出た。
 誰もいない。車もいない。店も全て閉まっている。午前中は人も車もいたぞ。タクシーが数台順番待ちしてたんだから。開いている店が一軒あった。マクドナルド。助かった。しかし張り紙で、2時ごろには閉まるようなことが書いてあった。

 食事の後、旧市街地にある教会に向かう。すっきりと整備された道路を歩いていく。車の往来を前提にした道幅である。しかし・・・1台も通らない、人もいない。シーンと静まり返って不気味なほどである。大通りに出たが、やっぱり人っ子一人いない。店も全て閉まっている。正直、怖かった。あまりにも静か過ぎて。

 やがて、たっぷりと幅広い歩行者専用ショッピングストリートにでた。ゆるやかな登り階段となっている。無人のショッピングストリート。
 おどろいたのは、街路樹である。パイナップルの実の上についてる葉っぱを巨大化したら、そっくりになる。そんな潅木が、転々と植えられている。そしてクリスマスらしい電飾がついている。なんともいえぬ南国情緒が漂い、かつかわいいのだ。
 南伊のクリスマス電飾は、私のごく狭い見聞の範囲では、一色しか使わない。丸の内のルミナリエで使われている、あの色。あれは無色なのかな?しかし、あんなに豪華なものは見た事が無く、もっと素朴でかわいらしいものばかり見ている。


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