「茶話」

「茶話」

2009.01.19
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初春代歌舞伎を楽しんできた。

歌舞伎との出会いはもう4半世紀も前だ。
職場の先輩に歌舞伎座に連れて行っていただいたのが始まりだ。
若き玉三郎がブレークした頃だ。

歌舞伎を知らない当時のイメージといえば。

変な化粧。
大げさな動作で変な声。
何言ってるんだかさっぱりわかんない。

めんどくさそうな決まりごとばっかの古い世界で超難解。
きっと面白くない。

観始めてみると。

こんなに素晴らしいエンタテインメントがある日本は幸せものだ!

イメージと現実のギャップがこれほど大きいものには滅多にお目にかからない。

そしてなんと、今の歌舞伎座が来年4月で無くなってしまう。
新装するということだが、なんとも寂しい。
明治22年にあの場所に最初の歌舞伎座が建ち、現建物は昭和26年に竣工したそうだ。
そこで、これから来年4月までの公演は「歌舞伎座さよなら公演」と銘打っている。

今月の演し物では、三島由紀夫の書いた「鰯売り恋の曳き網」が笑える。勘三郎は現代のコメディアンの誰にも負けない。

玉三郎の舞う「鷺娘」は観るが勝ち。「スターアーティスト」というもののオーラを観て見たいという人は是非どうぞ。バンバン出てるから。この舞自体、様々な変遷を得て今の形になっているそうだが、理屈抜きで惚れ惚れする。

「春興鏡獅子」は圧巻。これも勘三郎だが、歌舞伎役者のレパートリーは凄い。どうりで幼い頃からの修行だとか、決まりしきたりがモノ言うわけだ。天才は別として、そういう環境が基礎基本の習得、その後の表現力開花に必要なのかもしれないなと思える。

「春興鏡獅子」の解説を読むと、戦前、かのジャン・コクトーがこれのある場面を観て感動で思わず立ち上がってしまったそうな。映画「美女と野獣」にはその影響があるのだとか。


「戦前のこれ」(常々進化をしているらしいが)を今の自分が依然観ることができるというライブ感が。


歌舞伎には何層もの楽しみがあると思う。

一つ.目くるめく色彩の美に陶酔できる。
一つ.邦楽の面白さ、音響の楽しさに触れることができる。(慣れが必要かも)
一つ.お笑いが好きな人は、普段接しているお笑いを凌駕する笑いをエンジョイできる

一つ.劇的な強いストーリーが好きな人は、手に汗握る興奮を味わうことができる。
一つ.形而上学的に芸や舞台、アートや人生を考えたい人にはたっぷりと種がまかれている。

などなど。

さらに、慣れてくると、舞の動作一つ、決めのポーズひとつ、舞台装置ひとつ、あんなに大げさに思えたひとつひとつに、実はどこにも無駄がないかも!という驚異に気づいたりする。

型というものの持つ力。
人の心が暗に求める安心ゾーンやスリルゾーンにさくっと入り込んで操られてしまう快感。

そして、私のような素人には強力な味方、イヤホンガイド!!
始めは何となく邪道のような気がして敬遠していたイヤホンガイド。
しかし、それがとんでもない思い上がりの勘違いだと気づいてからはお気楽に楽しむようになったイヤホンガイド。

その世界に自分がいるわけでもなし、何事も能書きを知っておくと楽しみが深くなるということだ。
慣れてくると、イヤホンガイドを外して観たいところも増えてくる。
すると舞台への集中力が上がるから更に感度がアップする。


さあご一緒に、レッツ・エンジョイ歌舞伎かな。





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最終更新日  2009.01.19 13:26:41
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