私の居場所

私の居場所

centro迷路中の迷路へ


 旧市街地の入り口が見えて来た。ホテルの人には、旧市街地の中には入らないで、外回りの海沿いの道を通って教会へ行くように勧められていた。旧市街地の中はとても複雑で、絶対に迷うから、外回りした方が早いと。
 しかし、突入。ナポリのスパッカナポリなど比ではない。細く、曲がりくねり、入り組んだ道。まさに迷路。車なんてもちろん通れない道幅。こんなでも、長年住んでいれば迷わないのかなあ。今までに行ったイタリアの街の中でもダントツNo.1迷路ですね。

 でもさっきまでの新市街地とちがい、美しい石畳の道だ。道には人気が無いが、家の中から人の気配がする。どうも2階のベランダなどで、焼き栗かバーベキューかそんな事をしているようだ。ただ焼いているだけ。クリスマス恒例のごちそうの準備中という風情。どうも男性の役割らしい。
 たまに、家の前の道でやってる人もいる。2-3世代そろって焼く人と見物人が道に出ている事もあった。みんな、くつろいで、晴れがましいような穏やかな顔。 そのうちの一人のおばさんに道を聞いてみた。もう、やさしいのなんのって。

 日本の元旦とそっくりなんだよね、この街の雰囲気、人々の雰囲気。日常生活は全てストップ。家族と過ごす、そして一年のくぎりでもある、穏やかで改まった空気。

 うろうろしていると、広場にでた。チャーオ、と聞こえて来た声の方を見上げると、広場に面した家の2階の窓からおばあさんと孫らしき二人が、優しい笑顔手を振ってくれた。もちろん、こちらも、ニッコリ微笑んでチャーオと手を振り返す。嬉しいなあ。

 目指す教会は、まさに海のまん前にあった。でかい。そしていかつい建物。巨大な箱に屋根をつけたような姿。装飾性というものがほとんどない。おまけに閉まっている。今にも降りそうな曇り空、灰色の海を背景に、随分殺風景な風景だった。しかし、夜となると一変する事が後で分かったのだが。


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