うちの家族事情


うちは表向きけっこう安定した家族に見られているのかもしれない。
でも、そんな家庭でも問題は抱えてます。

私が中学三年生、受験の真っ只中の中事件は発覚しました。
うちの父親の浮気発覚です・・・。

その頃はまだ兄貴も家にいて、どうにもならないくらい混乱していました。
私はその事を2ヶ月遅れくらいで聞きました。
受験勉強に差し支えがあると判断したのでしょう。
うちはみんな感情的な人間ですから。

その時は兄貴が相当キレていたようで・・・。
親父と相手、兄貴の三人でどこかのホテルのフロントで口論になったとか。
いたずら電話もそのころから多くなりました。

その時は事がすんでから聞いたのでこれ以上詳しくはしりません。
そして、これ以上聞きたくもありませんでした。

他の部屋で勉強をしていると母親の泣く声が聞こえました。
いつもはそんな悲しい表情など見せない母が。
かける言葉がないくらい、涙を流し・・・兄貴も見ている事しか・・・

母が泣いているとき、兄貴と私と三人で部屋にいました。
親父の前で泣くことはしませんでした、本当に強い人だと思う。
その時、母親が口を開きました。
「私はどんなにつらくても、あなた達が大学を卒業をするまで別れない」
「それはあなた達の未来を変えてしまう事だから。」

その言葉に胸を打たれました。
学校は通っているんじゃない、通わせてくれている事。
そして、どれほどの痛みを母親が抱えているか。
母がとても大きな人間に見えました。


私が大学二年になったとき、二回目の浮気です。
相手は同じ。
もうこれ以上聞きたくない、そう思いました。
一回目の時より、二回目の方が私には衝撃がありました。
悲しいような、寂しいような、なんともいえない気持ちになりました。

母は前のときから自分の必要性について相当悩んでいました。
きっと、自分で答えを探して立ち直ったのだと思います。
そんな糸がぷつりと切れるように・・・
また泣いている母の姿は今までにないくら悲しくみえました。

兄貴が一人暮らしをして、いるのは三人だけ。
私はその事実を冷静に確認する事もできず、ただ泣きながら親父に話しをしました。
あまり何を話したか覚えていません。
ただ怒りと、悲しみと、いろんな感情がいりまじって・・・。
でも、あの深い悲しみだけははっきりと覚えています。
あの時の母の言葉がよみがえり、余計に悲しみが増しました。


もしかしたら、今でもその相手と続いているんじゃないか?
そんな疑問がたまに頭をよぎります。
でも、できる事ならその事実は確認したくありません。
もうこれ以上、母の悲しい姿はみたくないですから。

あの時の母の言葉。
そして、日常を当たり前に過ごす姿。
まだ、素直に「ありがとう」と言う事が出来ません。
でも、必ず言いますよ。
あなたに、ありがとうという言葉を。



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